魂のジュリエッタ 作品情報

たましいのじゅりえった

ローマ郊外の閑静な住宅地に住む中年の夫婦ジョルジョ(M・ピス)とジュリエッタ(G・マシーナ)の結婚記念日。ジュリエッタは着飾って、夫の帰宅を待ちわびていた。夫婦だけで静かにすごしたいと考えていたジュリエッタだったが、夫は招かざる多勢の客をつれて帰ってきた。彼女はあたりの賑やかさとはうらはらに、だんだん気が滅入っていく自分をどうすることもできなかった。ジュリエッタは献身的で貞淑な妻だった。夫に対する気持は、結婚当座と少しも変ってはいなかったが、その夜の気持は、いつもと少し変っていた。もうあまり若くない自分。初めて、あせりのようなものを感じた。そして、もかしたら、夫に愛人がいるのではないか……などとさえ考えた。彼女は鏡にむかい、自分の顔と対話しているうちに、いつしかとめどない妄想が拡がっていく。そして夢幻の世界をさまよい、子供の頃の記憶がよみがえり、時に寓話の世界が現出する。その幻は、夫を誘惑するであろう色々のタイプの女性の姿をとるときもある。それは残酷で脅迫的だったり、あるものは、荒唐無稽だったり、異常ですらあった。そして、ふとわれにかえる時、夫への疑惑は耐え難いほどにふくれ上り、心の傷はますます深くなっていった。彼女は心霊術師を訪ねて悩みをうちあけ、興信所に夫の素行調査をたのんだりした。一方彼女は、女ともだちのスージイを訪ね、男性遍歴が生き甲斐だという彼女から、浮気のお膳立てを、ととのえてもらったりした。しかし、浮気のできるジュリエッタではない。興信所の調査で、夫の不貞の証拠をみせられたジュリエッタは、完全に見捨てられたことを感じた。彼女にとっては、夫の愛がすべてだったのだから。夫が出張で出かける日、ジュリエッタは涙をいっぱいうかべて、見送った。これが最後かもしれない。ジュリエッタは再び幻想の世界へ入る。しかし誰も彼女を救ってくれはしない。そして幻との対話をやめた時、傷ついたジュリエッタの心の中に、かすかな希望がよみがえってくるのだった。

「魂のジュリエッタ」の解説

フェデリコ・フェリーニとトゥリオ・ピネリの原案を、この二人とエンニオ・フライアーノ、ブルネロ・ロンディら、「甘い生活」「81/2」などフェリーニの諸作に協力しているグループの共同脚色、「81/2」についで製作されたフェリーニ監督初めてのカラー作品である。撮影は「81/2」の故ジャンニ・ディ・ヴェナンツォで、これが彼の最後の作品。音楽はフェリーニとは名コンビのニーノ・ロータが担当した。出演は「カビリアの夜」のジュリエッタ・マシーナ、「81/2」のサンドラ・ミーロ、「イスタンブール」のシルヴァ・コシナ、「81/2」のマリオ・ピス、「女ともだち(1956)」のヴァレンティナ・コルテーゼなど。製作はアンジェロ・リッツォーリ。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督フェデリコ・フェリーニ
脚本フェデリコ・フェリーニ トゥリオ・ピネリ エンニオ・フライアーノ ブルネロ・ロンディ
出演ジュリエッタ・マシーナ サンドラ・ミーロ マリオ・ピス シルヴァ・コシナ ルイザ・デラ・ノーチェ カテリーナ・ボラット ルウ・ギルバート ヴァレンティナ・コルテーゼ シルヴァーナ・ジャキーノ エレーナ・フォンドラ ホセ・ルイ・ド・ビラロンガ チェザーレ・ミチエリ・ピカルディ ミレナ・ヴコティッチ Alba Cancellieri Sabrina Gigli Rossella Di Sepio Elisabetta Gray
配給 東和=ATG
制作国 イタリア(1964)
上映時間 138分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-02-24

『ユリイカ 詩と批評』誌の〈フェリーニの世界〉特集には小説版が収録され興味深い小解説がある。心理的極限情況下のフラッシュバックな困惑映像は新境地とも言えるが,原型と為った小説と読み比べたい処かも

最終更新日:2026-07-09 23:31:37

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