日時:10月22日(金)
場所:T・ジョイ京都
登壇者:金田哲(はんにゃ)、原田監督
歴史小説界の巨星・司馬遼太郎が土方歳三を主人公に、新選組の志士たちの知られざる人生と激動の時代・幕末を描いた国民的ベストセラー、「燃えよ剣」が遂に完全映画化!監督・脚本:原田眞人×主演:岡田准一のタッグに加え、柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、伊藤英明ら豪華俳優陣が集結する、スペクタクル・エンタテインメント超大作、映画『燃えよ剣』が、10月15日(金)より全国公開を迎えた。約1年半の公開延期を経て10月15日(金)より全国公開された映画『燃えよ剣』。10/16~17の週末映画ランキングでは堂々の1位に輝いた本作のヒットを記念して、原田眞人監督、そして新選組八番隊組長・藤堂平助役の金田哲(はんにゃ)が、新選組誕生の地、京都に凱旋、舞台挨拶が実施された。
歴史好きで剣道の有段者でもあり、原田監督によって藤堂役に今回大抜擢された金田。その存在感・演技には、SNS上でも賞賛の声が後を絶たない。また、本作のPRイベントにこれまで登壇が叶わず自身のYouTubeで「公開記念ひとり会見」をやるほどの思い入れがある金田にとっては、念願の舞台挨拶登壇となった。
芸人の金田を藤堂平助役として抜擢した原田監督は、「TVのバラエティー番組で、剣道をする彼を見たときの目力がすごく良かった。あれを見た時から彼と時代劇をやりたいと思っていた」と第一印象を伝え、それを受けて「原田監督のファンとして日頃から劇場で作品を見ていて、『関ヶ原』の際はエキストラにも応募していました。そんな中、『燃えよ剣』のお話を頂き、嬉しいどころか言葉で言い表せないほどの感情です」と喜びを伝えた。そして、きっかけとなった剣道について「僕の剣道をする姿を見てオファー頂いたということで、初めて剣道をやっていて良かったと思いました、親に感謝です」と終始、感激の様子。
藤堂平助役を演じた際の苦労について聞かれると、「剣道は長年やってきましたが、いざ、現場で殺陣のリハーサル稽古を行い、岡田さんと対峙したときに、別格のたたずまいと剣捌きで、今までやっていた武道としての剣道とは違いを感じ、苦労しました」。そんな土方と藤堂の関係性について原田監督は、「二人のシーンはいちばんねちっこくやりたかった。江戸から続く二人の因縁や相性や様々な背景から藤堂を斬るとしたら土方だなと考えていた」。また二人の対決シーンについては「本作の殺陣指導も行っている岡田(准一)さんに『このシーンは長く(殺陣を)やってもいい』と伝えると、『ワルツで考えました』と3拍子で回る特殊な殺陣を考えてきた」という裏話も。
また、原田監督が「池田屋でカットした藤堂のシーンがある。あれは“サイコパス藤堂”だよね」と明かすと、金田は「ダンスを踊るように人を斬るシーンがあったんです。『シャイニング』のジャック・ニコルソンのようにやってくれ、と監督に言われたんです。“藤堂ニコルソン”です」と語った。ただその渾身のシーンについて監督は「過激すぎたので泣く泣くカットしたけど、あのシーンがなくても“サイコパス藤堂”は成立していたよね」と金田演じる藤堂平助を称賛した。
続いて撮影現場での新選組メンバーの団結力について聞かれると、金田は「岡田さんには体や足の使い方、そして本当に人を斬るための幕末の剣の使い方を教えていただきました。岡田さんが本気で腰を入れて木刀をふったときに、木刀が粉々になったんです。たまたまこの木刀が古いのかなと思ったけど、二度三度やっても粉々になるんです。達人の域で驚きました」と本作で殺陣指導も行った岡田准一の凄さを話し、新選組局長・近藤勇を演じた鈴木亮平については、「日頃からみんなに声をかけていただき、現場でも仲間思いの局長でした。しかし、撮影の合間の休日に、僕が夜の町のパトロールへ繰り出した日があり、翌日鈴木さんに『昨日は何してたの?』と聞かれて、『ガールズバーに行ってました』と答えると、しばらくして正面から岡田さんが歩いて来て『藤堂さん、局中法度により切腹です。撮影中にガールズバーに行くべからず』と伝えられまして…その場にいた沖田総司を演じる山田(涼介)くんに『潔くいっちゃってください!』と満面の笑みで言われたことがありました」と話し、それを初めて聞いた監督は「それは切腹どころかズタズタにしますね」と笑い、金田はたじたじの様子だった。
最後に作品の見どころを聞かれた金田は「幕末の生々しさや荒々しさを壮大なスケールで存分に体現している反面、映像の美しさ、所作の美しさ、人間の生き方の美しさなど、何度見ても感じる美しさがある作品です。何度も観る中で自分の中の美しさを再確認してほしいです」と観客に伝えた。
監督からは「公開されて2週目。観た方の反応もすごく良いし、これからどんどん広がっていってほしい。司馬遼太郎先生の最高傑作の一本である『燃えよ剣』をこういう形で映画化し、京都の皆さんにお見せ出来て、とりあえずひとつのミッションを果たしたような気持ちです。これからも京都で映画、そして時代劇を撮りたいので、是非劇場に足を運んでください。」と京都への思いをつづり、トークは終了した。