P.N.「キミ(黄身・君)がいた夏」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-07-01
目の前の卵をとるイタリア人と言われるように、12日×二人=24個の卵をオムレツにする。
目の前の利益を優先する二人の堕落的な生き方を象徴するシーン。オムレツをムダにするように、人生をムダにし、それは、結末を感じさせる。
随所にキリストの導きを盛り込み、ジョヴァンナは、ひまわりの花言葉『あなただけを見つめる』如くアントニオを探し出す(聖アントニオの導き)。
ひまわりの花言葉『偽りの豊かさ』で人生を弄んだ二人も、真の居場所を見つける。
それは、戦争下でソ連に眠るイタリア人、己を隠し暮らす男たちをも象徴する。
サント、イタリアでは聖アントニオ祭の時期に見頃になるひまわり。
ジョヴァンナは、愛息にアントニオと名付け、その深い信仰心を感じさせる。
そして、アントを再びソ連に送り出し、あなただけを見つめるひまわり。
貧しき者、婚姻、そして、探し物を求める人々に寄り添うサント。
創造の海ナポリから、生み出された卵(作品)かもしれない?
そして、ソ連の国花ひまわりが、希望の光となる。