日本の音楽シーンをリードするダンス&ヴォーカルグループ「EXILE」のヴォーカリストであり、俳優の TAKAHIRO が長編映画に単独初主演した映画『僕に、会いたかった』が 5 月10 日、ついに公開初日を迎えた。翌日11 日には公開を記念した舞台挨拶が TOHO シネマズ日比谷で行われ、主演の TAKAHIRO、共演の松坂慶子、山口まゆ、柴田杏花、秋山真太郎、錦織良成監督が参加した。
12 年前に起こった事故が原因で記憶を失くした元漁師の徹(TAKAHIRO)が、家族や島の人々、本島から島へやって来る留学生たちとの触れ合いの中で再生してく姿を、島根県隠岐島を舞台に描く。
TAKAHIRO は母親役の松坂をエスコートしながら登場し「松坂さんには大女優のオーラがあり、初めて会ったときには後光が差しているような神秘を感じました。でも役に入ると“島のお母さん”として佇んでいらして」と女優としての豹変ぶりに驚き。撮影を通してロケ地・島根県隠岐の島がお気に入りになったという松坂が「日本固有種のタンポポが咲いているような素敵な島の女性を演じることができて光栄」と微笑むと、すかさず TAKAHIRO は「こんな綺麗な方がお母さんなんて…タンポポにも感謝してほしいですね、逆に!」と饒舌ぶりで松坂と終始仲睦まじい様子で会場を沸かせていた。
撮影中のTAKAHIROは松坂の熱演に「本番前から泣けてきて、それは松坂さんの持っているパワー。自然と涙腺が緩んだ。泣きすぎて目玉がとれるかと思った。泣く必要のないシーンでも泣けてきたので、もう泣くだけ泣いて涙が出ないくらいまで泣いて本番に臨んだ」と大号泣の舞台裏を紹介。一方の松坂は「TAKAHIRO さんが現場から離れたところで孤独になって役の気持ちを作り上げている姿を見ました。
今は面白い人になっているけれど、真面目でストイックな方でした」と役への取り組みを称えていた。脚本も担当した秋山は「島での撮影では、島の方々と一緒に生活させてもらった感じ。現地で完成作品の上映会を行った際には“おかえりなさい”と迎え入れてくれました」と島民の協力と温かさに感激。山口は「島の人たちはとても温かいので、役への準備をしていかなくても自然と役として受け入れてくれるような雰囲気があった。その優しさが映像にも反映されています」とアピール。
本作を誰と鑑賞するか?と聞かれた山口に対して TAKAHIROは「彼氏?」とツッコむも「一度紹介してくれればいい。でも隣に座ったら足をつねるかも」と親心を感じさせるコメント。柴田が「島留学を疑似体験したつもりで撮影に臨んだ」というと、TAKAHIRO は柴田をくるりと回転させて「島にはここまで背中の開いた洋服を着ている子はいない!できるだけ布を使ってほしい。風邪をひかないでね」と若手キャストに親心を感じさせる一言。
錦織監督は松坂へのオファーに際して、手紙をしたためたという。それに松坂は「もったいないようなお言葉で恐れ入ります」と恐縮しながら「監督の映画は俳優が自然。自分も知らない一面が引き出されるのではと思ったけれど、まさにその通り」と手腕賞嘆。それに錦織監督は「TAKAHIRO さんもピュアだし、松坂さんもピュアで大らかなマインドの持ち主。イメージ通りだったし、そのピュアさが映画全体を包み込んでくれた」と改めて語った。
12 日が“母の日”であることにちなんで、TAKAHIRO が松坂に真っ赤なカーネーションの花束をサプライズプレゼント。「これからもお母さんと呼ばせてください」と渡すと、松坂も「喜んで」とニッコリ。花束を抱えた松坂から「アレンジが素晴らしく、まさにTAKAHIROさんからのカーネーション」とセンスを指摘された TAKAHIRO は「これからも息子でいさせてほしい!という一心です」と照れ、松坂も「嬉しいです。感激です」と目を細めていた。