『ホテル・ルワンダ』(04)でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた実力演技派俳優、ドン・チードルが監督、主演、脚本、製作を務め『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の 5 年間』が 12 月 23 日(祝・金)より TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショーとなる。
ジャズ・ミュージックの歴史を語るうえで欠かすことのできない巨人であり、既存のジャンルやスタイルの枠を軽々と打ち破って革新的なサウンドを創造したマイルス・デイヴィス。『ホテル・ルワンダ』や『アベンジャーズ』シリーズの名優ドン・チードルが監督デビューを飾った本作は、クラウド・ファンディングで制作資金を募ってまで実現にこぎつけた念願のプロジェクト。マイルスのキャリア空白期にスポットをあて、偉大なる”帝王”の音楽と人生の本質に迫っている。
トランペットを手放しキャリア終焉の機器に瀕したマイルスの前に現れたのは、若手トランぺッター、ジュニア。若かりし日のマイルスがそうであったように、音楽を愛するが故の純粋な好奇心と貪欲さを併せ持ち、自身の音を求めチャンスをつかみ取ろうとする彼の存在は、マイルスの目にどう映ったのか。この重要なキャラクターを演じているのは、今注目の若手俳優キース・スタンフィールドだ。
『ルーム』のブリー・ラーソン主演、『ショート・ターム』で長編映画デビューを飾ったキース。この作品は監督のデスティン・ダニエル・クレットンが大学の課題として撮った中編映画を長編にリメイクしたものだが、前身の中編作品から続けて出演した役者はキースのみ。長編を製作することが決まった時、彼は俳優業を離れていたが「どうしても彼じゃないとダメだ」というクレットン監督の説得により、映画界に復帰。そんな監督の思惑通り、新人とは思えぬ圧倒的な存在感を見せつけ、インディペンデント・スピリット賞助演男優賞にノミネートされる。その後本格的に俳優業をスタートさせ、『パージ:アナーキー』(14)、『グローリー/明日への行進』(14)、『ストレイト・アウタ・コンプトン』(15)、『DOPE/ドープ!!』(15)など数々の話題作へ出演。長身と整ったルックスに、どこか儚げでアンニュイな雰囲気を漂わせる唯一無二の魅力を生かし、着々と人気俳優へと成
長を遂げている。
今後の公開作は、オリバー・ストーン監督の『スノーデン』(2017 年 1 月 27 日公開)、最近続編が公開され話題を呼んだ大ヒットシリーズ『DEATH NOTE』(2017 年 Netflix で全世界ストリーミング配信予定)のハリウッド版で、日本では松山ケンイチが演じ高い評価を得た、天才探偵 L 役に挑んだ。また俳優業以外にラッパーとしても活躍しながら、マルチな才能を発揮する彼に今後も注目したい。