シャイア・ラブーフ主演で戦争がもたらす傷跡と不条理な世界を描いた『マン・ダウン 戦士の約束』が 2 月25 日(土)より新宿武蔵野館他にてロードショーとなる。本作はアフガニスタンでの任務を終えた帰還兵の物語だが、過去にも『ディア・ハンター』『7月4日に生まれて』『父親たちの星条旗』『アメリカン・スナイパー』など帰還兵を描いた名作が数多くあった。それらはアメリカの歩んだ戦争の歴史と共に、戦争がもたらす知られざる悲劇を私たちに訴えかけてきた。
『マン・ダウン 戦士の約束』もまた、監督の今までにない演出により観るものの心をえぐる衝撃作となっている。トランプ新大統領が誕生し、アメリカの行く末が不安視される昨今。今この瞬間も起きている戦争が我々に何をもたらすのか、映画を通じてもう一度胸に刻むべきなのかもしれない。
『マン・ダウン 戦士の約束』(2 月 25 日公開)
アフガニスタンでの任務を終えて帰還したガブリエルだったが、故郷の街は荒廃し妻子の行方もわからなくなっていた。一体この街に何が起こったのか?荒廃した街でガブリエルは妻子を探すのだが―。シャイア・ラブーフが主演を務め、ケイト・マーラー、ジョイ・コートニー、ゲイリー・オールドマン他豪華キャストが集結。戦争がもたらす傷跡をかつてない演出で描き出し、観る者のこころをえぐる衝撃作!
『ディア・ハンター』(1978 年)※ベトナム戦争
ベトナム戦争での過酷な体験から心身ともに傷を負ったベトナム帰還兵たちの行く末と彼らの友情を描いた、言わずと知れた名作。ロバート・デニーロやメリル・ストリープなど今やオスカー級の俳優たちの若かりし姿も見ることができる。第 51 回アカデミー賞では作品賞も受賞した作品。
『7 月 4 日に生まれて』(1989 年)※ベトナム戦争
オリバー・ストーン監督、トム・クルーズ主演。ベトナム戦争からの帰還兵の悲劇を描いた作品。ベトナム戦争で負傷し車いす生活を余儀なくされた主人公に向けられたのは、アメリカ国内からの非難や嘲笑だった。自分の信じていたものに裏切られ絶望する帰還兵の姿に、国家がおこした戦争にどれほどの個人が翻弄させたのかという事実を考えさせられる。
『父親たちの星条旗』(2006 年)※太平洋戦争
巨匠クリント・イーストウッドが日米双方の視点からみた硫黄島の戦いを描き話題となった作品。アメリカの視点で硫黄島の戦いが描かれている。摺鉢山の頂上にアメリカ国旗を掲げたアメリカ兵士たちの戦場での姿と、帰国してから国家の英雄として扱われるギャップが印象的である。国家にとっての戦争と体験した兵士にしかわからない戦争の記憶、その違いが痛々しいほどに描かれている。
『アメリカン・スナイパー』(2014 年)※イラク戦争
イラク戦争に 4 度従軍したクリス・カイルの自伝をもとにクリント・イーストウッドがメガホンをとったヒット作。アメリカで公開された戦争映画としては最高の興行収入を記録し日本でも話題となる。米軍最強のスナイパーとしての姿と優しい父親の姿という 2 面性をクリス・カイルが好演しており、そのあまりに悲劇的な最後には戦争がもたらす負の連鎖を痛感させられる。