日時:5月15日(日)
場所:MOVIX倉敷
登壇者:阿部 寛、瀬々敬久(監督)
幾度途切れても必ず繋がってゆく親子の絆を描く、重松 清による不朽の名作小説「とんび」。今この時代にこそ届けたいと、初映画化が実現。主人公の、破天荒ながら愛すべき父・ヤス役には、『テルマエ・ロマエ』「下町ロケット」などの大ヒット作で、圧巻の表現力と存在感を放つ阿部 寛。ヤスの息子・アキラ役には、若手実力派の中でも突出した才能を発揮する『君の膵臓をたべたい』『東京リベンジャーズ』の北村匠海。さらに、多くの深遠な物語をエンターテイメントとして昇華させてきた監督・瀬々敬久の元に、薬師丸ひろ子、杏、安田 顕、大島優子、麻生久美子、他豪華キャストが集結。これは、古き良き時代の物語にとどまらない、新たな時代への希望を予感させる、今、そして未来へ繋がる家族の絆の物語。主題歌は、デビュー25周年を迎える人気アーティスト、ゆずが書き下ろし楽曲「風信子(ヒヤシンス)」に決定。映画『とんび』は、4月8日(金)に全国公開した。劇場を訪れた方たちからは「今年で一番泣いた」「会場が感動と共感に包まれていた」「不器用なお父さんの姿に涙が止まらなかった」との声が上がり、各レビューサイトでも続々と高評価が寄せられている。5月15日(日)に、本作の撮影地である岡山県にて凱旋舞台挨拶が開催され、主演の阿部寛、そして本作で監督をつとめた瀬々敬久が登壇した。
先月には、本作のロケ地である岡山県・大谷地区の商店街にて公開御礼会見を行ったが、本作のロケ地かつ原作者 重松 清の出身地でもあるこの岡山にて、公開から1ヵ月以上が経った今でもロングランヒットを記録しているということで、急遽舞台挨拶が決定した。
こうして再び岡山に戻り、イベントを実施することができた気持ちを聞かれた阿部は、「撮影は、この辺り(倉敷)でも行っていたので、今日皆さんにお会いして、とても親しみを感じています。ご近所さんのような感覚で…今日は久々に帰ってきました。皆さんと共に作った映画だと思っていますので、これからも応援よろしくお願い致します。」と、コメント。監督をつとめた瀬々は「この映画館が全国1位です!本当に感謝しています。何度でも楽しめる映画だと思いますので、是非これからもよろしくお願い致します。」と、イベント会場の「MOVIX倉敷」は、本作の観客動員数全国1位であるということも絡め、岡山への凱旋の喜びを語った。
そして、イベントでは来場した観客からの質問に答えるというコーナーを実施。
それぞれ、3回、5回と本作をリピート鑑賞したという夫婦からは、「銭湯に入るシーンでテルマエ・ロマエが頭をよぎりました」と感想を述べられると阿部は「それは思っちゃいけませんね。(笑)なるべくそうならないように頑張りました。」と回答。阿部から、「逆に質問いいですか?3回と5回観られたとのことなんですけど、どのシーンがよかったですか?一箇所じゃなくていいですよ。」と逆質問。奥さんは「いっぱいあるんですけど、アキラ君と一緒に自転車に乗っているシーンが好きです。」と、旦那さんは「家族が出てきて遺品整理をしているところです。」と夫婦そろって感動したポイントを答えると、「本当にありがとうございます。」と、生の感想の声を聞き、喜びの表情を浮かべた。
さらに、撮影の合間に岡山で観光した場所や食べたものについて聞かれると、阿部は「(観光は)してないです。撮影で色々なところに行けて、そこで幸せなくらい親切に色々なものを頂いてお腹いっぱいになりました。コロナ禍だったので、あまり外にはでないようにしたのですが、改めてマスクなしで色々なところに行きたいなという思いが非常にあります。」と、瀬々は「ロケで色々なところに行きました。映画を観ると近くの色々なところが映っているので、是非確認してみてください。」と撮影を振り返った。
最後に、「先程銭湯の話がでたんですけれど、トレーニングなどはされているんですか」という質問に対して、阿部は「この前に出演したテレビドラマの作品では相当鍛えたんですけど。(笑)この作品ではしてないです!」とコメント。さらに質問者から「家族によく阿部さんに似ているんですけど…」という告白をされると、「結構僕に似てる人いるんですよ」と答えて、笑いを誘った。
また、岡山では、「晴れの国」と呼ばれるほど天候が良く、また美しい町並みや風景が多いことから、岡山を映画聖地“ハレウッド”と題して、県をあげて映画撮影の誘致等を盛り上げる施策を行っている。そして、本施策の一環として、日本遺産にも認定されている国指定の伝統工芸・備前焼で映画人の手形を刻むという企画を、今回阿部寛・瀬々敬久監督の手形を第一号としてスタートさせることも決定!実際に舞台上で二人の手形が取られた。
二人は備前焼陶版にサインをし、右手に銀色の絵の具を付けると、MCの掛け声に合わせて手形を押し、無事に手形取りは成功した。そして、備前焼陶友会と岡山県FC協議会により、備前焼手形は高音で焼き上げられ完成、展示される予定だ。
最後に“故郷”岡山の人たちに向けて、瀬々監督は「この作品は一昨年の12月から1ヵ月間撮影しました。撮影時は水島地区のホテルに宿泊したので、ここからも近いところです。そう意味では、倉敷が出発点であり、今日また戻ってこれたことは感無量です。是非、この映画、人生のけりをつけるような映画だと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします!」と熱い思いをピーアール。主演の阿部は、「監督からも「人生のけりをつけるような映画」と仰っていましたが、そんな作品に参加できたことは、本当に感無量です。そして公開から1ヶ月以上が経っているのに、これだけ多くの方が来てくださって、今日また岡山の皆さんとお会いできたことが本当にうれしいです。この作品は過去2度映像化された名作ですが、僕たち出演者スタッフが全身全霊を込めて作りました。また、応援よろしくおねがいいたします。本日はありがとうございました。」と強い想いを伝え、温かな雰囲気の中、イベントは終了した。