日時：11月19日（日）
場所：TOHOシネマズ 梅田
登壇：丸山隆平、西田征史監督、タマ
丸山隆平（関ジャニ∞）を映画単独初主演に迎え、「とと姉ちゃん」（NHK連続テレビ小説）、「TIGER ＆ BUNNY」等多数の脚本を手がけ、『小野寺の弟・小野寺の姉』で初監督を務めた西田征史監督第2作となる『泥棒役者』。“人違い”と“勘違い”を繰り返し、クセもの8人による“だまし・だまされ”の＜超喜劇エンターテインメント＞がついに公開となった。本作の舞台挨拶付上映会を、11月19日（日）にTOHOシネマズ 梅田にて実施された。本作の大阪での舞台挨拶は初めてながらも、上映後客席から沸き起こった拍手の中を登壇。プライベートでも仲が良いことで知られる2人は、前日、東京での初日舞台挨拶があり打ち上げを終えたあと、西田監督は丸山宅にお泊まりしたそうで、なぜか同室で寝るという超ラブラブな最新情報を披露。TOHOシネマズ 梅田の最大キャパを埋め尽くした客席から悲鳴があがるなど、終始笑いの絶えない舞台挨拶となった。
TOHOシネマズ 梅田最大のキャパ700席超を埋めた満席の劇場では、エンドロール終了後に客席から拍手が沸き、その模様を舞台袖からうかがっていた丸山隆平と西田征史監督は感激の登壇。本作の大阪での舞台挨拶は初めてということもあり、丸山は「皆さん、映画を観たあとなんですよね。これは原作ものではなくて、オリジナルで、しかも脚本を書いて映画になって。それを作った方がここにいます」と監督を紹介しつつ、「西田監督とは5年前に舞台で共演させていただいて、その後僕のジャニーズ人生のなかで2度お仕事をご一緒したという方は初めてでとても嬉しくて。僕もこの映画を試写で観たんですけど、お仕事をやってきて良かったですし、もっともっとこれからもお芝居を続けていきたいなと思えるような映画になったと思います。今日はよろしくお願いいたします」と挨拶。西田監督は「監督・脚本をつとめました西田征史です。今日は『泥棒役者』のためにお時間を作ってくださりありがとうございます。短い時間ですが、この映画の思い出を余すところなくお話できたらと思います。よろしくお願いいたします」と述べた。
本作は昨日から全国で公開されたとあって、これまでのPR活動を通じてのお客さんの反応を聞かれ、舞台挨拶などのイベントではないお客さんの反応を伺うべく、「大阪と東京の2回は観たいなって話をしてたんです」と監督。今後ふらっとプライベートで劇場に観に行く予定らしく、丸山は「たぶん、ツボが違うと思うんですよ。一般の客として実際に客席で観てみて、皆さんがどこで爆笑して、ウケてもらっているのかを確かめたいんですよね。もしかしたらずっとこうやって（腕組みして）“凪”（の状態）かもしれないけど（笑）」と危惧しつつも、「でもそれを2人で、グー―っと眉をしかめて噛み締めながら観るのもいいのかな（笑）」と、監督と腕組みのポーズをしながら客席を笑わせた。
舞台作品の映画化ということで、違いを聞かれた監督は、「4割か5割は脚本を変えてますね。もともと舞台では片桐仁さんが名前すらない泥棒役で、そのバックボーンは描かれてなかったんですが、今回映画化するにあたり、『大貫はじめ』という名前になり、恋人も描かれ、彼の物語になりました」と語る。丸山を起用したことについては、「この5年間お付き合いさせていただくようになり、彼の表情が大貫はじめとリンクすると思いまして」とのこと。
劇中で続くアップでの表情を褒められた丸山は、やや無言になり「…褒められたときにどうしていいかわからない…」と照れた。「自分で自分のお芝居を観て、今までは照れくさかったり、もっとやれることがあったのではという後悔がありました。もちろんそれは今でもありますが、西田さんの脚本は、自分の芝居を観ているというよりも、物語だったり役として何を思っているかのほうに（考えが）シフトしていったので、それは初めての感覚でした。特別な出来事が起こるわけじゃないんですが素敵だなと思えたり、自分のメンタルによって見える角度が変わる、おもしろい映画だと思いました」という丸山は、これまでに5回も本作を観たそう。
役づくりについては監督が「最初に丸山くんの家で本読みをさせてもらったところから、細かい修正をしながら作っていきました」とのことで、キャストが丸山宅に集まって本読みをしたエピソードになり、丸山宅について監督は「昨日実は東京で初日舞台挨拶の打ち上げがあって、その後丸山くんの家に泊まって、そのまま朝こちらに来たんですよ」と暴露。思わぬラブラブエピソードに客席がざわつくと、さらに「彼、自分の部屋で寝ればいいのに、『最近ベッドで寝てないんですよ』て言うから心配になっちゃって」と監督。それについて丸山は「ここ最近、ありがたくもこの映画の告知で番組に出させていただいて、それを観て1人で飲みながら『ああ～この収録は楽しかったな～やっぱり良い映画ってええよな～…』とそのままコテっと寝てしまっていて。それが最近の気持ち良い習慣になってます」と告白。せっかくベッドがあるのに、という監督に丸山は「西田さんがいるのに1人だけベッドで寝るのは」と遠慮するも、「だからって床でゴロンと横になって（笑）」と監督に指摘され、丸山も爆笑。とはいえ監督は「体に良くないかもしれないんで気をつけてくださいね」と気遣い、2人の仲の良さを改めて見せつけつつも、丸山は「ちょっと、恥ずいわ～（笑）採れたてピチピチの情報やわ～（笑）」と大照れ。
