カンヌ国際映画祭<監督賞>受賞、クリスティアン・ムンジウ監督・脚本・製作による『エリザのために』が2017年1月28日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開される。ポスタービジュアルと監督のコメントが解禁となった。
最愛の娘を守るため奔走する父親の緊張感みなぎる5日間を描いた『エリザのために』。今回解禁されたポスタービジュアルは、父親が娘エリザを真っ直ぐに見つめ、2人の間には「必ず守る 娘だけは」というコピーが入っている。最愛の我が子を必ず守りたいという固い決意が伝わってくるビジュアルである。本作は今年開催された第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にて、見事<監督賞>を受賞。TIME OUTは【壮大な物語をわずか数日の出来事として、それもたった2時間に凝縮した『エリザのために』はダルデンヌ兄弟のカメラの動きが生むエネルギーと、ミヒャエル・ハネケの歪んだミステリーを併せ持つ作品だ。】と大絶賛している。監督・脚本・製作を務めたクリスティアン・ムンジウ監督は、『4ヶ月、3週と2日』で第60回カンヌ映画祭において“ルーマニア映画史上初となった最高賞パルムドールを受賞、『汚れなき祈り』では第65回カンヌ映画祭にて女優賞&脚本賞のW受賞、そして今回の第69回カンヌ映画祭、監督賞受賞により、カンヌ映画祭で3度目の受賞となり、ヨーロッパを代表する監督の一人となった。
クリスティアン・ムンジウ監督は本作のテーマを思いついたいきさつに関して次のように語っている。「新聞の記事で強姦された少女について読んだ。ルーマニアのブカレスト市内で起こった事件で、彼女は強姦されるまで30分ほど町の中、雑踏の中を引きずり回されていた。けれど、誰も止めようとする人はいなかったんだ。その事実は、僕らが現在どんな社会に生きているかを物語っていると思う。我々は多くの人に囲まれて生きているにも関わらず、いかに自分のことしか考えていないのかと。これは社会として健全ではないと思う。集団としての解決策のある社会こそが本当の社会だと思う。その視点から僕は映画を作っている。子供たちの未来が心配なんだ。こんな社会でいかにして子供を育てるべきなのか。社会の集団的な責任を子供たちに教えていくことが大切だと思う。」