日時:4月13日(土)
場所:<本編上映・舞台挨拶>中国映画資料館 HALL1 <記者会見>中国映画資料館 特設エリア
登壇者:松重豊、細川徹監督、前田浩子プロデューサー
日本を代表する名バイプレーヤー松重豊の待望の初主演映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』(東急レクリエーション配給)が10月4日(金)より全国公開となる。原作は、作家・ヒキタクニオが自らの“男の妊活”体験を基に書き上げたエッセイ『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』(光文社刊)。男性不妊という現実にショックを受けながらもそれを受け止め、全力で妊活に取り組む主人公・ヒキタクニオを松重豊が、そんなヒキタを懸命に支え、励ます二回り近く年下の妻・サチを北川景子が演じることで大きな話題となっている本作。濱田岳、山中崇、伊東四朗という実力派俳優陣が脇を固め、脚本家や構成作家としてもマルチに活躍する細川徹監督が、どんな困難が立ちはだかっても、二人で支え合い、明るく前向きに乗り越えていくヒキタ夫妻の姿をユーモラスかつ抒情的に描き出す。本作『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』がアジア最大級の映画祭である第9回北京国際映画祭に正式出品され、日本での公開に先駆け、4月13日(土)にワールドプレミア上映として世界にお披露目された。
上映後、客席を埋め尽くす1000人の観客からの盛大な拍手の中、松重と細川監督、前田プロデューサーが舞台上に登壇。松重は「私は松重豊です。映画は面白かったですか?皆さん、今日はありがとうございます」と中国語で挨拶した。
質疑応答タイムに入ると、本作が映画初主演となる松重に対して「これまでと違ったことはありましたか?」との質問が。松重は「主演も脇役も意識をして仕事をしたことはなく、ただ、やっぱり主演ということでクランクインからアップまで誰も余計な緊張をすることなく、リラックスして集中できる時間を作れるように、空間作りを心がけました」と主演としての心遣いについて明かした。一方、妻役の北川景子との共演については「北川さんとは共演経験はありましたが、実年齢が24歳離れているのにまさかの夫婦役で、主演以上の驚きでした。この年の差をどう埋めればいいのか、それがこの映画に入る時の一番の難題でした」とコメントした後、「でも、映画を観て、“どこから見ても夫婦にしか見えないよ”と言われることが一番の喜びです!」と笑顔を見せ、客席からは大きな笑いが起こった。
続いて観客からは、劇中で松重と北川が演じる夫婦が飼っているクラゲの意味について質問があり、細川監督は「近づいたり、離れたり。ふわふわしている夫婦の揺らいでいく関係を表しています」と回答。“男性不妊”というこの映画が扱うテーマについて、前田プロデューサーは「不妊治療というと大抵女の人がするものだと思われてしまいますが、男の人に原因があることもある。特に日本では不妊治療をあまり人に知られたくない、コンプレックスのように感じる人が多いと思いますが、これは誰にでも起こりうる“加齢”が原因だということを伝えたかった。苦しいことを二人で乗り越えながら、夫婦が家族になっていくラブストーリーになっています。」と本作を製作するに至った思いを明かした。
それを受けて松重は「この映画は妊娠に向かっていく夫婦と、それを取り巻く人々の心の変化を描いている物語です。そこを一番楽しんでほしい」とコメントし、本作の魅力を語った。
また、中盤では松重のお茶目な回答も飛び出した。劇中での松重のある行動について「あれは実際に実演しているのか?」と聞かれた松重は「“本当にこの人はこれをやっているのだろうか?”と思わせるのが演技の一番の楽しみ。本当にやっているかどうかはご想像にお任せします(笑)」とコメントし、「北京で美味しいものを食べる予定は?」と聞かれた松重は、「喫茶店のジャスミンミルクレープがすごく美味しい!昨日も残り1個だったところを僕が食べました!」と明かした。
さらに、主演ドラマ「孤独のグルメ」の影響もあり、中国でも絶大な人気を誇る松重。片道3時間かけて北京に来たという熱心なファンの観客からは「役者という仕事は大変な思いをすることもあって辞めようと思ったこともあったと思いますが、松重さんが辞めないで良かったです。ありがとうございます!」と熱い思いが届けられ、それを聞いた松重は「シェイシェイ!こうやって中国に来て、映画を楽しんで観ていただいて、皆さんの笑顔を見ると、もうちょっとこの仕事を頑張って続けてみようかなという気持ちで本当にいっぱいです!」と笑顔を見せた。
北京でも大好評だった映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』は10月4日(金)より全国公開。