会話のできない自閉症という障害を抱える作家・東田直樹がわずか 13 歳の時に執筆した『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスコアール、角川文庫、角川つばさ文庫)。今まで理解されにくかった自閉症者の内面の感情や思考、記憶を分かりやすい言葉で伝えた内容が大きな注目と感動を呼び、34 か国以上で出版、現在 117 万部を超える世界的ベストセラーとなったこの書籍をもとにドキュメンタリー映画化された『僕が跳びはねる理由』(4/2 公開)。この度、なぜ僕は“跳びはねる”のか?その理由を明かした本編映像および、オダギリジョー、河西健吾ら各界の著名人によるコメントが解禁となった。
「僕の体は悲しいことやうれしいことに反応する」「感情に訴えかける何かが起こるとー、雷に打たれたように体が動かなくなる」「でも跳びはねれば、縛られた縄をほどくことができる」―なぜ僕は“跳びはねる”のか?そしてその理由は?
原作者・東田が著書で語った言葉を自閉症を持つ世界中の子供たちが“跳びはねる”様子とともに映像で映し出すことで、本作の重要なテーマの一つでもある「自閉症と呼ばれる彼らの世界が“普通”と言われる人たちと、どのように異なって映っているのか?」を、観る人に対して“普通ってなんだろう”とまっすぐに問いかけるような1シーンとなっている。
併せて、各界の著名人から本作に寄せたコメントも到着。俳優のオダギリジョーは「人間はすぐに優劣をつけたがる。考えが及ばないものに対して否定したがる。そんなつまらない脳を吹き飛ばしてくれる作品!」、本作の劇場予告ナレーションを担当した河西健吾は「今回のお話を頂いてから初めて作品を見させていただいたのですが、このお話を見るまで自閉症というものについてほぼ知識が無いに等しい状態でした。僕の周りには自閉症の方はいらっしゃいませんが、今後そういった方々と触れ合う際に少しでも何か力になれればと思わせる作品でした」と語り、女優であり、そして一般社団法人 Get in touch 代表の東ちづるは、伝えたいことが伝わらないもどかしさは、どう想像しても追いつかない。未知だ。なので、この映画で、旅の同行をする。自閉症の心の地図の旅だ。それは、気づきと安らぎの旅になります。ぜひ東田直樹さんの原作も併せて読んでほしい。」とその想いを述べている。
本作は、世界最大のインディペンデント映画祭としても有名な第 36 回サンダンス映画祭にてワールド・シネマ・ドキュメンタリーコンペティション部門 観客賞受賞、同年 2020 年に開催されたバンクーバー国際映画祭では長編インターナショナルドキュメンタリー部門観客賞&インパクト大賞を W 受賞したほか、多数の海外メディアからも「五感を刺激され自閉症者の世界を体感できる」(Backseat Mafia)、「斬新で見事なカメラワーク」(Screen Mayhem)、「感情に突き刺さるような美しさ!」(Variety)「驚異的な作品!」(The Hollywood Reporter)など、絶賛の声が続々と到着し世界各国からの高い注目を獲得、全米の映画批評サイト「ロッテン・トマト」でも満足度 98%という高得点を獲得した。
「自閉症と呼ばれる彼らの世界が“普通”と言われる人たちと、どのように異なって映っているのか?」を世界各地の5 人の自閉症の少年少女たちの姿やその家族たちの証言を通して追い、明らかにし、そして「自閉症者の内面がその行動にどのような影響を与えるか」を斬新な映像表現や音響効果を駆使、彼らが見て・感じている世界をあたかも疑似体験しているかのように体感できる、これまで誰も観たことのなかった驚きと発見に満ち溢れている本作。2005 年当時わずか 13 歳だった少年が紡いだ言葉が海を越え、今もなお世界中の自閉症者やその親たちに希望を与え続け、また”普通“と言われる人たちにも新しい気付きを与えてくれる作品となっている。
