日時:11 月 12 日(月)
場所:丸の内ピカデリー1
登壇者:大泉洋、高畑充希、三浦春馬、渡辺真起子、竜雷太、綾戸智恵、佐藤浩市、原田美枝子、前田哲監
大泉洋主演『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』が、12月28日(金)より全国公開となる。本作は、難病を患って体が不自由にも関わらず、自由きままにワガママに生きた鹿野靖明と、そんな真っ直ぐな生き方をする彼に会って変わっていく人々の人生を描いた、この冬最高の感動実話です。実在の人物・鹿野靖明を同じ北海道出身の大泉洋が熱演。誰も観たことのない「生きる力」を持つ男と仲間たちの姿に、日本中が<笑いと涙>に包まれる。公開に先駆けて、11月12日(月)完成披露試写会が実施された。
大泉洋主演『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』が、12月28日(金)より全国公開となる。公開に先駆けて、11月12日(月)丸の内ピカデリーにて完成披露試写会を実施。主演の大泉洋はじめ、共演者の高畑充希、三浦春馬、渡辺真起子、竜雷太、綾戸智恵、佐藤浩市、原田美枝子、前田哲監督が登壇した。
本作は、難病を患って体が不自由にも関わらず、自由きままにワガママに生きた鹿野靖明と、そんな真っ直ぐな生き方をする彼に会って変わっていく人々の人生を描いた、この冬最高の感動実話。
黒に黄色を入れた衣装で豪華キャストが登壇すると、大きな歓声のなか、観客からクスクスと笑いが漏れ出す。怪訝な顔をした大泉の手にあるのは、なんと本物のバナナ!大泉の元にようやくスタッフがマイクを手渡すと、「目立たない小ボケをかまされまして…」という大泉の第一声に会場から笑いが。「このタイミングで変えられるんだったら、全然いらなかったです」と言うと、なぜかもう一度バナナを持つくだりを繰り返すことに。佐藤浩市さんがすごい冷たい目で見てましたよ」とトホホな顔をしながらの大泉の小ボケから爆笑舞台挨拶がスタートした。
同じ北海道出身という共通点をもつ実在の人物・鹿野靖明を演じた大泉は、はじめて大勢の観客が本作を鑑賞することに対して「緊張しております」といい、「関係者の方には評判がいいので、みなさんがどう思っていただけるのか楽しみです」と挨拶。鹿野に最初は反発しながらも、よき理解者へと成長していく新人のボランティア(通称:ボラ)の美咲を演じた高畑は「美咲はお客さんと同じ目線の役なんですが、初めは鹿野さんのことを『この野郎!むかつく!』って思うんですけど、見終わったら大好きになってると思います」とコメント。美咲の恋人で医大生のボラ・田中を演じた三浦は「北海道で丁寧に作ってきた作品がみなさんのもとに届けられることを嬉しく思っています。力をもった素晴らしいキャストのみなさんと一本の作品に携われたという幸福感でいっぱいです」と撮影当時に想いを馳せていた。気さくな性格で慕われるベテランボラ・貴子を演じた渡辺は「鹿野さんという稀有な、わがままで愛しい人の物語、そして、鹿野さんを取り巻く周りからの優しい眼差しを楽しんでいただけたらと思います」と少し緊張気味に挨拶。息子の靖明の自立生活を温かく見守る父・清を演じた竜は「お母さんがお母さんなので」と息子と靖明への愛情を絶やさない母・光枝を演じた綾戸のほうをチラリと確認し、「怒られないようにそこそこやらせていただきました。今日もお母さんをよろしくお願いします」という発言に、会場はホッコリした雰囲気に。綾戸は誰よりも目立つ黄色の衣装を身にまとい「百貨店でバナナに見える衣装を、と注文しました」といって笑いを誘いながら、「60歳になって、やっと母親が言っていることが分かるようになりました。この映画で母親が言うてた、本当の自立は誰かと関わって生きていくことなんだと。あれは我儘なんでしょうか。私にはボラのみなさんも(鹿野と関わり)生きる道を見つけ、息子も同じようにしっかりと生きた、これは一つの<生きる>映画かなと思います」と本作を通じて感じたことを明かした。