『バックコーラスの歌姫たち』で2014年アカデミー賞®長編ドキュメンタリー賞を受賞したモーガン・ネヴィル監督が、世界的チェロ奏者ヨーヨー・マに密着したドキュメンタリー映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』が、3月4日(土)Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他にて全国公開となる。ポスタービジュアルと予告編が解禁となった。
世界的チェロ奏者であるヨーヨー・マが、2000年に【音の文化遺産】を世界に発信するために立ち上げた“シルクロード・アンサンブル”。さまざまな歴史的、文化的、政治的背景を背負ったメンバーたちとともに、ヨーヨー・マは自分自身のアイデンティティを確立していく。彼らの音楽は地図上の国境をなくし、多様な文化を一つにし、アーティストと観客双方に希望をもたらす音楽の力を実証し続けてきている。
本作は、ヨーヨー・マが音楽で世界を変えようと努めてきた20年に渡る道のりと、メンバーたちの生き様を通して、音楽が国際的な言語であり、人々をつなぐ架け橋であることを体感できるドキュメンタリー。
公開された予告編では、世界で最も有名なクラシック演奏家のひとり、ヨーヨー・マのライフワーク“シルクロード・アンサンブル”の活動が映し出されていく。ベネチアやイスタンブール、中央アジア、モンゴル、中国などシルクロードにゆかりを持つ国から招集された、類い稀なる才能を持ったミュージシャンたち。ケマンチェ、中国琵琶(ピパ)、尺八、バグパイプなど伝統的な東西の音楽と現代音楽とが融合し、互いに触発されながら即興演奏を披露する様子は、まさしく現代版の“We Are The World”そのものだ。
「音楽の力で文化を進化させ、世界を変えたい」と語るヨーヨー・マの言葉には、アンサンブルのメンバーそれぞれが抱える「故郷」への想いが影響している。文化大革命によりアメリカへ渡った中国出身のウー・マン、イラン革命により家族と活動の場を奪われたヨーヨー・マの盟友ケイハン、悪化するシリア情勢下で故郷を追われたキナン(注:現在彼は、トランプ米大統領がテロの懸念がある国からの入国を制限する大統領令に署名したことで、アメリカに再入国できるか懸念されている)など、育ってきた社会での犠牲も浮き彫りとなっていく。メンバーは大切なものを失い、一度は音楽の役割に限界を感じたこともあるが、楽器を置くことはなかった。伝統と信念を他のメンバーと共有して、前に進むことを選んだ。国境を越える自由は誰も奪えない――紛争が絶えない混沌とした世界に訴える希望のアンサンブル。現代の世界情勢を反映した”今”な映画だ。
映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』は3月4日(土)Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他にて全国公開。
『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』予告編
https://youtu.be/3CcIA4_ZQKU