日時:2月17日(土)
場所:新宿バルト9 スクリーン9
登壇者:北原里英、ピエール瀧、門脇麦、リリー・フランキー、白石和彌監督
キャプテンを務めるNGT48・並びにAKB48グループでの卒業コンサートが4月に決定し、以降の女優としての活躍を誓った北原里英が女優業を本格始動する第一弾作品、映画『サニー/32』が2月17日(土)より全国公開となった。日本映画界を席巻した白石和彌監督の『凶悪』(13)から5年。ピエール瀧とリリー・フランキーの“凶悪”コンビが現役国民的アイドル・北原里英を拉致・監禁する衝撃作。 公開初日の舞台挨拶では、極寒の新潟、降り積もる雪と吹きすさぶ海風の中行われた撮影からちょうど1年、ついに映画『サニー/32』が初日を迎えた。奇しくも自身の卒業、そして女優への本格転身をまぢかに控えた主演・北原里英をはじめ、『凶悪』コンビでおなじみの、ピエール瀧、リリー・フランキー、そして門脇麦、白石和彌監督が登壇し様々なエピソードを振り返った。
現役国民的アイドル・北原里英をピエール瀧とリリー・フランキーの“凶悪”コンビが拉致・監禁することから始まる予測不能のジェットコースタームービー『サニー/32』。この日、行われた公開初日舞台挨拶にNGT48からの卒業を発表し、本作が卒業発表後初の主演作となる北原里英を始め、ピエール瀧、リリー・フランキー、そして門脇麦、さらに、先日行われた「第60回ブルーリボン賞」において監督賞を受賞するなど今や、日本映画界をリードする存在となった白石和彌監督が登壇し、昨年2月に新潟の過酷な環境で撮影をされていた本作の爆笑エピソードなどが語られた。
上映終了後、興奮冷めやがらぬ場内に盛大な拍手と歓声で迎えられ北原らキャスト、白石監督。24 歳の誕生日に突然拉致され、事件にまきこまれていく主人公・藤井赤理(ふじい・あかり)を演じた北原は「この話が生まれてから3年半かかった分だけ愛情がある作品。ようやく初日を迎えてうれしい反面、さびしい気持ち」と公開初日の素直な気持ちを語れば、白石監督も「大切な作品であり、渾身の一本!」と本作への溢れる気持ちを口にした。一方で、赤理を誘拐し<サ史上最もかわいい殺人犯>とネットで神格化された<サニー>の熱狂的信者・柏原(かしわばら)を演じたピエール瀧は「(鑑賞後の観客の)みなさんの頭に“?”がついているのが心地いい」と笑顔で語れば、二人目のサニーとして登場し物語を急展開させるキャラクターを演じた門脇麦は「撮影は短い日数だったのですが濃い時間を過ごせた。」と述懐。一方で、柏原とともに赤理を誘拐する小田(おだ)を演じたリリー・フランキーは、劇中、ピエール瀧が北原の顔を舐めたり殴ったり知るシーンがあり、そのシーンに際して瀧から「どっちがファンに嫌われますかね?」と相談を受け、「どっちもじゃない!?」と答えたエピソードを披露し場内を笑わせるリリー節で早くも観客の心をつかんでいた。
国民的アイドルを拉致・監禁から始まる本作を最初に観覧した際、「何かねじ込まれた感がある映画」と語ったピエール瀧と、「ネットの中にいる“アイドル”という偶像であったものを妄想して、それを実現させるとこのくらい間抜けになる。そこがリアル」と作品の感想を述べたリリー・フランキーの“凶悪”コンビ。さらに昨年2月の新潟・長岡で行われた過酷な環境下での撮影を振り返り、極寒の地でピンクのアイドル衣装で雪道を駆け抜けた北原をねぎらうと、「僕らは何枚も着込んでも乳首がたっていたのに」とリリー・フランキーが言えば、「逆に、あんな衣装をもってくるあの二人(柏原&小田)センス、ヤバいよね(笑)」とピエール瀧。ふたりの軽快なトークに登壇上の北原らと観客からは終始笑いが起こっていた。そんな過酷な環境下での撮影を振り返った北原は拉致・監禁から逆転する“キタコレ”シーンについて触れると「まる1日をかけたので体力も精神力も使いました。普段は人に罵声を張ることはないが途中から楽しく気持ちよくなっていました」と女優としての“覚醒”を笑顔で語った。
話は先週の新潟・長岡での先行公開に及ぶと、すでに鑑賞した地元の方から「知っている景色が多いことがうれしい」と反応をもらったことや新潟県庁を訪問した際にも県知事から喜んでもらえたと語った北原。白石監督も「観ていただいた方々から最高といっていただいた」と作品への手ごたえを感じたそう。そんな嬉しそうに語る白石監督に対して、「監督はカーリングの審判やった直後に平昌から駆け付けたんですよ」と開催中の平昌オリンピックに絡めたリリーの愛のあるイジリにタジタジになる場面も。
イベントの最後に白石監督は「ずっとやりたい企画が形になって(脚本家の)髙橋泉さんと一緒に作品に込めた想いを藤井赤理という人物、それを演じた北原さんに託せてよかった」と語れば、門脇も「完成を観て(北原)里英ちゃんが美しくて、すごく気持ちが持ってかれた。」と称賛。ピエール瀧やリリー・フランキーも現場での北原の振る舞いに引っ張ってもらったと、座長・北原里英を絶賛する場面も。そんな言葉を受けて、北原は謙遜しながらも「現代の様々な問題が詰め込まれている作品。深いメッセ―ジや白石監督が作るアイドル映画をぜひ楽しんでほしい」と観客に呼びかけイベントは幕を閉じた。