アラン・ドロンとのデュエット曲「あまい囁き」や「18歳の彼」で、日本でも知られるフランスのシャンソン歌手ダリダ。デビューからわずか2ヶ月後に30万枚の大ヒットを果たしゴールドディスクを受賞して以降、30年以上にわたって国民的スターであり続けた。今日までの総売り上げ枚数はなんと1億7000万枚。フランス最後のスターと呼ばれ、亡くなった今でもその功績は高く評価されている。その波乱に満ちた生涯が描かれたフランス映画『ダリダ~あまい囁き~』が、5月19日(土)より角川シネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ他全国ロードショーとなる。公開直前の16日、本作の宣伝大使で歌手・俳優のピーターが公開直前イベントに登場。本作とダリダの魅力を熱く語った。
ダリダの大ファンで自身のショーで「歌いつづけて」や「18歳の彼」といった彼女の名曲を歌っているというピーターは「映画を観て久々に痺れた!ショッキングなシーンもあるけれど、一人の女性の生き様として、観終わったときに泣きました」と感動の面持ちで、「ダリダが男に振り回されていく中で歌が円熟していき、最後まで歌を歌い切ったその生きざまがショーになっている。日本にはいないエンターテイナー」とその存在とともに映画を絶賛。
同時代を生きたフランスで最も愛された国民的シャンソン歌手エディット・ピアフを引き合いに出しながら、「ダリダは色鉛筆のように様々な色合いのある方で、シャンソンというイメージがない。劇中でも描かれるけれどアメリカでショーをやったりしている。ピアフとはちょっと違う気がする」と不世出の歌手ダリダを分析した。
劇中には「18歳の彼」「灰色の途」「歌いつづけて」といった数々の名曲がオリジナル音源で甦るが、「“これダリダの曲だったんだ!”と改めて気づかされることもあったし、聴いていてワクワクする。また当時のファッション、車なども観ていて楽しかった」と見どころアピール。毎日4時間にも及ぶ特殊メイクを施しながらダリダを演じた映画初主演のスヴェヴァ・アルヴィティについては「最初は似てないと思いながら観ても、物語が進むにつれてどんどんダリダに見えてくる。感情移入をしてしまうので、最後はキュンとなりますよ」と太鼓判を押していた。
映画は、歌手として歴史的な成功を収めた一方で、愛に何度も傷付き痛みを抱えその絶望を歌に昇華させていくダリダの生き様姿も描き出すが、「今の芸能人は品行方正!昭和のスターはみんなやんちゃで危なっかしかったけれど、作品は素晴らしいという事が沢山あった。今は皆さんの目が裁判官のように厳しくなって“ダメだ!”となると皆で叩く時代。昔の芸能史に比べると、今はつまらない時代になったと思いますね」とため息交じり。続けて、「もしダリダと同じ時代に生きていたら、一緒にやんちゃなことをして楽しめたんじゃないかと思います」とダリダへの想いを語った。
今年で芸歴50年を迎える自身の軌跡を振り返ると「実は恋愛スキャンダルはないんです。わりとフラットに生きてきたので…。出会いもないし、男と女どっちを対象にするんだとなると面倒くさくて(笑)でも“この人好き!”とか“カッコいい!”というような気持ちは持っていたい」と生涯現役宣言。
いつまでも若く輝く秘訣については「自分を好きになること。一人でやっている分、褒める自分がいないとツライ。自分の頭を撫でてくれるもう一人の自分がいないとね。流れに逆らって激流を登る人生だから」と笑い飛ばし「自分へのご褒美は家です。帰ったときにオフを感じられる場所がいい。断捨離して4件から1件に自宅を減らしましたが、福岡にもう1件増えました。ただ離島願望があるので、奄美に行ったときに売り出し中の土地についつい目が行ってしまう」と照れ笑い。
改めてダリダについて「男性の趣味が幅広い!その人にしておけばいいのに…ソッチに行くの!?と周りから見るとハラハラするけれど、ダリダは男の人の腕の中に居場所を求めていて、そういった愛を糧にできた人だった」とし、「聴くとワクワクする素敵な歌が散りばめられています。どうぞ映画を楽しんで」と宣伝大使として本作を熱くアピールした。