ジャック・ドゥミ監督の名作『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』を彷彿させるカラフルでポップで小粋なフレンチ・ミュージカル『ジュリーと恋と靴工場』(9/23公開)の特報とポスタービジュアルが完成した。
完成した特報では、その腕に誇りを持った靴職人たちと、金儲け主義の雇い主との攻防が繰り広げられる様子を、主人公の恋模様も交えつつ、軽やかで楽しげな音楽とダンスで魅せており、正当なミュージカル映画の系譜に連なる作品として今年大ヒットした『ラ・ラ・ランド』『美女と野獣』のように華やかなエンターテイメント性をも感じさせる。
ポスタービジュアルは、アイデンティティとプライドを守るために立ち上がる靴職人の女たちの姿をイラストレーター・山本由実さんが手がけ、劇中で象徴的に使われる赤い靴を手に、自分らしく生きることを求め悩む主人公ジュリーの写真が中央に配置されたデザイン。このポップな映画にぴったりの、とびきりお洒落なポスターとなっている。
監督は、本作で長編デビューとなるポール・カロリとコスティア・テスチュ。主人公ジュリーに『EDEN/エデン』のポーリーヌ・エチエンヌ、ジュリーの恋のお相手となるドライバーのサミーに『メルニモンタン 2つの秋と3つの冬』のオリヴィエ・シャントロー。本物のダンサーが演じるカラフルな作業着を纏った靴職人マダムたちや彼女たちの作り出す美しい高級靴の数々に、魅了されずにはいられない。
映画の舞台となったフランスのロマンは、元米大統領夫人ミシェル・オバマ御用達の[ROBERT CLERGERIE]や、かつては[CHARLES JOURDAN]の工場もあった、実際に高級靴の生産地として有名な地域として知られる場所。
しかし軽やかで楽しいミュージカルの裏には、若年齢層の失業率が日本の5倍とまで言われるフランスの現状が垣間見える。現在特集上映も行われているジャック・ドゥミ監督の『都会のひと部屋』(82)にもみられる、労働者の反乱をミュージカルで描いた、社会派テーマも内包された映画なのだ。
『ジュリーと恋と靴工場』は今秋9月23日(土・祝)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほかにて公開。
映画『ジュリーと恋と靴工場』特報 9月23日公開
https://youtu.be/p77-TzzlYow