劇場オリジナルアニメ映画『神在月のこども』が全国公開中となっている。日本各地では“神無月(かんなづき)”と呼ぶ10月を、出雲では“神在月(かみありづき)”と呼ぶ由縁。全国の神々が出雲に集い、翌年の縁を結ぶ会議を行うという云われを題材に、人々と神々、各地と出雲、そして、この島国の根にある“ご縁”という価値観をアニメーションに描く本作。母を亡くし、大好きだった“走ること”と向き合えなくなった少女カンナ。そんな彼女のもとに一羽の兎(シロ)と一人の少年(夜叉)が現れ、出雲への旅にいざなう。廻りはじめる歯車。人々と神々の境界をまたぎ、駆ける少女の旅がはじまるー
主人公・カンナは蒔田彩珠。神使の兎・シロ役を坂本真綾、⻤の少年・夜叉役は入野自由、カンナの亡くなった母親・葉山弥生を柴咲コウ、カンナを男手一つで支える父親・葉山典正を井浦新、カンナが目指す出雲を治める神・大国主を神谷明、カンナの幼少期に新津ちせ、同級生のミキを永瀬莉子、松江に奉られる神・恵比寿を茶風林、長野・諏訪を護る龍神を高木渉が担当。人々を俳優、神々を声優が演じ分ける注目作となっている。主題歌・劇中歌・エンディングテーマはシンガーソングライターのmiwaが担当している。
本作は東京から出雲へ使命を帯びて走る少女カンナの成長を描く物語ということから、11/14(日)の旧暦神在月に八百万の神をお迎えする神迎祭に合わせて山陰地方で凱旋プロモーションを実施、高木渉による舞台挨拶などが実施された。
プロモーションは11月11日(木)から行い、出雲大社の松の参道入口に設置されることになった因幡の白兎“シロ”の石像の除幕式、映画の中でシロのご当地・白兎神社がある鳥取市庁、鳥取県庁へ表敬訪問、さらに11/12(金)より鳥取県内で上映を開始したMOVIX日吉津にて舞台挨拶を実施。MOVIX日吉津の舞台挨拶に登壇した四戸は「鳥取は島根と同じく映画の中で重要な場所です。シロのふるさとの白兎神社もあります。やっとその地での上映が叶いました。本当にうれしいです。」とコメント。アニメーション監督の白井孝奈監督も「鳥取は初めて訪れましたが大山(だいせん)がとても美しくきれいなところだと思いました。シロのふるさとで上映頂き大変光栄です。」と初めての鳥取訪問を喜んだ。ロケーション監督の三島は「私は島根県の松江しの出身です。島根と鳥取はともに山陰地方と呼ばれており、私は島根とともに山陰が生まれ故郷だと思っています。そんな鳥取で舞台挨拶にたてるなんてこんなにうれしいことはありません。」と感動を語った。今回の上映はMOVIX日吉津の支配人と三島の御縁で実現したものでもあり壇上で白井監督が描いたイラストを支配人に贈呈する一幕も。最後に三島から「色々な御縁でやっと鳥取県での上映が決まりました。本当に多くの方々にこの映画を届けたいとし、私のふるさとである山陰、鳥取の皆さんにも楽しんで貰いたいです。」と舞台挨拶を終えた。
神迎祭(八百万の神々をお迎えする神事)の当日の11/14(日)にはC⁺pod 到着式とT・ジョイ出雲にて凱旋舞台挨拶を実施。
豊田市のトヨタスタジアムを出発したC⁺podのキャラバン隊が11日間をかけて出雲大社御縁広場に到着。当日は龍神役の高木渉ほか、伊藤功出雲副市長他、出雲市の関係者やトヨタ自動車、豊田市、「神在月のこども」関係者が出迎え、高木は「この映画のラッピングをされたC⁺podは本当にかわいいですね!カンナのイメージにぴったりです!」と興奮を隠せない様子だった。
続けて場所をT・ジョイ出雲に移して実施された舞台挨拶で高木は「神迎祭の当日に初めて出雲に来れるなんてこんなにうれしい事はないです。龍神は諏訪(大社)の留守神ですがしっぽは諏訪にあり頭だけが出雲にきました。」と初めての出雲来訪を喜んだ。 ロケハンで何度も出雲を訪れていた四戸は「全国公開から1か月以上が経っていますがやっとここに帰ってこれました。」と続き、白井監督も「3年前の神迎祭の時にもロケハンで来たのですがその時は私が監督をやることが決まっていない時期で不安ばかりでしたがこうやって完成した作品を出雲の皆さんにも見て頂けて本当にうれしいです。」と思いを語りました。
スーパーバイザーの諏訪も「私は30年以上テレビアニメの制作に携わってきました。そんな私でも今回の『神在月のこども』は特に思い出に残った作品のひとつです。今後も観客の皆様に育てていってほしい」と願った。諏訪のコメントを受け高木は「本当にこの作品は四戸さん、三島さんというアニメ制作のド素人が足掛け9年をかけて作った作品です。私も初めてこのお話を聞いた4年前には夢物語だと思って聞いていました。そして今、こんなに素晴らしい作品として全国の劇場で上映されている。カンナがもう一度立ち上がって前を向いて走り出す、という内容もそうですし、ド素人でもここまでの作品が作れるという事も含めて本当に勇気をくれるんですよね。」と振り返った。最後に白井が「公開から1か月以上が経ってもこんなに多くのお客様に来ていただき本当に感激しております。見て下さった方たちの背中を少しでも押せたらと思って作った作品ですのでこれからも愛してくれたらうれしいです。本日はありがとうございました」と舞台挨拶を締めくくった。
映画『神在月のこども』は全国公開中