『ダークナイト』で正義と悪の概念を覆し、『インセプション』で重力を操り、『インターステラー』では時間と空間をつないでみせた。新作を発表する度に、見たことのない映像表現で驚嘆を引きおこしてきたクリストファー・ノーラン監督。YouTubeの予告再生数24時間で1200万回以上といった記録も珍しくない。今、次回作を最も期待される監督クリストファー・ノーランが、初めて実話に挑んだ最新作『ダンケルク』が、9月9日より日本公開となる。
これまでの戦争映画を超えた、まったく新たな映像体験。描かれるのは、相手を打ち負かす「戦い」ではなく、生き残りをかけた「撤退」の物語。容赦なく敵勢が迫るなか、陸海空の3視点で描かれるストーリーが同時に進行する。時間描写において他と一線を画すノーラン監督ならではの緊迫のタイム・サスペンスが、IMAXカメラによる迫力の映像で描かれる。
そしてこの度、ノーランが初めて挑む実話『ダンケルク』の上映時間が、約110分であることがわかった。長尺で知られるノーラン作品では2時間越えが常識。全世界の興行収入が10億ドル(1,200億円)越えを記録したノーラン史上最大のヒット作『ダークナイト』の上映時間は2時間45分。前作『インターステラー』は、2時間49分の上映時間にもかかわらず、全世界の興収は6億ドル(約750億円)を記録している。そして待望の新作『ダンケルク』の上映時間は、前作より約60分も短いのだ。
1940年5月、フランス北端の海辺の町ダンケルクに追いつめられた英仏40万の若き兵士たち。刻一刻とドイツ敵軍の攻撃が迫る中、ドーバー海峡に浮かぶすべての船、民間船までも総動員した史上最大の救出作戦が決行される。これまでメジャー大作で語られることのなかったこの実話に挑むノーランは、ダンケルクの浜辺に追いつめられた若き兵士を案内人に、陸海空の3つの視点が同時進行するタイム・サスペンスに挑んだ。
解禁された場面写真が示唆するとおり、いつ始まるか分からない敵軍の猛攻撃に怯える若き兵士のまなざしが切実だ。ただ一人空を見上げている若者の視点の先には、予告編でも紹介されている、爆撃時に警報音を発することで“悪魔のサイレント”と呼ばれて恐れられたドイツ軍の爆撃機が迫る。
猶予ゼロ。砂浜に追いつめられた兵士たちを救うために、最新戦闘機スピットファイアが飛び立ち、海では700隻を超える民間船までもが救出へと向かう。このスリリングでサスペンスフルな描写を、陸海空が同時進行するノーラン自身の緻密な脚本によって映画化。『メメント』『インセプション』『インタテーステラー』など、時間描写で他の追随を許さないノーランが、かつてないタイム・サスペンスを完成させた。
また、IMAX65ミリ・カメラとラージ・フォーマット65ミリ・カメラによる撮影によって、観客は1人の兵士となって、まるで1940年のダンケルクの浜辺にいるかのような体験をすることになる。
全世界が熱狂した『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の上映時間は2時間、息詰まる1時間31分の『ゼロ・グラビティ』に続く、“究極の映像体験”となるクリストファー・ノーラン最新作『ダンケルク』。それはきっと、映画館でしか味わえない圧巻の110分となる!