映画の編集について話が移り、39時間の映像素材からの編集作業だったものの、監督曰く、2台のカメラで撮った角度の違う素材をカット割したのであって、芝居として丸ごとカットしたシーンはないとのこと。明るい雰囲気の現場での、キャストとの距離感については、「僕はどこかで人見知りというか、（人と関わるのが）60%はOKなんですが、40%はほっといてくださいという人間で、そのテリトリーの中に入れちゃってるのが西田さんなんですけどね（笑）、仕事現場としてはまた別だと考えています。撮影現場では、僕が役に集中できるように、他の演者さんたちが雰囲気を作ってくださってました。自分はそんなつもりはないものの、（関ジャニ∞という）グループの中ではムードメーカーとして扱ってもらってますけど、僕以上の超ムードメーカーである市村正親さん、宮川大輔さん、ユースケ・サンタマリアさんというこの3人がうわーっとやりだしたら、僕は何もしなくて良いというか。ずっと笑っていて『アハハハ、アハハハ、アハハハ……ちょっと台本読もう』という感じでしたね（笑）」。監督は「モニターの後ろに丸山くんがいたら、市村さんが来て『ちょっと始めようか』と稽古をやり出したら、（宮川）大輔さんが来てちょっとあわせたり、急に稽古が始まる感じが、お芝居に向き合うの姿勢が皆さん同じなんだなと思いました」。ユースケ・サンタマリアについは、「リハーサルで、本当は轟良介という役名なんですが、なぜか轟グンペイです、と名前を変えてくるというアドリブがって、絶対に使えないっていう（笑）」。「あの人、わりとギリギリまでおふざけをするんですけど、やるとなったら結構ガチで」という丸山に、監督は「他人をさんざん笑わせておいて、自分は真面目にやるっていう、ズルいですよね（笑）」と笑わせていた。
そしてフォトセッションには、劇中で市村正親扮する絵本作家・前園俊太郎が生んだ人気キャラクターである猫の「タマ」もサプライズで参加。登壇時には、タマの決めセリフ「まだ終わってないニャー」を丸山がかぶせ、ステージへの階段を上りづらそうにするタマを気遣う2人。全国でPR活動をがんばったタマをねぎらった。
大阪での舞台挨拶ということで思い出を聞かれた丸山は、「監督と2人で旅行をしたときは、伊勢に行って京都に泊まって、というのはありました」とここでもラブラブなエピソード。「西田さんから誘っていただいて、おいしい海鮮丼があるということで、伊勢神宮にお参りしてから、京都で2人で同じ部屋に泊まって…という感じでしたね」と話すも、リアクションの薄い客席に「（この話は）知ってます～という感じやね（笑）。ありがたいことに、（以前話した）記事も読んで準備して来てくれたんやね」と感謝。
そしてフォトセッションでは丸山が“前園俊太郎ポーズ”を決めて客席を沸かし、最後に「西田さんのおかげで、素敵なキャストの方とスタッフの皆さんと良い仕事が出来たと思います。実際のところ、（仕事をするのは）自分の生活をするためだったりとか、現実的なところもあるんですが、そういう営みのなかで、誰かのためになってより豊かになるというのが、現実世界のなかで生きていてとてもキラキラとするものなんじゃないかなと思っています。僕たちはこうやって人に観てもらって、一緒に泣いたり笑ったり、共感できたり共有できるという、すごくありがたいお仕事をさせてもらってるなと思います。こうやって舞台挨拶で、皆さんの表情を見てると、どんな風に感じたりとか……」と話したところで、「こんなことを言うと年齢がバレちゃうな…僕アイドルやからこんなことは…」と言い淀むも、「もうバレてんじゃないの？」と監督のツッコミを受けて、「（ジャニーズ）Jr.のときから考えると、もう20年ちょっとやってるんで、なんとなく、（客席の）顔を見ると楽しんでいるな、とか何か抱えてるな、とかわかってしまうときがあるんですね。（そういう意味で）今のこの舞台挨拶の空間は、良い空気になっているなと思います。これはきっと作品が良かったということで、これがどんどん広まって、たくさんの人に観てもらって少しでも世界平和につながったら良いなと思います（笑）、ありがとうございました」と結んだ。
監督は「30歳のときに作った舞台に対して、この約10年で感じてきた挫折や後悔やいろんなものを織り交ぜて作りたいなと思って撮ったんですが、自分が胸を張って観ていただきたいなと思える作品が出来ました。本当に素晴らしいキャストやスタッフの皆さんとともにこの映画を作れて幸せです。今日もし気に入っていただけた方、もしくはあんまりだったという方も、ぜひレビューサイトなどに書いていただいて、広めていただけたらなと思います。最後に改めて、丸山隆平くんの初単独主演作品を自分が撮ることが出来て光栄でした。どうもありがとうございました！」と締めた。
