日時:2月13日(土)
登壇者: 山﨑賢人、清原果耶、藤木直人、三木孝浩監督
1956年にアメリカで発表されて以来、ハリウッド映画に多大な影響を与え、60年以上経つ今でも色褪せぬ伝説の小説「夏への扉」(著:ロバート・A・ハインライン)の待望の映画化、『夏への扉 ーキミのいる未来へー』。主演を務めるのは興業収入57億円を突破した『キングダム』の大ヒットの記憶も新しい、今最も輝く俳優・山﨑賢人。本作では罠にはめられ、すべてを失いながらも、大切な人を救うため30年の時を超える科学者・高倉宗一郎を演じる。共演には、孤独に生きてきた宗一郎が家族のように大切に想う恩人の娘・璃子役に5月より放送のNHK朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」にてヒロイン役となる清原果耶、30年後に目覚めた宗一郎の手助けをする人間にそっくりなロボット役には藤木直人。その他、夏菜、眞島秀和、浜野謙太、田口トモロヲ、高梨 臨、原田泰造といった、多彩な顔ぶれが集結した!そして主題歌を担当するのは日本を代表するアーティストの一人であるLiSA。書き下ろした「サプライズ」は、登場人物の心に寄り添いながら、観る者との架け橋になっている。本作のメガホンを取ったのは『フォルトゥナの瞳』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の三木孝浩監督。
MCによる呼び込みにより山﨑、清原、藤木、三木監督が登壇し、一言ずつ挨拶。山﨑は「この作品は『夏への扉』というタイトルで、タイトルだけ聞くとどういう話か分からない部分もあると思うんですけど、時をかける壮大な話で恋愛もあり、バディとの友情もあったりと、どんな世代でも楽しんでもらえる作品になっていますので、今日はその魅力を伝えられたらと思います」と意気込み、清原は「今日は山﨑さん、藤木さん、三木監督とこの場に立てることを嬉しく思います。今日は最後までよろしくお願いします」、藤木も「ロボット役の…藤木直人です!こうやって自分の役どころを言うのは人生で最初で最後だと思います(笑)」とユーモアを交えて挨拶。
最初に、本作への出演の話を聞いたときの気持ちについて聞かれたキャスト陣。山﨑は「最初にタイトルを聞いた時にどういうことって思ったんですけど、季節に扉ってあるの、と。でもSFが好きなこともあったのと、デビュー映画以来に三木監督と一緒に作品を作ることにワクワクしました」と述べると、三木監督は「初主演作だよね?15,6歳の時だったのかな?久しぶりに会ったんですけど、色んな主演作を重ねている一方でいい意味での青臭さ、ピュアさを失わないところが、宗一郎にぴったりで素敵に演じてくれました」と熱弁。
清原も「私も実は映画のデビュー作が三木監督の作品で、また一緒に三木さんとご一緒できることにワクワクしてました」と喜んでいたことを明かした。ロボット役の藤木は「びっくりしました。人間じゃないって。二度見ならぬ二度聞きですよ!ちょっとハードルが高かったので一度お断りしました(笑)」と告白すると「え、そうなんですか!?初耳です。」と衝撃を受けた様子を見せた三木監督。
三木監督も世界中で愛される原作の映画化に当たってプレッシャーを感じる部分もあったようで「やはりこれは大変な企画が来たなと思いました。古典中の古典と言われるSF小説ですし、逆に今まで劣化されないくらい素敵な作品でもある。書かれた当時1956年ですが、今の皆さんが自分ごとのように楽しんでもらえるように色々工夫しました。」と述懐。
見どころの一つでもある宗一郎と璃子の時を超えてすれ違う純愛要素。演じた山﨑は「久々に純愛でピュアな映画をやらせていただいて、やってるときも思っていたんですけど、完成したものを見て、やっぱり恥ずかしかったというか(笑)。(ピュアな恋愛ものを)沢山やってきたはずなのにいい意味で恥ずかしいと久々に思いました」と照れる。清原は「璃子も宗一郎も穢れがないというか、ただ純粋な思いに突き動かされていく2人なので、完成したものを見てもピュアだなと思いました」と純愛要素を楽しんでほしいと2人でアピールした。
もう一つの見どころとして話題に上がったのが宗一郎のパートナー・猫のピートについて。山﨑は「現場に猫がいるだけでとても癒されるんです。エサを持って猫の気を引きつけながら自分も同時に演技するのは我ながら器用なことやっているなと思いました」と猫との芝居を振り返る。三木監督は「パスタちゃんとベーコンちゃんの2匹いたんですけど、思った以上にいい芝居をしてくれるんですよ!撮影前は大変だろうなと思ってたんですけど、1,2テイクでOKだったりして!」と三木監督も猫の演技を絶賛。 続けて「回想シーンにも使っているんですけど、顔をなめられた時の果耶ちゃんの表情もそうですが、(芝居の)相手が猫だと(役者の)表情も自然になるんですよね。」と猫への厚い信頼を示した。
イベント終盤に差し掛かると、『夏への扉』というタイトルをどう捉えたか聞かれた三木監督。「情緒があって素敵なタイトルだと思うんですけど、猫のピートが冬が嫌いで夏に続く扉を探し続けるところが、ある種、宗一郎の諦めない心のメタファーというか、物語のテーマにもなっていると思います。その少しひねったタイトルが僕は好きです」と話すと、それを受けて山﨑も「冬に夏への扉を探すっていうのは、どんなに逆境でも進み続けるという素敵な意味があるなと思って僕も好きですね」と共感を示した。
また、MCより“夏への扉=諦めない心”に絡めて、諦めないと決めていることを訊かれた登壇者一同。山﨑は「撮影中どんな状況でもOKが出るまで諦めないと決めています。自分が100%上手くできたとしてもOKが出ないとくじけそうになるけど、そこは諦めないと信念に持っています。」と自身の演技論を明かしました。同じく清原も「どんなに極寒だったり時間がタイト過ぎる現場でも、毎回楽しめたらいいなと思っています」と述べると、本作でも極寒の撮影があったことを振り返りながら一同で談笑する一幕も。藤木は「マラソンですかね。諦めそうになっている自分への戒めでもあるんですけど。一生のうちにやってみたいことがいくつかあって、その中にマラソンの完走があるんです。実は去年の東京マラソンにエントリーしていたんですけど、この作品と撮影が被ってしまって。結局新型コロナウイルスで一般ランナーの方は参加できませんでしたが」と改めて決意を表明した。
最後に三木監督から「本当に壮大なSFでありながらもレトロでユーモアもあって、人間の温かみを感じる作品になっています。大人から子供も楽しめるエンターテインメント作品になっています」と挨拶。山﨑も「この作品は色んな愛が詰まっています。監督とも最初にレトロでチャーミングでみんなに愛される映画になるといいねって言われましたが、本当にそのような作品になったと思います。公開は延期しましたけど、タイトルと同じようにいい扉を開けて公開が出来る日を楽しみにしています」と締めくくり、イベントは幕を閉じた。