日時:2月6日(土)
場所:新宿ピカデリー
登壇者:伊沢拓司、赤ペン瀧川、森ガキ侑大監督
霊が<祓える男>冷川(岡⽥)と、霊が<視える男>三⾓(志尊)の二人が、“除霊”という特殊能力を使い未解決事件に挑む、除霊ミステリーエンターテイメント『さんかく窓の外側は夜』。 1月22日(金)に公開を迎えると、SNSでは「こんなミステリー見たことない!」、「何度も観る度に新たな発見がある」と早くもリピーターが続出!この度、伊沢拓司(クイズプレイヤー)、赤ペン瀧川(映画プレゼンター)、森ガキ侑大監督登壇のティーチインイベントが開催された。単にミステリーだけではなく、色々な要素が詰まった本作を、クイズプレイヤーと映画プレゼンターならではの視点で読み解き、更に森ガキ監督自らによる解説も!映画の魅力をたっぷり堪能できる観客も大満足のイベントとなった。
★一言挨拶
監督:何回も映画をご覧になった方も多いようで、SNSでも励ましのメッセージをいただいて感謝しています。今日は楽しんでいってください。
瀧川:今日は短い時間ですが、よろしくお願いします。
伊沢:今日は僕なりの視点で映画の魅力に迫っていけたらと思います。
ここから赤ペン瀧川が進行を務めることに。会場には、すでに2回以上映画を観たという観客も多く、伊沢も2回鑑賞済みだという。
伊沢:目を背けたくなる怖さというよりは、画面に吸い付けられる怖さを感じました。言葉がテーマになっていて、僕もSNSや若者のツールをよく使うので、そういった意味で身近に感じたり、自分の向き合い方を見直すきっかけになりました。ストーリー的には、冷川・三角・エリカの3人がぶつかり合いながらもお互いを理解し合っていくのが面白いところですね。
瀧川:せっかくなので、監督にこの場で聞いてみたいことはありますか?
伊沢:冷川の「僕のことを信じないでいてくださいね」というセリフがありますが、映画のその後、冷川から三角に声をかけるとしたら、どんな言葉をかけるでしょうか。
監督:冷川は三角に側にいて欲しいんですよね。それを言い表せないので、きっと「近くにいて」というサインを出していると思う。
伊沢:岡田さんの醸し出す「一緒にいて」という雰囲気が可愛らしいんですよね。
瀧川:それは優しい見方ですね(笑)僕は、最後続編の余白を残したなと思って。教祖の石黒がその後どうなったのか描かれていないので、そこら辺にいそうで怖いです。
ここで、本作を読み解く上で重要な6つのキーワードがスクリーンに映し出され、それぞれトークを繰り広げた。
【衣装】
伊沢:三角のメガネは原作と少し違いますよね?
監督:霊が視えるというコンプレックスがあることを表現できたらと思って、スタイリストさんと相談して選定しました。
伊沢:白と黑の衣装が多く出てきます。
監督:黑は人間界の欲望を表しています。逆に、幽霊は欲がなくなって爽やかなので白。欲がだんだんなくなっていくという意味で、幽霊もよく見ると白と黑が混じっているんですよ。
伊沢:冷川も幼少期は白ですが、黑に変化していって、冷川の黑い面も浮かび上がっていくというか。
【貯金箱】
瀧川:「貯金箱」はどのようなものなのか、わかりづらいという人も多いのではないでしょうか。「貯金箱」があるアパートも、おかしな事が起こる場所って実際にあるんですよね。そこら辺がリアルでした。
監督:言霊ってあるじゃないですか。「貯金箱」は誹謗中傷が貯まる場所。よく見ると”死ね”とか“穢れ”という呪いの言葉が隠されているんです。
瀧川:三角とエリカが、その貯金箱をどうにかしようとしに行くんだけど、どうにもできない2人が行ってしまうもんだから(笑)
伊沢:冷川が助けに行くんですけど、ゆっくりなんですよね(笑)
監督:そこもあえて冷川像を崩さないようにしました。
瀧川:貯金箱の穢れを祓える冷川は強い。そのスーパーパワーをラストで爆発させるのをちょっと期待していました。
監督:それくらい気持ちの良いやり方もありますよね。その辺りは是非続編で…
【望まない能力】
瀧川:冷川や三角のように、もし特殊能力が手に入るとしたらどんな能力が欲しいですか?
監督:能力を持つということは時にマイナスにもなり得ますよね。平手さんと役作りの話をしている中で、やっぱりあのオーラや雰囲気は才能じゃないですか。普通の女子高生として飲食店に行ったらザワザワされてしまうこともあるかもしれない。それで孤独を覚えたりもする、そういう部分で3人(岡田・志尊・平手)は役作りしやすかったぶぶんもあるんじゃないでしょうか。
伊沢:元から頭が良い人ってちゃんと積み上げて頭が良い人って違うんですよね。はなから頭が良い人はインタビューで困っているんですよね、説明できなくて。それでいうと、自分の言ったことを正しい意味で理解してもらえる能力が欲しいですね。
瀧川:三角が霊が視えることを告白したのに三角のお母さんの鈍感さは良いですよね。あれも能力というか、素敵だな。
伊沢:思春期の子供のお母さんにその能力を持っていて欲しいですね!
★最後に締めの挨拶
瀧川:なかなか映画を映画館で楽しむことができない状況ですが、是非この映画を応援して欲しいと思います。
伊沢:映画の余白を楽しむのも必要だなと感じました。僕も、映画をもう一度観てモヤモヤしていた部分をクリアにしたいと思います。
監督:今日はお二人と話せて楽しかったです。この映画は、今まで観たことのないものを挑戦的に作りました。また皆さんで話し合いながら、この映画を盛り上げていっていただけたら嬉しいです。