映画『浜の朝日の嘘つきどもと』が、2021年秋、全国公開となる。『百万円と苦虫女』『ふがいない僕は空を見た』などの話題作を世に送り出し、2020年1月に公開された『ロマンスドール』でも大きな注目を集めたタナダユキ監督が、主演に高畑充希を迎えオリジナル脚本で挑んだ本作は、震災後の福島・南相馬に実在する映画館「朝日座」を舞台に、映画を愛する女性が敬愛する恩師との約束<閉館寸前の「朝日座」再建>のため地元住民とともに奔走する姿を描く物語だ。
オリジナル脚本を執筆したタナダユキ監督が自らメガホンを取った本作。主演の茂木莉子役には『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(18)で第43回日本アカデミー賞・優秀助演女優賞を受賞し、映画やドラマ、舞台など幅広く活躍する国民的女優の高畑充希。タナダユキ監督とは初タッグとなる。そして「朝日座」の支配人・森田保造役には今最もチケットが取れないと言われる落語家の柳家喬太郎。莉子の高校時代の恩師・田中茉莉子役にはバラエティ番組だけではなく女優としても多くの作品に出演している大久保佳代子。また、映画のアフターストーリーを描いたドラマ「浜の朝日の嘘つきどもと」が福島中央テレビ開局50周年記念作品として昨年10月30日に放送。映画と同じく監督・脚本にはタナダユキ。ドラマでは竹原ピストルと高畑充希がW主演を務め、今後配信などで放送が予定されている。
この度、新キャストとして、甲本雅裕、佐野弘樹、神尾佑、光石研、吉行和子という個性溢れる豪華俳優陣の出演が発表!
東京サンシャインボーイズ出身、バイプレーヤーとしてドラマ・映画に活躍する甲本雅裕が演じるのは、喬太郎演じる「朝日座」の支配人・森田保造とともに莉子の「朝日座」再建に協力する岡本不動産の岡本貞雄。『FUNNY BUNNY』、『町田くんの世界』等の映画に出演した若手の注目株・佐野弘樹が演じるのは、技能実習生で大久保佳代子演じる茉莉子のボーイフレンド。ドラマから戦隊モノまで幅広い作品に出演する神尾佑が演じるのは、「朝日座」存続を巡り森田らと対峙するオフィスI社員の市川和雄。多くの映画やドラマで脇を締める名優・光石研が演じるのは、莉子の父でタクシー会社社長の浜野巳喜男。そして日本を代表する名女優・吉行和子は、「朝日座」の常連で資産家の未亡人・松山秀子を演じた。高畑充希、柳家喬太郎、大久保佳代子の3人に続き、甲本雅裕、佐野弘樹、神尾佑、光石研、吉行和子という新たな個性が加わり、作品は、さらなる深みとユーモアを増していく。
甲本雅裕 コメント
この作品を一言で言うとあったかい、です。
脚本、撮影現場、福島の人達、全てがあったかかった。
ロケ現場の映画館ではノスタルジーな気持ちになり、馬に乗って久々に遠くを見て、路地裏で相馬の人達の会話を聞き、身近を感じたとてもいい時間でした。
この映画は、人が忘れかけている何かを思い出させてくれ、改めて今を生きてるんだって事を実感できる作品だと思います。
あったかい気持ちになれるこの作品に参加できた事に感謝します。
佐野弘樹 コメント
タナダ監督とは今回が初めましてでした。僕はバオ君というベトナム人の技能実習生という役どころでカタコトの日本語でお芝居をしています。
今までにない挑戦にワクワクしながら毎日の撮影をしていました。一人一人と真摯に向き合い続けているタナダ監督の心意気を間近で感じられた宝物のような時間でした。
震災、原発、コロナ禍、僕たちが生きていく上で目を逸らしてはいけないものを扱っている今作品は、最初に脚本を読んだとき書き手の、タナダ監督の、覚悟を感じました。
強度がある上に、しっかりと笑いあり涙あり、最後には今日も一日頑張ろう。って思わせてくれる可笑しみみたいなものもちゃんと詰まっているそんな素敵な作品です。
神尾佑 コメント
東日本大震災で福島は大きく変わってしまいました。それは町によって人によって家庭によって様々で、一概に悲しみ苦しみと表現できるものではないでしょう。この脚本はそんな福島のとある人々の断片ですが、福島への情愛とそこに暮らす人々への思いをとても感じました。タナダユキ監督の人間に対する洞察力と愛情が観た人の心を温めてくれるでしょう。そして映画の舞台になった映画館が素晴らしい。もしかしたら私も子供の頃行ったかもしれない映画館。この作品の礎になっていてそれがまた見どころです。福島出身としてこの作品に少しでも参加できて本当によかったです。
光石研 コメント
今作は、まだまだ先の見えないコロナ禍での撮影でした。
しかし、スタッフの皆さんの手厚いケアで、何一つ心配する事なく、撮影しました。
タナダ監督とは、確か同郷の北九州での、小さな映画祭でお会いした事がありましたが、タナダ組の現場は初めてでした。
キャメラの横にスッと座り、しっかりと俳優の佇まい、一挙手一投足を観察し、的確な指示を頂き、安心してやれました。
何ともハンサムな監督デス!ストーリーも小さな映画館のお話だし、映画愛を感じます。
しかし、監督の別の作品を拝見すると、ちゃんとエッジが効いてます。
羊の皮を被ったなんとかですかね。めちゃくちゃ楽しかったです。
吉行和子 コメント
タナダユキ監督の、映画愛が、ぎっしり詰まっています。
そして、震災、家族と、福島での撮影で、より強く感じた日々を思い出しました。
映画とテレビドラマが同時進行で撮影されたので、両方に出ていた私は、一度に二本、タナダ監督の作品に出る機会を頂き、嬉しかったです。
監督は、とてもチャーミングでした