映画『ホテルローヤル』(武正晴監督/主演:波瑠)が11月13日より全国公開となる。原作は、2013年に第149回直木賞を受賞し、累計発行部数85万部を超える桜木紫乃の自伝的代表作。北海道の釧路湿原を背に建つラブホテルを舞台に、ホテルと共に大人になっていく一人娘雅代の目線を主軸に、ホテルを訪れる人々や従業員、経営者家族それぞれが抱える人生の哀歓をやわらかく描いた珠玉の人間ドラマだ。誰にも言えない本音や孤独を抱えた人々が、“非日常”を求め今日もそこを訪れる。身体も心もさらけ出した交歓がもたらす、少しの安らぎ…。欲望を満たすだけではなく、心までを優しく充たす場所で繰り広げられる人間模様は、幸せな瞬間は誰にも必ず訪れるという予感を感じさせる。原作者の桜木自身を投影したとされる主人公・雅代を演じるのは、ドラマ・映画と多彩な作品でその存在感を示す女優・波瑠。メガホンをとるのは、『百円の恋』(14)で日本アカデミー賞をはじめ国内外の各映画賞を総なめにした武正晴。NHK連続テレビ小説「エール」を手掛ける脚本家・清水友佳子とタッグを組み、直木賞受賞作の映画化に挑んだ。
直木賞受賞作の待望の映画化に豪華キャストが勢揃い!主人公・雅代が淡い恋心を抱くアダルトグッズ会社の営業・宮川聡史(通称:えっち屋)に青森県出身の松山ケンイチ、ホテルローヤルの経営者で雅代の父親・田中大吉に北海道出身で、原作者桜木も自身の作品への出演を希望していたという安田顕、家庭を顧みなくなった大吉に愛想を尽かせる母親・るり子に夏川結衣、るり子と駆け落ちをする青年に稲葉友、ホテルローヤルのパートタイム従業員に余貴美子、原扶貴子といった日本映画に欠かせない実力派の俳優陣が揃った。
ホテルを訪れる人々にも目が離せない。親に見捨てられた女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師に伊藤沙莉と岡山天音。姑との同居でなかなか肌を合わせる時間がない夫婦に正名僕蔵と内田慈。投稿用のヌード写真の撮影をするカップルに冨手麻妙と丞威。それぞれが、ひとときの”非日常”を楽しみ、安らぎと寂しさを胸にホテルを後にするお客たちを見事に演じ切り、インパクトを残しています。その他にも、斎藤歩、友近、和知龍範、玉田志織、長谷川葉生らが名を連ねている。
松山ケンイチ コメント
自分にとって心を落ち着かせるということをとても大切にしていて、武さんのおかげで現場はとてもスムーズに静かな雰囲気で無駄な力が入る事なく出来ました。だいぶ自分の方言寄りになってしまいましたが地元に住む人間を演じるので、方言を意識しました。
安田顕 コメント
原作、脚本と拝読し、登場人物それぞれの人間模様の絡まりに、深く感じ入りました。
原作の桜木紫乃さんには、何年も前からこの作品への出演を打診していただいておりました。
実際に映画化され、こうして出演できたことに、心より感謝申し上げます。
演じた大吉という人物が加齢していく造形には、特殊メイクを施していただきました。
参加したのは数日でしたが、現場での武正晴監督の演出、キャストの皆様のお芝居、ロケ地北海道釧路の情景を思い出すと、完成した映画を拝見する前から、素敵な作品になっていると確信している自分です。
映画館に、この映画を観に行くことが、今から楽しみで仕方ありません。