日時:5 月12日(土)
場所:角川シネマ新宿 シネマ1(東京都新宿区新宿 3 丁目13-3 新宿文化ビル4F)
登壇者:中山美穂、キム・ジェウク、新垣 隆、チョン・ジェウン監督、トンボ(ラブラドール・レトリバー)
MC:奥浜レイラ
女優・中山美穂、約5年ぶりの主演作となり、昨年 10 月に行われた釜山国際映画祭でも大きな話題となった『蝶の眠り』の初日舞台挨拶が行われ、中山美穂他キャスト&スタッフが登壇し舞台挨拶が行われた。
上映後の熱気冷めやらぬ観客からの大きな声援に、中山、キム、新垣、チョン監督が手を振って応えながら登場。主演を務めた中山は、「今日は『蝶の眠り』を劇場まで観に来てくださってありがとうございます。撮影は 2 年ほど前になるんですけれど、やっと公開初日を迎えることができ、みなさんにお会いできることをすごく楽しみにしていました。今まさに映画をご覧になった皆さんに温かい拍手で迎えていただいて、ほっとしています」と挨拶。韓国人留学性のチャネ役を演じたキム・ジェウクも「韓国ではない劇場で、韓国人の僕が舞台挨拶をさせてもらえているというのが不思議です。でも、小さい頃に住んでいた日本で仕事をさせてもらえてとても光栄です。これからもよろしくお願いします!」と、流暢な日本語で挨拶をした。
本作で遺伝性アルツハイマーを患う50代の女性小説家・松村涼子役を演じた中山は「病気や別れなど悲しい物語を描いているのに、チョン・ジェウン監督はそれを静かに流れるような詩的な雰囲気の映画に演出してくださって、完成した映画を見て改めてこの映画に関わる事ができてよかったなと思いました」と振り返る。
キムは「韓国でも子供の頃にテレビや映画で見ていた役者さんと共演する機会はありましたが、中山美穂さんは特別でした。映画『Love Letter』は、僕自身はもちろん韓国人みんなが大好きな作品ですし、そんな映画に出演していた中山さんが存在していること自体、最初は実感できませんでした。初めてお会いした時の印象はたぶん死ぬまで忘れないだろうと思います」としみじみ。「最初にお会いしたのは衣装合わせの時だったのですが、美穂さんが僕をガン見してきて(笑)。ほんの 2 秒くらいだったとは思うのですが、目が大きくて時が止まったような気がしました。僕の顔を見て『チャネだ』と認めていただけたようで、とても嬉しかったです」と中山との印象的な時を思い返した。
そんな 2 人をキャスティングしたチョン・ジェウン監督は「衣装合わせの際に初めて 2 ショットを見たのですが、化学反応が起きました。私がキャスティングしたのに、『こんな完璧な組み合わせを考えたのは一体誰なの!?』と自問自答してしまいました」と100 点満点のキャスティングだったと告白。
7 歳まで日本で過ごし、日本語が堪能なキムについて話が及ぶと「本当に日本語がお上手で、しかも心地よいしゃべり方をされるので直すところがなかったのですが、ただ一つ“庭師”って言葉が言えなかったよね」と中山が暴露。「そうそう。毎回美穂さんに教えてもらっていました。その単語を初めて知ったんですよ」と撮影現場でも涼子とチャネの関係であったと明かす。
自身初となる映画音楽を手掛けた新垣は「涼子とチャネの出会いから別れまで、お二人の心の動きを増幅させるのではなく、静かに寄り添えるような音楽を目指しました」と挨拶。新垣のそばにはエレクトリックピアノが用意されており、公の場で初めて楽曲を披露。「(前回、舞台挨拶を行ったプレミアム試写会とは違い)今日はまったく緊張していません」と断言した新垣だったが、少し緊張した面持ちで演奏。映画の世界を表現した美しい旋律に会場は温かい拍手で包まれた。
また本作が韓国でも 9 月に公開されることが発表され、チョン監督は「日本で製作した映画が私の母国である韓国でも公開されるということで、とても嬉しく思います。日本での反応がいいと、韓国でも話題になると思いますので、みなさんぜひ宣伝よろしくお願いいたします!」とアピール。中山とキムも「韓国でもたくさんの方に観ていただきたい」と口を揃えた。
涼子のペットとして本編に登場するラブラドール・レトリバーのトンボがお祝いに駆け付けた。スーツを着ておめかししたトンボの姿に会場はメロメロに。ラストのフォトセッションにも一緒に参加し、しっぽを振って報道陣に愛嬌を振りまいていた。
最後には中山が「本当に今日は足を運んでくださりありがとうございます。みなさんが感じたままに映画を評価いただければ私は嬉しいです。この映画にはいくつか伏線があり、私も 2 回観て気付いた部分もあるので、ぜひ 2 回目、3 回目と楽しんでいただければと思います」と締め、舞台挨拶は終了した。