田中の父で、勉強よりもボラを優先する息子を苦々しく思っている病院長・猛を演じた佐藤は「息子の行く末を心配する普通の父親をやらせていただきました。リアリズムが伝わる映画だと思います」と、決して意地悪ではなく、どこにでもいる父親を演じたことを強調。鹿野の主治医で厳しくも本気で体を心配している医師・野原を演じた原田は「ご本人である鈴木先生とお会いしたんですけど、本当に可愛い方で、心の叫びのような鹿野さんの可愛いわがままを大変な思いをして見守っているだなと思いました」と役作りのためにもモデルとなった方に会ったという。そして、本作のメガホンをとった前田哲監督は「鹿野さんという方の全力で生きた人生をどうしても映画にしたくて、3年半かかり、このようにみなさんに届けることができて、とても嬉しいです。俳優陣のみなさんが全力で演じてくれて映画は豊かなものになっているので、ぜひ楽しんでいただければと思います」と力強く本作をアピールした。
本作のタイトルにかけて「○○なのに○○かよ」撮影エピソードを語ることに。MCのフリに対して、大泉が「まさかの挙手制ですか!?」とツッコむも、自ら手をあげ先手を切った。大泉があげたのは「ランニングなのに止まるのかよ」。撮影中、鹿野を演じるにあたり減量していた大泉は、キャストとの食事を楽しんだ後も毎日走り込んでいたため、それを知った三浦と高畑も参加することに。しかし、高畑は10m走ってすぐに止まるため「そのペースについていくのが大変でした」と大泉が明かした。さらに、走っている最中は三浦が爆風スランプの「RUNNER」を流していたといい、「大泉さんが『そろそろ疲れているから春馬DJになってくれ』と言うので」と仲睦まじいエピソードを披露。
次に手を挙げたのは、竜。「車いすなのに元気かよ」といい「私も若くて元気なころは『健全な身体は健全な精神は宿る』と生意気なことを言っていたのですが、友人から『健全じゃない身体にも健全な精神は宿る』と言われました。なんて傲慢なことを言っていたんだろうと気付き、この映画で改めて教わりました」と心温まるエピソードに会場は和やかな雰囲気に。
3番目に手を挙げたのは、まさかの佐藤。「監督なのに、呼び捨てかよ」といい、「前田監督とは、助監督からの知り合いで、普段は「てつ」と呼んでいるんですけど、今回は監督なのでそういうわけにはいかず」と、ついつい呼び捨てしてしまおうとする言葉を呑み込んでいたことを明かした。すると、監督から「旭川まで撮影に来ていただいて大変ありがたかったのですが…撮影しにきていたのか、ゴルフしていたのか…」と爆弾発言。大泉も同じように佐藤に対して思うところがあり、すかさず「撮影なのにゴルフかよ」とツッコミ。「手を挙げなければよかった」と佐藤が後悔する姿に会場から笑いが起こった。
さらに手を挙げたのは綾戸。「監督なのに、言葉引っ張るのかよ」といい、普段関西弁を話す綾戸は本作で北海道弁に挑戦しているため、現場では大泉に教えてもらっていたというが、関西出身の監督が関西弁で指示出しをするため、せっかく大泉に教えてもらった北海道弁からまた関西弁に引き戻されたという。
高畑に撮影中の思い出を聞くと、「撮影中編み物にハマっていた」といい、プロの雀士として活躍する萩原聖人から「いい感じにダサいヘアバンドつくってほしい」というリクエストを受け、「絶対王者」という刺しゅう入りのヘアバンドをプレゼントしたという。が、「撮影後の初めての試合でつけてくれてたんですけど、負けてしまって…『せっかく作ったのに負けるのかよ』」と美しく整えた高畑に拍手が送られた。
最後に、大泉から「大変楽しいキャストのみなさんと過ごした1ヶ月でした。素敵なタイトルで興味をもって原作を読ませていただいたのを覚えています。鹿野さんがなぜそこまでわがままをいったのか?鹿野さんが目指していた社会などが伝わるといいなと思っています。観終わった後、このタイトルがみなさまにどう響くのか、楽しみです」と大泉にしては珍しく(?)大真面目に本作をアピールしてイベントは終了した。