岩手県大槌町にある天国につながるといわれる「風の電話」。2011年に同町在住のガーデンデザイナー・佐々木格(いたる)さんが、死別した従兄弟ともう一度話したいという思いから、自宅の庭に白い電話ボックスに、ラインのつながっていない黒電話を設置。今では、3万人を超える人が訪れ、あとを絶たない。この風の電話をモチーフに、『2/デュオ』(98)で長編監督デビュー以来、『M/OTHER』(99)を始め、『ライオンは今夜死ぬ』(17)など日本だけでなく、フランスをはじめヨーロッパで圧倒的な評価を受けている諏訪敦彦監督が、心に刻まれる珠玉の作品として作り上げた。2020年1月24日(金)より全国ロードショーとなる。
本作の主人公ハル役に、2015年よりモデルとして活躍する他、『少女邂逅』(18)、『おいしい家族』『ブラック校則』(19)などで活躍が目覚ましい注目の女優、モトーラ世理奈。ハルと行動を共にする森尾役には、『2/デュオ』以来22年ぶりに諏訪監督とタッグを組む西島秀俊、旅の途中でハルと出会い彼女に影響を与える重要な人物たちに『M/OTHER』(99)以来21年ぶりのタッグとなる三浦友和、そして、西田敏行らが脇を固める。東日本大震災で家族を失った主人公のハル(モトーラ世理奈)が、故郷の岩手県大槌町に行くために広島から旅を通じて、<風の電話>にたどり着く、感動のロードムービーが誕生した。この度、本作の予告編と本ポスターが完成し、解禁となった。
家族を失い、故郷を失ったモトーラ世理奈演じる少女ハル。
震災から8年が経ち、一見日常を取り戻しつつある中、ある日突然、伯母が倒れる。「どうして全部奪うの」少女の行き場の無い怒りや悲しみが、叫びとなって響き渡る。心揺さぶられる冒頭に始まり、故郷を目指す彼女に訪れる様々な出会いが映し出される。豪雨被害にあった広島で年老いた母と暮らす公平(三浦友和)、ハルと同じく震災で家族を失った森尾(西島秀俊)、かつての故郷の景色に想いを馳せる今田(西田敏行)など、旅の中で出会った人々の「それでも生きていく」という強さに触れ、ハルは次第に光を取り戻していく。
「もう一度、話したい」その思いに導かれて始まったハルの旅はやがて終わりに近づき、その終着地<風の電話>へと至る。
静謐な音楽と名優たちの言葉が、故郷を目指すハルの旅の情景を彩る。
そして、切なくも美しい予告映像に加え、ポスタービジュアルでは、映画のタイトルにもなった<風の電話>を中心に、主演のモトーラの儚い表情、そして傷を負いながらも生きてゆく三人の男たちの切実で温かい表情が見て取れる。今だから伝えたい、今だから届けたい。行き場のない思いを抱える人々に寄り添う、映画『風の電話』は2020年1月24日(金)に公開。
映画「風の電話」本予告
https://youtu.be/ftkGwSKogoc