『トイ・ストーリー』の“おもちゃたちの秘密と友情”、『モンスターズ・インク』の“モンスターたちの秘密と友情”、『リメンバー・ミー』の“家族の秘密と絆”など、数々の驚きと感動的な物語を観客に贈り届けてきたディズニー&ピクサー。そんな彼らのこの夏必見の最新作は、北イタリアの美しい港町ポルトロッソを舞台に“最高の夏”を描く『あの夏のルカ』(6 月 18 日(金)よりディズニープラスで独占配信開始)。これまで数々の感動の物語を描き、世界中に愛される作品を生み出してきたピクサー。愛されてきた理由の一つには観る人を魅了させる豊かな色使いが挙げられるが、ただカラフルにしているというだけではなく、そこにはピクサーのある秘策があった。それは“シーンごとの色使いにこだわることで、観る人をよりストーリーやキャラクターしやすくさせること”だ。メキシコを舞台とし大ヒットした『リメンバー・ミー』や、綺麗な海の世界に魅了された人も多い『ファインディング・ドリー』に続き、この夏誕生する最新作『あの夏のルカ』でも、舞台となる“イタリアの大自然”を観る人に感じさせるよう、色使いや光の使い方には細かくこだわっており、プロダクションデザイナーを務めたダニエラは“色や光を通じて観る人の心に主人公の気持ちを感じさせる意識をした”と語った。
日本では 2018 年に公開され、心に響く歌が大きな話題となり大ヒットした『リメンバー・ミー』。大ヒットの理由にはストーリーや歌はもちろん、メキシコを舞台に描かれたカラフルな世界観が挙げられる。メキシコ最大のお祭り“死者の日”が美しいネオンカラーで彩られ、その他にもカラフルな街並みや装飾、そして鮮やかなオレンジで描かれたマリーゴールドの道など始めから終わりまでその世界観に魅了された人が多い作品だ。ただ、物語の途中には色をわざと抑えて鮮やかなムードを一休みしているシーンがあり、これは主人公ミゲルが最も絶望的な時のムードを感じてもらうために、あえて色の調整をしているということを明かしている。また『ファインディング・ニモ』の続編として公開された『ファインディング・ドリー』では、海の世界を透き通った青い水やカラフルな魚たち、また海底に差し込む淡い光で表現している一方、人間の世界をアースカラーを使用してコンクリートや金属などを描くことで、海との差異を感じさせるように描かれている。2つの世界を色によって描き分けることで、そのシーンでのキャラクターの気持ちや感情が観る人に伝わりやすくなったのだ。このようにピクサーはシーンごとの色使いにこだわることで、よりストーリーやキャラクターに感動しやすくなる作品を生み出してきたのだ。
そしてこの夏誕生するピクサー最新作『あの夏のルカ』でも、青い海や照り付ける太陽、緑の木々などの大自然と、暖かい色合いの街並みで“イタリアの夏”を描いており、それぞれのシーンごとの色や光の使い方にはもちろんこだわっている。本作で色使いを担当したプロダクションデザイナーのダニエラは、「私たちは観客にルカが感じていることを感じてもらいたいのです。内面にある感情を、色と光を通じて外に表現するのです。そうすることで、ルカの孤独や興奮、恐怖、希望、夢が伝わってくるでしょう。何より、子供時代の喜び、自由、アルベルトの友情が伝わると思います」と語り、色や光を通じて観る人の心に主人公ルカの気持ちを感じてもらう工夫をしていることを明かした。
これまでのピクサーと同じように本作でも色使いにこだわることによって、ストーリーやセリフからだけではなく色や光を通してルカとアルベルトの友情が感じられるような作品となっている。シーモンスターが暮らす海、冒険する人間の世界、そしてルカとアルベルトの友情がどのようなこだわりを持って描かれているのか、是非注目してほしい。
エンリコ・カサローザ監督は、第 84 回アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされたピクサーの短編アニメーション『月と少年』を手掛け、アカデミー賞受賞作品『カールじいさんの空飛ぶ家』のストーリー・アーティストを始め、『リメンバー・ミー』『トイ・ストーリー4』など様々な作品に参加し、高い評価を得ている。監督は北イタリアで生まれ育ち、夏らしさに溢れるイタリアの海岸を、まるでそのまま切り取ったかのように本作へ取り込んだ。監督が「子供の頃に自分とは全く違う世界に住む少年と夏に出会ったんだ。その夏の思い出から、少年が大人へと成長する物語を作りたいと思ったんだ」と明かすように、自身の経験からインスピレーションを受け、大人の心をも揺さぶる物語となっているディズニー&ピクサーの最新作『あの夏のルカ』は 6 月 18 日(金)よりディズニープラスで独占配信開始。