日時:6 月 11 日(土)
場所:新宿武蔵野館
登壇者:木⻯麻生、藤原季節、桜田通、加藤拓也監督
20 代の等身大の恋愛の危うさと⻭がゆさを描いた映画『わたし達はおとな』が 2022 年 6 月 10 日(金)に新宿武蔵野館ほかにて全国公開された。主演の木⻯麻生、共演の藤原季節、桜田通、監督の加藤拓也を迎え、公開記念舞台挨拶が実施された。
映画上映後、ステージに登壇した木⻯が「本日はお忙しい中、観に来ていただいてありがとうございます。今日はよろしくお願いします」と晴れやかな表情であいさつすると、続く藤原は「加藤拓也監督第一弾作品の舞台あいさつに登壇できたこと、そして桜田通くんとは、(2014 年公開の映画)『人狼ゲーム ビーストサイド』以来、8 年ぶりにこの新宿武蔵野館に帰ってくることができまして。ここまで来るのに 8 年かかったということで、とてもうれしいです」とコメント。
その言葉に桜田が「実はほかの作品でも来たことはあったので、ここに来ること自体は 8 年ぶりではないんですが、ただ(藤原)季節と同じ作品の共演者として登壇したのは 8 年ぶりだったんです」と補足説明をすると、さらに藤原が会場を見渡しながら「その時の新宿武蔵野館はリニューアル前だったと思うんですけど、たしかスクリーンはここだったと思います。いやぁ、いい景色だなぁ」と喜びをかみ締めている様子だった。
藤原演じる直哉は、一見優しそうに見えて実はとんでもなく無責任な面を持つ人物。そして桜田演じる将人は、優実の元カレでありながらも、優実と別れた後もしつこくアプローチを仕掛け続ける人物。主人公・優実に関わる男たちは、非常に両極端な人物像となっており、木⻯自身、この二人の男性については「どっちと付き合ってもくじけると思います」と笑ってみせる。
そんな直哉を演じ、「僕はきわめて上品な人間ですから」と笑う藤原に、「すみません、どの口が言ってるんでしょうかね?」とツッコんでみせた木⻯。さらに藤原が「昨日、(SNS などで)感想を観ていたら、歴史的クズ野郎みたいに書かれて。これは褒められているのか分からないですけどね。通くんなんかは、すごいストーカーみたいに書かれて。(木⻯に向かって)歴史的クズ野郎と、ストーカーに挟まれてお疲れさまでした」と呼びかけると、「本当に。頑張りました」と笑ってみせる木⻯。
一方の桜田は「ストーカーではないと思うんですけどね。ただ愛情とか、自己表現があまり上手じゃない子なのかなとは思いましたが」と前置きしつつも、「演じる時は監督にご指導いただいて。僕は気持ち悪く演じたわけではなくて。ただただ純粋に、好きな人にアピールしてたら、そうなった」とキッパリ。その言葉に加藤監督も「それがいいんです。本人、まじめにやってるからいんです」と深くうなづいていた。
とは言いながらも、そんな登場人物について加藤監督は「基本、出てくる人は嫌だなと思いながら作っていて。基本的に好きじゃないですね」と身もふたもないコメントを発し、会場は大笑い。藤原も「さっき僕が、自分が演じた直哉のセリフをここで言ったんですけど、そうすると(そのセリフのあまりのヒドさに)場の空気が凍り付くじゃないですか。加藤さんが書いたセリフなんですけどね」と続けると、加藤監督は笑いながら「好きじゃないというのはギャグですけど。ただ、いい人だからいいことをする。悪い人だから悪いことをする、というのではなく。人にはいいところも悪いところもあって。単にいい人がいいことをしたから、気持ちよく終わるみたいな感じでは書きたくないなと思っていたという感じですね」と明かした。
そんな本作について最後のメッセージを求められた桜田は「自分と見つめ合う時間を持ったり、普段仲良くしている友だちも裏ではこんなことをしてるのかなと勘ぐってしまい、人との信頼関係がギクシャクしすぎないように。すべては加藤監督が生み出したものだと、責任は加藤監督のせいにしながら観てください」とコメント。
さらに藤原が「歴史的クズ野郎とか、ストーカーとか言われていますが、そういう人も明日は我が身だぞと。僕はこの映画を観て、過去の自分が、これからの自分がこうなっていないか。相手を傷つけたことを言っていないかと、ヒヤヒヤしながら観てしまいました」と続けると、木⻯も「皆さんがいろいろとすてきなことを言ってくれたので。あまり多くは言わず、映画を観て好きでもいい。嫌いでもいいし、もう観たくないでも観たいでもいい。何か自分の中に思うことが生まれたり、残ってくれたらいいなと思います。今日は皆さんの前でごあいさつできて良かったです」と会場に呼びかけた。