日時:10月7日(土)
場所:新宿ピカデリー SCREEN1
登壇者:北野武監督(70)、西田敏行(69)、大森南朋(45)、ピエール瀧(50)、松重豊(54)、大杉漣(66)、金田時男(80)
北野 武監督18作目となる最新作『アウトレイジ 最終章』が全国公開を迎え、公開初日となった10月7日(土)に新宿ピカデリーにて初日舞台挨拶が行われた。監督・主演を務めた北野武(ビートたけし)を筆頭に、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、松重豊、大杉漣、金田時男と豪華キャストが勢揃いした。
上映終了後に行われた舞台挨拶。大きな拍手で迎えられると、まずは、【花菱会】若頭、西野役の西田敏行が満席の場内を見渡し「花菱会を代表して心より御礼申し上げます」と感謝の念を述べる。「誰が生き残るのか」ということが注目でもある本作に掛けて、長い間一線で活躍を続ける西田に、MCから役者の世界で生き残る術を問われると「風が吹く方向に向かってしっぽを振って歩いていくことですね」と冗談めかして答え、場内は笑いで沸き、和やかな雰囲気で舞台挨拶がはじまった。
続いて【花菱会】の新会長、野村役の大杉漣は、本作が9年ぶりの北野監督作品への出演となったが「シリーズへの出演は夢にも思っていなかった」と語り、「北野組というのは僕にとって独特で、こうやって帰って来たんだなあと、いま心がいっぱいです」と感慨深げにコメント。新会長という立場ながら、ポロシャツ姿など服装もバラエティに富んだ野村という個性的なキャラクターについて「ある意味深い役だなと思って、楽しんで演じさせていただきました」と感想を述べた。
本作が初めての北野監督作品の出演となった【花菱会】直参幹部、花田役のピエール瀧は「初参加でわからないまま撮影に入りましたが、わからないまま終わってしまった気もします(笑)」と振り返り、自信が演じたキャラクターについて「変態のヤクザということで、いつも通りというか、プライベートを出しすぎないようにやるのが大変でした(笑)」とぶっちゃけて、場内は大爆笑。「刺青を身体に描くのに8時間かかり、二回やったのですが、いま考えると二回目の背中の方は描かなくてもよかったんじゃないかと、今気づいたばかりです(笑)」と、ぶっちゃけ連発で、またも場内は大爆笑。
前作『アウトレイジ ビヨンド』に続いての出演となった張会長役の金田時男は「監督の脚本を手に取り、読めば読むほどに、今の時代であっても義に徹することを強く意識して作られたのかなあということを感じました」と語り、(金田の)本業は実業家であることから「私のような素人がこうしてみなさんの前で挨拶をさせていただき、こんなに素晴らしい出演者のみなさまと共演させていただけたのは、一生の思い出になりました。ありがとうございました」と挨拶。
そして同じく、前作に続いての出演となったマル暴の繁田刑事役の松重豊は「“全員悪人”という中で、一人だけ善良な公務員がいていいのかなあという気持ちでした(笑)」と語りながら、「前作では撮影の途中から、どこか出演者たちの中で『どうしても死にたくない』という雰囲気が出ていて、(殺された)桐谷健太さんや、新井浩文さんとかは、倒れていても『まばたきをしようか』、『足を少しだけ動かそうか』なんて(笑)。生き残りにかけた男たちの物語でした。そんな中で生き残れたというだけでも光栄でした」と続投への喜びを語った。
また、「アウトレイジ」シリーズ初参加となった市川役の大森南朋は「北野監督のファンで、バイオレンス映画が好きなので、ついに『最終章』でお呼びいただけたのが感動でした」と語り、「現代のヤクザ映画でここまでうまく描ける作品はないと思います」と自信たっぷりにコメント。すると西田も「毎回全てに思い出があります。撮影初日のクランクインの時に、私と塩見三省さんは体調を崩した後(復帰しての撮影)でしたが、監督からすごく気を遣ってくださって、義理と恩を感じています」と、シリーズの想いと撮影時を振り返ってコメントした。
最後に北野武監督から「これは三部作だけど、自分なりにうまいまとめ方をしているなあと思っていて、自分で編集をしていて、映像としてもいいなあとかなりの自信作で、楽しんでもらえると思っています。みなさんに楽しんでいただき、また5円でも10円でも払っていただければ(笑)。ありがとうございました」と、本作への自信とお客さんへのメッセージを述べ、大きな笑いと拍手が鳴り止まないまま、大盛況で舞台挨拶を終えた。