日時: 2017年4月3日(月)
場所:グランドハイアット東京グランドボールルーム
登壇者:役所広司・松坂桃李・真木よう子・石橋蓮司・江口洋介・白石和彌(監督)・柚月裕子(原作者)
4月3日、グランドハイアット東京グランドボールルームにて、2018年春に公開予定である映画『孤狼の血』製作記者発表会が、盛大に行われた。発表会には、本作のメガホンを取る白石和彌監督、原作者である柚月裕子に加え、主役を演じる役所広司、松坂桃李、真木よう子、石橋蓮司、江口洋介と、豪華キャストが集結。さらに、巨大LEDパネルと大迫力映像、そして警察小説×『仁義なき戦い』」と評される本作にちなみ、あの懐かしのテーマ曲が超満員の会場を沸かせた。あらゆる正義と情念がぶつかり合う熱き物語は、もう始まっている……。
2018年春に公開予定の映画『孤狼の血』。ベストセラー小説を映画化する本作、メガホンを取るのは『凶悪』、『日本で一番悪い奴ら』で日本映画賞を総なめにした白石和彌監督。白石監督と原作者・柚月裕子先生の対談で始まった発表会では、『日本で一番悪い奴ら』での出会いから、両者が抱く本作への熱い思いと大きな期待が語られた。原作執筆のきっかけについて尋ねられた柚月は、「何度もくりかえし観た不朽の名作『仁義なき戦い』があったからこそ生まれた作品です。あんな熱い物語を、いつか自分も小説で書きたいと、ずっと思っていました」と誕生秘話を語った。
白石監督も、原作について「男たちの情念がぶつかる熱い物語。これは、現代の日本ではなかなか見ることのできない衝撃です」と絶賛。自身が指揮を執ることについては、「かつて東映が率い、栄えた「男の物語」を今映画として蘇らせることを嬉しく思うと同時に、身が引き締まる思い」と、興奮と強い覚悟を露わわにした。
大注目のキャスト解禁!主役を演じるのは、日本が誇る俳優・役所広司!続いては、大注目のキャスト登場。登場シーンでは、4枚もの巨大LEDパネルに映し出された映像が、会場の興奮をさらに押し上げた。待ちに待った出席者の前に現れた豪華俳優陣!会場の熱は高まるばかり。司会より、本作に対する意気込みを尋ねられた主演・役所広司は、「このテイストの映画を撮らせるなら、今の日本では白石監督だけ。舞台となる広島の世界観も、しっかり伝えていきたい」と役者としてのこだわりを披露。
松坂桃李は、白石監督との出会いを「衝撃だった」と振り返り、監督の作品を演じるのは2度目である本作について「胸が熱くなるこの作品、監督がどんな世界をイメージしているか、そして役所さんに必死に食らいついていきます」と、決意を新たにした。
実は、役所と松坂は既に何度も共演している“名コンビ”でありながら、本作程ペアとなって動く役柄を演じるのは今回が初。このコンビが、いかなる戦いを仕掛けていくのか、期待は高まるばかりだ。
そして、本作においてキーとなる女性キャラクターを演じる真木は、「これはまさに男性の映画。自分が男だったら、ヤクザ役で出たいくらい。けれど、それに負けないくらい魅力的で強い女性キャラクターが登場します。自分も、格好良い女性キャラクターを演じ切りたい」と気合十分。
役所との共演については、「実は以前のドラマでは、実際の絡みはほとんどなかった」と暴露し、改めて一緒に作品を作っていけることの喜びを語った。
そんな中、役所と対立する暴力団組織の組長役を演じる石橋蓮司は「初めて台本を読んだ時、自分の役名を読めませんでした。警察の方の心を忖度して、争いのない社会、市民の安全を守りたいと思います」と会場を笑いに包んだ。
同じくヤクザを演じる江口洋介は、石橋とは対立構造にある若頭役。「組長が監獄にいる中、50名近くの組員をまとめ奔走する若頭役です。そんな立ち位置も含め、今から楽しみ。刺激的な作品にするべく、役作りのために、街を歩く“その世界の人”を観察している」と述べた。
以上、それぞれ作品への思いと期待を語った俳優陣を目の当たりにした柚月は、「脚本を読んで、今、みなさんとお会いして、どんな映画になるのだろうと、言葉になりません。原作は自分だけれど、本当に楽しみです!」と胸を躍らせた。
また、4月3日は、世間では多くの入社式や入学式が行われ、まさに若者が新しい世界に旅立っていく日。そんな彼らに松坂は、「この映画のように、わくわくしながら、目の前のことに力強く向きあって欲しい」とエールを送り、役所からは「この映画から発せられる人間のエネルギーを感じて欲しい。こんな“熱い人間”とそれぞれの正義を感じながら、頑張って欲しいです」と激励が送られた。
そして、彼ら豪華俳優陣がこだわり、大切にしているのは、本作の舞台である広島県ということもわかりました。本作の撮影が行われるのは、原作と同じ、広島県・呉市。かつての『仁義なき戦い』では叶わなかった、本場での撮影に注目が集まっている。
同様に、作中で聴こえる「広島弁」も大きなこだわりの1つ。役所は、「ただ真似するだけでは関西弁、ともとれてしまう。それでは広島県の方にも、作品にも申し訳ない。板についた広島弁になるよう勉強している」と熱意を語った。
「今日本には、元気のある映画が少ない。」そんな嘆きも聞こえる昨今、この作品は日本の映画界に衝撃を与えること間違い無し。ユーモアも混じる男たちの世界と、それぞれの命と正義を賭けた戦いは、いかに描かれていくの……この世間の期待を超えられるのは、白石監督率いるこのキャスト陣だけ!それぞれの期待と熱意が会場を圧倒し、大盛況の中、製作発表会は終了した。