2月9日、全世界が注目する中で、スポーツと平和の祭典、平昌オリンピックが開幕した。同日、世界の映画ファンが注目する今年一番の話題作『15時17分、パリ行き』が全米公開され、初登場3位にランクインした。『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』とリアルヒーローの真実の物語を描き続けてきた巨匠クリント・イーストウッド監督が描くのは、2015年8月に起きたパリ行きの特急列車タリス内で554人の乗客全員をターゲットにした無差別テロ襲撃事件。極限の恐怖と緊張感の中、武装した犯人に立ち向かったのはヨーロッパを旅行中だった3人の心優しきアメリカ生まれの若者たちだった。『15時17分、パリ行き』をいち早く鑑賞した著名人からの“驚愕”コメントが続々と寄せられている。今回、絶賛コメントと作品の魅力を60秒に凝縮した特別予告編が解禁となった。
イーストウッド作品を観続けてきたお笑い芸人の水道橋博士は、「87才の最長老の監督最新作が最高傑作にして過去最短作の94分という驚異」と、最高齢で挑んだ挑戦的な作品に敬服。ジャーナリストの佐々木俊尚は、「日常が突如として反転し、危機のさなかに陥った時、人々はどう行動できるのか。その瞬間をきっちりと描くためだけに本作は存在する」と、テロの時代に向けられた巨匠からのメッセージを全身で受けとめた。「アメリカの正義を貫いてきたかつてのスーパーヒーロー、イーストウッドが、『ハドソン川の奇跡』に続いて、現代の世界的脅威にどう立ち向かうかを問う。ヒーロー映画が量産される、このヒーロー不在の時代だからこそ、名も無き実在の青年達をキャスティングして描かれるこの真実は勇気を与えてくれる」とコメントを寄せたのはゲーム・クリエイターの小島秀夫だ。
「言葉を失った」(宇野維正)、「一瞬の猶予もない一漕ぎ一漕ぎの果敢さに、全身が総毛立つ」(後藤岳史)、「観る者すべてを勇気づける感動作」(田嶋真理)、「実録映画の新機軸。監督の手腕にひれ伏しました」(よしひろまさみち)など、かつてない映画体験となる本作に対する驚愕と絶賛の声が続々と寄せられている。
今回公開された60秒予告では、特急列車で客室乗務員から赤ワインを受け取るアンソニー・サドラー(写真中央)、ミニコーラを給仕され「小っちゃい」と無邪気に喜ぶアレク・スカラトス(左)、その隣で「フランスだからな」微笑むスペンサー・ストーン(右)の3人が映し出される。その姿は、どこにでもいる若者そのものだ。パリに向かう列車はフランス国境に入った時、ただならぬ空気が車内に満ちる。通路を走る人で目覚めたアンソニーとスペンサーは、車内の様子を伺う。この時、554人を狙った無差別テロ、通称《タリス銃乱射事件》が起こったのだ。
「君がこれまでどんな人生を生きてきたとしても、君の中で眠っている本当の“力”は、いつか呼び起こされる」と語りかける声に導かれて、軍隊で訓練するスペンサー、アフガニスタンに派遣されたアレク、そしてヨーロッパ旅行を楽しむアンソニーとスペンサーの姿が綴られていく。旅の途中、スペンサーはアンソニーに向かって、「自分でもわからないけど、運命に押されている気がする」と告白する。
幼き日から苦悩を友にしてきた、カリフォルニア州サクラメント郊外の労働者階級出身の3人の幼なじみ。なぜごく普通の男たちは死に直面しながら、命を捨てる覚悟で立ち向かえたのか!?
