昨年大ヒットを記録した山田洋次監督が贈る喜劇映画の決定版『家族はつらいよ』が、さらにパワーアップして帰ってきた。お馴染みとなったあの平田家のメンバーも再集結!5月27日の公開に先駆け、本日5月15日(月)にユナイテッド・シネマ豊洲にて監督・キャストが揃いファミリートークイベントが行われた。
満員の会場の中、平田周造役橋爪功、周造の妻・富子役吉行和子、長男・幸之助役西村雅彦、幸之助の妻・史枝役夏川結衣、長女成子役中嶋朋子、成子の夫・泰蔵役林家正蔵、次男・庄太役妻夫木聡、庄太の妻・ 憲子役蒼井優、そして本作を手がけた山田洋次監督の計9名が、撮影以来初めて全員集結し、観客のお客様も交えて笑い溢れる舞台挨拶となった。
出演者が勢揃いする家族会議のシーンが見せ場の本作、そのシーンを撮影するにあたり、「これから戦いが始まる感じ。緊張感を持ってやっています。」と撮影中の雰囲気を語る妻夫木に周りの出演者も「うんうん」と納得の様子。蒼井も「今回も家族会議のシーンが山場なので、終わったらみんなで美味しいものを食べようって話してたんです。うな重を食べるとこの家族は揉めるので、うな重以外で。(笑)」と本編になぞらえて撮影中のエピソードを明かし会場を沸かせた。
今回は女性のお客様限定のイベントで事前に家族に関するお悩みや思いをお寄せいただき、その悩みに平田家の面々が答えるという形式のイベントだった。一般の方より上がった「三世代で食事をする際、それぞれの好みが違うので苦労する」という悩みに対して、西村は「お母さんに対しては頼み方が大切!ちょっとした気配りが必要なんです。」と話すと、「それはご家庭でも実践されている?」と山田監督に聞かれ「それはまた別の話で・・」とタジタジの様子。長男の妻を演じた夏川は「三世代の食事、大変ですよね。食事のシーンの撮影中は私はずっと立ちっぱなし、座ることがなかったです。ご家庭で実践されている方を尊敬します。」と母親という役目の苦労を語り会場のお客さんも共感。続いて「歳をとるにつれ、家族からの呼ばれ方が雑になり悲しい」との悩みに橋爪は「それはしょうがない。下手に褒めても怒られる。」と夫の心情を語りつつも「うちはハグしますよ。嫁は嫌がってるけど(笑)。」とご自身の夫婦のエピソードを明かし、その仲良しっぷりに他の共演者から「いいなー!」と声が上がった。
橋爪とは幾度となく夫婦役で共演している吉行は「パート2だけ観た方は『一人で旅行なんて行って、なんて気ままな奥さんかしら』と思うかもしれないけど、前作では、夫に尽くしています。今回だけでなく前作も観て欲しいです。」と語ると、「お母さん!自分のフォローじゃないですか!(笑)」と息子役の妻夫木から突っ込まれ、会場は温かい笑いに包まれた。そして「夫がとてもしっかりしていて、自分が遊ぶのは気がひける」という悩みには、「一緒に遊びに出かけたらいいと思います。」とその解決策を提案する中嶋。「三世代同居だとそれも色々と気を遣うんだよなぁ」とぼやく林家だった。「いつも飲み食いした後の片付けは女ばかり。男の人も少しくらい手伝って欲しい!」との声には会場の共感が最高潮に。
積極的に家事を手伝わない夫に対して非難が殺到する中、林家は「食器を洗っていてもし割ったら怒られるし、片付けようにも『しまう場所が違う!』と言われてしまう。」と反論。このやり取りに山田監督は「女性ばかりが家事をして男性は女性に任せっきり、これは今大きな問題ですよね。もしこの映画の続編があるならばそれもテーマにしたいですね。」と次回作への思いを語った。家族の数だけ悩みがある、そんな家庭の事情が明かされた今回、山田監督は「『家族はつらいよ』という映画は、どんなことで家族が悩み、どんなことで幸せを感じているのかを描いた映画です。作る側としては、それが楽しいんです。」と作品への思いを語った。
最後に橋爪より「この出来損ないの家族をまたみなさんに観ていただきたい。日本全国に笑いを巻き起こす展開になればいいと思います。」と挨拶をし、暖かい拍手の中会場を後にした。