2004年に竹内結子と中村獅童主演で映画化され、社会現象を巻き起こす大ヒットを記録した市川拓司のベストセラー小説「いま、会いにゆきます」が時を経て、韓国で待望の映画化『Be With You ~いま、会いにゆきます~』が、大ヒット公開中!今もなお、日本における韓国映画の歴代興行ランキング1位(興行通信社調べ)を誇る、『私の頭の中の消しゴム』のソン・イェジンがヒロインを務め、14年ぶりの恋愛映画に挑戦したことで話題を呼んだ、本作は、韓国版ならではの要素やオリジナルエピソードも盛り込まれ、本国では公開からわずか15日で動員200万人を突破し、韓国における恋愛映画では最速記録を打ち立てた 本国でも大いに話題を呼んでおり、涙なしには見ることが出来ない、感動の純愛物語である本作は『私の頭の中の消しゴム』を超える『いまあい』ブームを巻き起こすこと間違いなしの珠玉の純愛ラブストーリー!本作の公開を記念し、メガホンを取ったイ・ジャンフン監督と原作者の市川拓司氏による公開記念トークショーが実施された。本作を気に入り、韓国公開時に既に顔を合わせている二人。待望の日本公開を迎え、ファンの前でイ・ジャンフン監督による本作の裏話や、原作者の市川拓司氏が今なお根強い人気を誇る「いま、会いにゆきます」への想いを語り尽くした。
上映終了後、作品の余韻が心地よく響くなか、満席になった会場にスペシャルゲストのイ・ジャンフン監督が登壇。本日を迎えられたお気持ちについて「こんな大勢の方々に観ていただけるなんて、言葉が出ないほど嬉しいです」とコメントし、感無量な表情を浮かべた。続いて、本作の原作小説を手掛けられた作家の市川拓司氏が登壇。「こういう会場に立つことは、約10年ぶりです。イ監督とは共通するところが多く、だからこそ原作小説に近い手触りのある作品だと思いました」と話し、『Be With You ~いま、会いにゆきます』への愛情を示した。イ監督は「以前から市川先生の大ファンで、実は本日が初対面でした。先ほどご一緒に食事をしましたが、このように舞台に立つことができてとても光栄です」と笑顔で話し、市川先生は「とにかく優しい方というイメージだけでしたが、実際にお会いしたら、共通するところが多く、すごく似ていて”弟が来た!”と思うくらいでした。(笑)愛妻家で、電車が大好き、ひとり息子、ヘアスタイルもふんわりしていて、とにかく話題がつきませんでした」と、初対面ながらも信頼し合うふたりの様子が垣間みえる。
市川先生にとって「いま、会いにゆきます」はロングセラーを記録し、日本でのオリジナル映画も大ヒットを記録した思い入れ深い作品。「初めてお話をいただいたのは、2016年頃。実は『八月のクリスマス』という作品をきっかけに韓流文化に興味を持ち、うちの妻も韓国が大好きで、ある意味、韓国に恋をしていました。そういう意味で<両想いになる>ことだと思い、嬉しかったです。」と、韓国での映画化をとても楽しみにしていたことを明らかにし、イ監督は、小説「いま、会いにゆきます」は人生のなかで一番大事なタイミングに出会ったそうで「(映像を)完成していくことは大変でしたが、小説を通して得られた癒やしの気持ちを映像でもそのままお届けすることを、一番大切にしたいと思いました」と、監督にとっても運命のような作品に込めていた想いを明らかにした。
続いて、韓国では公開わずか 15 日で動員 200 万人を突破し、韓国における恋愛映画では最速記録を打ち立てる大ヒットを記録した韓国版のキャスティングについて、イ監督から「スア役は、ソン・イェジンさんと真っ先に頭に浮かびました。役のイメージはもちろん、お芝居も素晴らしい女優さんですし、幸いにすぐOKしてくださったんです。一番、心配したのは男性役のキャスティングでした。物語のなかでは、スアや息子を引き立たせるような構造でしたので…。しかし、ソ・ジソブさんは、むしろ”この役は、妻と子供を際立たせるストーリーなので、僕はサポート役をしていきますね“と言ってくれたので、作品そのもののバランスを保って描くことができたと思います」とコメントし、大ヒットの影にあった、主演俳優の存在について明らかにした。
また、小説「いま、会いにゆきます」は、市川先生ご自身がモデルになっていることでもあり「原作では、陸上競技の選手だが、韓国版では水泳選手だった設定、どちらもやる気を出しすぎて体を壊してしまい、そこから彼女と距離をおくが、彼女の方から距離を縮めてくる設定でしたね。母親のスア役は、実際僕の母をモデルにし、僕を産む時に難産で体を壊してしまったことで、罪の意識を持っていたという設定で自分がもつ真実だけを込めた小説でしたが、イ監督とそういった真実の部分が綺麗にシンクロしていたようです。僕がこの小説で話題になったのが40歳で、イ監督もこの映画で40歳を迎えているそうで、イ監督も映画監督デビューまで時間がかかった分、家族に対する申し訳ない気持ちがあったなかで、成功する姿をみせている状況も共通していました。(笑)映画も小説もそうですが、自分の思いを込めている作品は、観た後も読んだ後も、赤の他人の物語より印象が変わってくると思います。だからこそ、イ監督がうまく表現してくださったんだと思います」と、原作者の目線からみた『Be With You ~いま、会いにゆきます』の魅力を語り、とにかくベタ誉め!「この小説は、今まで4回映像化されましたが、その中でソ・ジソブさんが演じたこの作品が、一番自分が小説を書き下ろしながらイメージした人物と類似していて、ソ・ジソブさんの姿をみて自分の中でシンパシーを感じました。自分のなかでしっくりと自分と重ねる映画でしたね。僕をこんなにカッコよく演じてくれて、ありがとう!」とコメントし、その話を受けて、嬉しい気持ちを隠せないイ監督も笑顔で市川先生とアイコンタクト。
最後、市川先生は「この映画は<許し>と<寛容>の物語であり、つたない、失敗した男が女神のような存在の妻に出会い、許されるといった物語です。近年<裁く>、<罰する>ような物語が主流となっているなか、優しい気持ちにさせるような作品が貴重な時代ではないかと思っていますので、みなさんにもこの作品を通して“優しい”気持ちを持ち帰っていただきたいです」と語り、『Be With You ~いま、会いにゆきます』を今見るべき作品であることをアピール。続いて、イ監督は「今は、小さい規模で公開されていますが、本作を気にいってくれて、皆さまが応援してくださることで、もしかしたら、ソン・イェジンさんやソ・ジソブさんが来日してPRする日がくるかもしれません。本作へのたくさんの愛情をよろしくお願いいたします」と応援を呼びかけるコメントで締めくくり、笑いと歓声に包まれる中、イベントは幕を閉じた。