なお、東田による原作『自閉症の僕が跳びはねる理由』を英訳したのは、トム・ハンクス、ハル・ベリー主演の映画『クラウド・アトラス』(2012)の原作などで知られるイギリスのベストセラー作家デイヴィッド・ミッチェルとその妻ケイコ・ヨシダ。日本に滞在していた経験もあるデイヴィッド・ミッチェルは自らも自閉症の息子を育てており、対応に困り果てていた我が子の行動に対する疑問の答えをこの書籍の中に見つけ、「世界中の自閉症の子を持つ親にもこの本を読んで欲しい・伝えたい」という願いから翻訳、2013 年『The Reason I Jump』として出版。現在では世界 34s か国以上で出版され、瞬く間に 117 万部を超えるベストセラーとなり、その後、この英語版書籍『The Reason I Jump』が、本作にも出演しているジョスの両親(本作のプロデューサーを務めるジェレミー・ディアとスティーヴィー・リー)の目にとまったことで、映画『僕が跳びはねる理由』が誕生した。
「普通とは?」「個性とは何か」という普遍的な疑問、「会話(=コミュニケーション)の大切さ」「多様性の重視」など…本作を通して、他者と分断されている今を生きる誰もが共感し、問いかけることができるような感動の“体感”ドキュメンタリー映画である本作『僕が跳びはねる理由』は、4月2日公開。
【コメント一覧】<※順不同/敬称略>
オダギリジョー(俳優)
人間はすぐに優劣をつけたがる。考えが及ばないものに対して否定したがる。そんなつまらない脳を吹き飛ばしてくれる作品!
河西健吾(声優)※予告編ナレーションを担当
今回のお話を頂いてから初めて作品を見させていただいたのですが、このお話を見るまで自閉症というものについての知識がほぼ無いに等しい状態でした。僕の周りには自閉症の方はいらっしゃいませんが、今後そういった方々と触れ合う際に少しでも何か力になれればと思わせる作品でした。
東ちづる(女優/一般社団法人 Get in touch 代表)
伝えたいことが伝わらないもどかしさは、どう想像しても追いつかない。未知だ。なので、この映画で、旅の同行をする。自閉症の心の地図の旅だ。それは、気づきと安らぎの旅にもなります。ぜひ東田直樹さんの原作も併せて読んでほし
い。
有田芳生(参議院議員)
自閉症者に世界はどう見えているんだろうか。細部をまず認識するという。そう表現した当事者の東田直樹さんを案内人に世界の当事者を描いた作品は、健常者に世界観を問う。
佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)
ASD の人たちは、独特のコミュニケーション「回路」を持っている。想像を羽ばたかせてくれるようなその回路はとても美しく、それに触れられるだけでもこの映画を見る大いなる価値がある。
シトウレイ(フォトグラファー/ジャーナリスト)
生まれつき星飛雄馬の「筋肉養成ギプス」をつけて生活しているかのような彼らにリスペクトしかありません。人とのコミュニケーションが変わるし、マインドセットのきっかけにもなる、多くの方に観て欲しい映画です!
ヴィヴィアン佐藤(美術家、ドラァククイーン)
これは自閉症を通して、我々の間主観性の問題を描いている。自分が見ているものは他人も同様に見えているとは限らない。世界の見え方は無限にある。世界は無限に存在している。
想田和弘(映画作家)
巷に流布する「自閉症」に対するイメージや認識を、根底からひっくり返す。東田直樹の本はそういう本だし、この映画もそうだ。
前田哲(映画監督『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』など)
伝えたくても伝えられない、そのもどかしさと哀しみは当事者にしかわからない。だからこそ、その世界を知ることに意味がある。この映画を観賞する価値がある。
村山匡一郎(映画評論家)
「自閉」という世界に生きる少年少女たちの異なった風景が詩的に浮かび上がる。この映画は見る者の心に「普通」という意味を問いかけながら新たな世界を植えつける!
門間雄介(ライター/編集者)
理解できないものは異質だ、と決めつけていいのか。理解できないものを理解するための方法は、理解しようとすること以外にはないのだと、この作品は観る人に訴えかける。
4/2(金)公開 映画『僕が跳びはねる理由』本編映像解禁<跳びはねるその理由とは…?>
https://youtu.be/A0fNRBCroOo