日時:1月21日
劇場:新宿武蔵野館
登壇者:坂下雄一郎監督、中西美帆、小市慢太郎、松木大輔、星野恵亮、遠藤隆太、及川莉乃、近藤フク、川瀬絵梨、松本行央、嘉瀬興一郎、青柳信孝、武田祐一
映画『東京ウィンドオーケストラ』が、1月21日(土)より東京・新宿武蔵野館での公開初日を迎えた。『滝を見にいく』、『恋人たち』に続く、松竹ブロードキャスティングオリジナル映画プロジェクト第3弾作品として製作され、世界遺産・屋久島を舞台に、有名オーケストラと間違われて島にやってきたアマチュア楽団と、自分のミスで彼らを呼んでしまった町役場の女性職員が、彼らを本物のトップアーティストとしてだまし通そうとする騒動を通して、「何かに一生懸命になる」ことの可笑しみと愛おしさを映し出す、ハート・ウォーミング・コメディ。監督は、東京藝術大学大学院の修了制作として監督した『神奈川芸術大学映像学科研究室』が国内外で注目を集めた、日本映画界期待の新鋭・坂下雄一郎。出演は、いま最も注目される若手女優・中西美帆が主演を務め、アマチュアオーケストラの楽団員を、ワークショップで選抜された年齢もキャリアもバラバラの新人俳優たちが熱演。さらに小市慢太郎ら実力派が脇を固め、作品に厚みを与えています。新宿武蔵野館にて、坂下雄一郎監督、主演の中西美帆、小市慢太郎ほか総勢13名での初日舞台挨拶が行われた。
満席の会場に温かい拍手で迎えられた監督、キャスト総勢 13 名による初日舞台挨拶は、本作で商業映画デビューとなった坂下雄一郎監督が、「2014 年に前作『神奈川芸術大学映像学科研究室』をこの新宿武蔵野館で上映されて、それから 3 年経ってこうしてまた同じ劇場で新作が上映できて嬉しいです。」と感慨深げに挨拶してスタート。
今回映画初主演を努めた中西美帆は「役者にとって初主演というのは一生に一度だけで、今日この封切りの日を迎えて、記念すべき日になりました。この一日を抱きしめたい気持ちでいっぱいです。映画の中ではまったく笑わない役でしたが、普段の自分は笑い上戸なんです。」と満面の笑顔で初日を迎えた想いを語った。
また、坂下監督について聞かれた小市慢太郎は、「実は監督と僕は殆ど言葉を交わしていなくて(笑)。でも坂下監督は本当にヴィジョンがはっきりしていて、カット割りも明確で迷いがなかった。演出も、耳元でひと言ふた言ボソッと言うだけなのにそれが的確で。まだ若い監督ですが尊敬しています。」と絶賛。坂下監督も「本当に現場では殆ど言葉を交わしていなくて、こんな言葉を聞けて嬉しいです。」とはにかみながらも感謝を述べた。
一方、中西からは「今をときめくベテラン俳優さんですから、間近で見させていただくだけでも勉強になりました。私が不倫相手に「別れましょう」っていうシーンがあるんですが、私はそのセリフが腑に落ちてなくて。その時、横にいた小市さんが、『それでええねん』って言ってくださって。『監督は才能がある人で、脚本も面白いから思い切っていえばいい』と。その言葉に背中を押されました。」と先輩俳優との共演を振り返った。
終盤では、客席から花束をプレゼントされ、感極まった中西が思わず涙する場面も。「ずっとがまんしていたんですが、登壇する前から泣きそうで…この作品と出会う前は、役者として悩んでいた時期だった。性格ブスな女の子の役でしたが、役者人生のターニングポイントになるような映画に出会えて幸せです。本当にありがとうございました。」と声を震わせながら感謝を述べ、再び客席から惜しみない拍手が贈られた、和やかな舞台挨拶となった。