天才作家・太宰治が死の直前に完成させた「人間失格」は、累計1200万部以上を売り上げ歴代ベストセラーのトップを争う、“世界で最も売れている日本の小説”。その小説よりも遥かにドラマチックだった<誕生秘話>を太宰自身と彼を愛した3人の女たちの目線から、事実をもとにしたフィクションとして初めて映画化するのが『人間失格 太宰治と3人の女たち』がいよいよ9月13日(金)より公開となる。現地9月2日、開催中の第76回ヴェネチア国際映画祭で行われた公式イベント「ジャパン・フォーカス」にて、記者会見が開催された!日本映画を集めての上映イベントは初の試みとなる今回、蜷川実花監督と池田史嗣プロデューサーがイベントに登壇し、本作の見どころを世界に向けて語り尽くしたほか、レッドカーペットにも登場した。
ヴェネチア国際映画祭初の試みとなった、日本映画の公式イベント「ジャパン・フォーカス」が、現地時間9月2日(月)に開催となった。2日(月)から3日(火)までの2日間に渡って4作品が上映される本イベントでは、『人間失格 太宰治と3人の女たち』のほかに、『蜜蜂と遠雷』、『カツベン!』、『楽園』が上映される。4作品合同記者会見には、本作から蜷川実花監督と、池田史嗣プロデューサーが登壇した。
本作の見どころについて蜷川監督は、「クリエーターとして、“人であることをやめて創作する”ということに対して、どのように向き合って、どう気持ちの整理をしていくのかということに自分自身興味があった。そういう太宰像をしっかり描けた」と宣言。さらに、「女たちが、ダメな、でも魅力的な男に振り回されて、それでも自分で強く生きていくという視点も、もう1つのテーマ。3人の女性の生き様にもフォーカスしているのでそこも楽しんで観てほしい」と、太宰を愛した3人の女たち、正妻・美知子(宮沢りえ)、愛人の静子(沢尻エリカ)と富栄(二階堂ふみ)についてもコメントを寄せた。最後に「日本の美しい四季がフィルムにしっかり映っているので、そこの美しさも堪能してほしい」と、世界の人々に向けて本作をアピールした。
また、池田プロデューサーは、本作について「モノをつくる人間の持つ業のようなものや、その制作に彼の周囲の女性たちがどのように影響していたのか。モノづくりの業と、宿命の恋という二つが、おそらくクリエーターであれば世界中の方々がみて考えることができるテーマだと思っている」とコメント。さらに「蜷川監督がこの作品の監督をしてくれたことは非常に大きい」とし、「蜷川監督は世界的な演出家であった蜷川幸雄さんの娘さんで、ご自身は写真家であり世界のトップクリエイターとして活躍され、日本の映画界に進出されている。日本では女性の監督は少なく、蜷川さんはこの時代の女性監督のトップランナーとして日本映画界を切り拓いている人だと思っている」と賛辞の言葉を述べた。
また、妻子がいながらも恋の噂が絶えない、究極のダメ男だがどうしようもない魅力のある太宰治を、セクシーかつチャーミングに演じた小栗旬について蜷川監督は、「ハリウッドにも進出して次々と活躍しているが、いままで見たことのないような演技をしてくれている」と宣言。「色っぽいシーンもたくさんあるが、私自身も見たことがない彼が出てきたと思っているので、ぜひ注目してほしい」と述べた。