1980~90 年代に若者たちのリアルな恋や友情を描く マンガを数多く生み出し、今も尚、熱狂的なファンを持つ漫画家・岡崎京子が 1989 年に刊行した同名作品を原作にした、映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』。脚本・監督は映画『PARKS パークス』(2017)、ドラマ「東京アリス」(2017)、「セトウツミ」(2017)、「声ガール」(2018)や、多くの CM・MV を手がける瀬田なつき。瀬田監督は、日々変化を繰り返す東京の街と、未来の見えない不安の中でも今日を生きる若者たちの色褪せることないリアルな物語を、ファンタジックでポップな世界観で見事に映画化した。2020 年 11 月6日(金)より新宿ピカデリー、ホワイト シネクイント渋谷ほかにて全国公開。この度、劇場公開に先立ち、本編冒頭映像が公開となった。
解禁となった本編冒頭映像では、変わらない日常に「奇跡的ななにか」が起きることを夢見る主人公・ハルコ(山田杏奈)と、受験目前に禁断の(?)キスを交わし衝動的に学校を辞めたケンイチ(鈴木 仁)のふたりが、創りかけのビルやマンションが立ち並ぶ東京の街ですれ違う様子が映し出されます。”ありふれた出来事” だけれども、これから何かが起きる気がする……。ふたりの伸びやかな心と身体が画面いっぱいに躍動し、未来への期待と不安を抱えながらも、コドモからオトナへ成長していく物語に期待が高まる映像となっている。また、小沢健二、黒沢 清、吉本ばなな ほか、各界の著名人より、本作へ寄せられた大絶賛コメントの数々が到着した!!
11/6(金)公開『ジオラマボーイ・パノラマガール』本編冒頭映像公開 <この一瞬、こんな風にすれ違った>
https://youtu.be/jkeMKQSxh5I
キッズなるものは透明な、抽象的な、誰でもない魂として在り、
その身体が僕や京子さんでも、この映画の彼や彼女でも、
そして今はまだガキンチョの子たちでも、永遠に続くのかも
――そうだ、きっと、大人なるものも。
小沢健二(アーティスト)
若いときだけの苦しみ、キラキラを細部まで再現。
なんだか、とーってもいい映画だったな!
吉本ばなな(小説家)
埋立地の青春は空を飛ぶがごとく、滑らかで、白く、薄い。地に足など絶対に着けぬ。
ちょっと不安だがそれが冷徹な現実というものだ。私はこの二人に未来を任せていい気がしてきた
黒沢 清(映画監督)
建設中のタワーマンションを遊び場にする東京の子供たちがまぶしい。
元気いっぱいに片想いする女の子と、たじろぐ男の子も。
あちこちで、20 世紀と 21 世紀が交差する。
都市の風景は無慈悲なほどあっけなく変わる、流行は素知らぬ顔で循環する、
人だって交換可能なパーツみたいに入れ替わっていく。
たしかなことはただ一つ。世界はいつだって十代のもの。
山内マリコ(作家)
重層的な都市空間で、ボーイ・ミーツ・ガールやガール・ミーツ・ボーイやガール・ミーツ・ガールが交錯する。
少女たちはすれ違い、振り向き、倒れ込む。
身振りの数々が、彼女らのからだを突き動かしているものを語らずとも示す。
2020 年代、天才が本領を発揮する。その嚆矢!
濱口竜介(映画監督)
瀬田なつき監督の映画が好きだ。
どきどきする。
登場人物が、映画がずっと踊ってる。
この映画に流れる時間。せつない目線。
山田杏奈さんも鈴木 仁さんも好きになる。
今泉力哉(映画監督)
高低差へのこだわり、ガール・ミーツ・ボーイ、日常に穿たれる異世界、
これはまぎれもなく瀬田なつきの映画だ。
岡崎京子的世界の現在への時間移動ではなく、岡崎京子的世界の現在形の不成立こそが、本作のテーマだ。
すなわち、シリアスの否定の否定、ピュアへの懐疑の終わり。
佐々木 敦
ああ、わたしっていつ岡崎京子の世界みたいな人物になれるのかしらってあの頃は悩んでいたけれど。
振り返れば、立派に登場人物やっていたじゃないかって思う。カッコいい役じゃあなかったけれど。
……今だって。駆け抜けるような、涙が出るほど酸っぱい青春はもうそこにはないけれど。
ふと見上げる青空が、あ、今わたし岡崎京子の世界にいる。
そう思わせることが、たまにあるのだ。
しまおまほ(作家)
“岡崎京子”というファンタジーの中に出てくる東京はなぜか少しノスタルジックで、
それでいてまだよく知らないものに溢れている。
あのワールドを構成する詩や、
歌のような言葉たちの行間に流れる独特の空気感を捉えて映し出した監督はすごい!
いつの間にか忘れてしまっていた大事なことを少しだけ思い出せたような映画でした。
オカモトショウ(OKAMOTO’S)
すれ違っても出会わないような、そこらじゅうに溢れる、なんてことない出会い。
敬語の二人。不意にタメ口になる二人。敬語に戻る二人。
そんな些細な出来事を見逃さず、誇張せず、茶化さない作品で嬉しくなりました。
衒いなくありのままでいることしかできないティーンエイジャー。
青臭い恥ずかしいセリフも言えるし、なんだってできてしまう。
泣いたり、ぬか喜びしたり、大変そうだけど楽しそう。その瑞々しさが眩しかったです。
SF のような世界であっても、人の愚かしさ、愛らしさ、人との出会いは、いつまでも普遍的なものです。
そして恋は言ってみりゃボディー・ブロー!
ラブリーサマーちゃん(ピチピチロックギャル)
いつもドキドキしていた。憧れて、失望して、立ち止まって、駆け出した。
いま思えば、些末なことばかりだった。
だけど、あの時の世界では、それがすべてだった。
環 ROY (ラッパー)
17 歳ならではの儚さ、危うさが
ちょっぴり痛くて愛おしい
胸の奥がぎゅーっと締め付けられる
とても素敵な映画でした。
いわゆる「青春ラブストーリー」
その予想はすぐに裏切られます。
朝方の乾いた匂いや
肌の柔らかさまで伝わる映像は
生々しく本当に美しい。
大人こそ観てほしい作品です。
NANAE(seven oops ボーカル)