クリント・イーストウッド監督は、テロに勇敢に立ち向かった3人の若者たちを始め、乗客として列車に居合わせた数多くの人が出演し、事件が起こった場所でも撮影に挑んだ。87歳を迎えても尚、新たなる挑戦を続けるトップランナーの最新作は、いつ、どこで、誰もがテロに直面してもおかしくない今、当事者の目線から今の時代を生きる私たちに問いかける真実と現実。監督が「ごく普通の人々に捧げた物語」だと語る最新作は、当事者の目線からテロの真実を浮かびあがらせる。今を生きるすべての人々に捧げられた『15時17分、パリ行き』は、3月1日(木)日本公開となる。
映画『15時17分、パリ行き』日本版予告【HD】2018年3月1日(木)公開
https://youtu.be/RTwneXps-B4
著名人からのコメント
87才の最長老の監督最新作が最高傑作にして過去最短作の94分という驚異
水道橋博士 お笑い芸人
本作では3人の若者たちの、普通すぎるほどの普通の日常が描かれる。その日常が突如として反転し、危機のさなかに陥った時、人々はどう行動できるのか。その瞬間をきっちりと描くためだけに本作は存在すると断言してもいいだろう。
その一瞬の決断は、鮮やかに世界を変えうる。それは大きな希望であるのと同時に、私たちに「お前もそれをできるのか?」を突きつける鋭い剣でもあるのだ。
佐々木俊尚 ジャーナリスト
本作は”テロリズム”でも”ヒロイズム”でも”愛国心(パトリオティズム)”でも、”奇跡”の物語でもない。マッチョな銃でアメリカの正義を貫いてきたかつてのスーパーヒーロー、イーストウッドが、「ハドソン川の奇跡」に続いて、現代の世界的脅威にどう立ち向かうかを問う。ヒーロー映画が量産される、このヒーロー不在の時代だからこそ、名も無き実在の青年達をキャスティングして描かれるこの真実は勇気を与えてくれる。
これはある運命に集約される、ごくありふれた一般青年達の人生における”役割”を描いた物語である。誰もが産まれた時から、”15時17分、パリ行き”に向かっているのだ。
小島秀夫 ゲーム・クリエイター
『アメリカン・スナイパー』も『ハドソン川の奇跡』もこの作品のためにあったと気づいた時、言葉を失った。誰も届かない次元で、映画表現をさらに更新していく87歳のイーストウッド。あなたは神か?
宇野維正 映画・音楽ジャーナリスト
事件の現場を当事者たちが生き直す! イーストウッド監督の新たな冒険による旧友3人の突発的な連携ぶりは、まるで急流下りのよう。一瞬の猶予もない一漕ぎ一漕ぎの果敢さに、全身が総毛立つ。
後藤岳史 映画ライター
子供の頃から負け犬扱いされていた3人が英雄となる過程は、学生時代に落ちこぼれだったイーストウッド自身に重なる。とりわけ子育て世代や人生に迷った方にご覧いただきたい、観る者すべてを勇気づける感動作だ。
田嶋真理 映画&海外ドラマ ライター
正直驚いた。エンドロールを観るまで当事者本人が演技していることを忘れてしまう、実録映画の新機軸。
監督の手腕にひれ伏しました。
よしひろまさみち 映画ライター
フィクションとノンフィクションの境界線には多くの映画人が挑んできたが、イーストウッドはごく自然に「これが答えだ」と提示する。そして「こんな表現があったのか」とまたも圧倒されてしまうのだ。
松江哲明 ドキュメンタリー監督
現実とフィクションの境界線を悠々と越境する究極のリアリズム。またもやクリント・イーストウッドは、早くも2018年度の映画ベストテンでNo.1に輝くことが確約された。
松崎健夫 映画評論家
愛は正義、正義は勇気。銃を持った暴徒に敢然と立ち向かう米国青年たち。現実の事件に現実の出演者で息づまる名場面。正義も勇気も生きている!
浜村淳 映画評論家
主人公の3人が全員「負け組」とされるような人たちであることが何といっても印象的です。
いざ危機が起きる時、肝心なのが学歴ではなく、その人の価値観。
ピーター・バラカン ブロードキャスター