家が病室で、町が病棟や――尼崎の町医者の日常を記録したドキュメンタリー映画。皆さんは、「町医者」「在宅医療」という言葉にどんなイメージをお持ちだろうか?白衣を着て、美人の看護師を連れて、大きなカバンを持って、なんだか威張っている。……そんなイメージをちゃぶ台返ししてしまう町医者が、尼崎にいた。好きな物を食べたい。最期まで自宅で過ごしたい。痛くない死に方がしたい。そんな患者さんと、家族の想いを守るために町医者は今日も全力で走る。怒る。泣く。歌う。看取る。下町を舞台に、生と死を見つめる問題作。
柄本佑がナレーションを務める、これまでに2500人を看取ってきた在宅医・長尾和宏の命の駆け引きの現場を収めたドキュメンタリー映画『けったいな町医者』の特報とポスタービジュアルが解禁となった。
長尾のベストセラー「痛くない死に方」「痛い在宅医」の映画化『痛くない死に方』(高橋伴明監督、2月20日(土)公開)で、柄本佑演じる主人公の在宅医・河田の先輩である、奥田瑛二扮する長野浩平役は、この長尾をモデルにしている。主演を務めた柄本佑は、『痛くない死に方』の撮影前に、長尾の往診を見学し、本ドキュメンタリーのナレーションのオファーを快諾した。
長尾は、患者さんのご自宅に往診に伺う際、圧にならないようにとあえて白衣を着ないで「カジュアルな服に聴診器」というスタイルにしていて、『けったいな町医者』のポスタービジュアル、メインスチールに使用している長尾の写真からも、その医者然としていない様子がわかる。『痛くない死に方』で在宅医を演じる柄本佑や奥田瑛二も劇中で同じスタイルにしている。
本ドキュメンタリーは、2月13日(土)よりシネスイッチ銀座、ミッドランドスクエアシネマ名古屋、埼玉・MOVIX三郷、2月20日(土)より札幌・サツゲキ、2月28日(土)より大阪・なんばパークスシネマ、京都シネマ、神戸国際松竹、長野千石劇場ほか全国順次公開が決まっている。
この度、本作被写体の長尾和宏及び、監督・撮影・編集の毛利安孝よりコメントが届いた。
■本作被写体:長尾和宏 コメント
けったいな医者やなあ。この作品を観て、一番僕がそう思いました。町医者という言葉を嫌う在宅医がいます。大病院の医者より下に見られる差別用語だと。でも僕は「町医者」にこだわりたい。その理由はこの作品を観てください。僕をこんな町医者に育ててくれた患者さんすべてに、感謝を込めて。
■監督・撮影・編集:毛利安孝 コメント
「けったいな町医者」というタイトルが決まってから「けったいって誉め言葉なんですか?」とよく聞かれる。
「けったい」=「風変りな/奇妙な」とでも訳すべきか?
でも何か肌感覚としては微妙に違う気がする。
関西では褒める時もけなす時も「けったい」という言葉は適度に使われる。
ただ一つ言えることは「けったい」という言葉を使うとき、そこに必ず人と人との確かな親しみが込められている。
長尾和宏という「けったいな町医者」の「けったい」が果たしてどの塩梅の「けったい」なのか?
劇場でその親しみを感じ取っていただければ幸いである。
けったいな町医者 30秒
https://youtu.be/9UXGKJDTHFw