1980年代、台湾映画界に巻き起こった新しい潮流「台湾ニューシネマ」。その時代を鋭く映しとった若い作家たちは、国際映画祭で評価を高め、その傑作群は今も世界の映画作家に影響を与え続けている。「台湾ニューシネマ」を牽引した代表的な存在であり、映画史にその名を刻む名作を残しながらも、2007年に59歳の若さで生涯を閉じた名匠エドワード・ヤン監督。
ヤン監督の生誕70年、没後10年となる今年、初上映からDVD化もされずスクリーンで観ることが叶わなかった伝説の傑作『牯嶺街クーリンチェ少年殺人事件』と、エドワード・ヤンが朋友ホウ・シャオシェンを主演に迎えた台湾ニューシネマの奇跡の瞬間が刻印された幻の傑作『台北ストーリー』が、3月と5月に連続公開される。ともに、4Kレストア・デジタルリマスター版での公開。美しく蘇る傑作をスクリーンで観ることができる映画ファン垂涎の貴重な機会となる。
『牯嶺街少年殺人事件』
4K レストア・デジタル 4K レストア・デジタル レストア・デジタルリマスター版
3 月 11 日(土)より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館(3/18~)ほか全国順次ロードショー
伝説の傑作が25年ぶりに蘇る。名匠エドワード・ヤン監督が 1991 年に発表した、傑作『牯嶺街
クーリンチェ少年殺⼈事件』がデジタル・リマスターされ、25 年ぶりに日本のスクリーンに戻ってくる。 本作は BBC が 1995 年に選出した「21 世紀に残したい映画100 本」に台湾映画として唯一選出され、2015 年に釜⼭映画祭が選出した「アジア映画ベスト 100 本」の第7位に選出されるなど、映画史上に残る傑作として評価されながらも、日本では初上映以来25年間、観る機会がほとんどなかった。本作の発表から25年を記念して、3時間 56 分デジタル・リマスター版が、エドワード・ヤン監督の生誕 70 年、没後10 年となる 2017 年に劇場公開されることが決定した。
『台北ストーリー』
4K デジタル 4K デジタル修復版
5月 ユーロスペースほか全国順次ロードショー
幻の傑作が日本劇場初公開が日本劇場初公開。この街は、そしてわたしたちはそしてわたしたちはそしてわたしたちは、これからどこにこれからどこにこれからどこに向かってゆくのだろうかってゆくのだろうかってゆくのだろう。監督エドワード・ヤン、エドワード・ヤン、そして主演ホウ・シャオシェン――ホウ・シャオシェン――台湾ニューシネマの奇跡ニューシネマの奇跡の瞬間が刻印された幻の傑作、ついに日本劇場初公開日本劇場初公開!
『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』のエドワード・ヤンが、『恐怖分子』の前年(’85)に撮りあげた長篇第2作。すでに『風櫃(フンクイ)の少年』『冬冬の夏休み』などを発表していた盟友ホウ・シャオシェンが、エドワード・ヤンのために自宅を抵当に入れてまで制作費を捻出し、完成にこぎつけたいわくつきの作品である。
マーティン・スコセッシが設立したフィルム・ファウンデーションのワールド・シネマ・プロジェクトにより、4Kによるデジタル修復が実現(この修復作業にもホウ・シャオシェンが協力)、エドワード・ヤンの生誕70年・没後10年にあたる今年、ついにこの幻の傑作がわたしたちの前にその姿を現すこととなった。主演は、素のままを演じているとしか思えない役者ぶりのホウ・シャオシェン。そして、台湾の人気ポップスシンガーで後にエドワード・ヤンと結婚することになるツァイ・チン。ほか、『光陰的故事』でエドワード・ヤンらと共に監督を務めたクー・イーチェン、『恋恋風塵』『悲情城市』などの脚本でも知られるウー・ニェンチェンなど、自分の信頼できる仲間だけで固める、というエドワード・ヤンの意思がはっきりと表れたキャスティング。まさに「台湾ニューシネマの最も幸せな瞬間」に誕生した奇跡の一本。この映画のもう一人の主役である80年代なかばの日に日に変貌を遂げつつある台北を、主人公の幼馴染の男女2人が疾走する!