本年度ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』が来年2月11日に渋谷Bunkamuraル・シネマほかにて公開される。本作は今年のアカデミー賞外国語映画賞イタリア代表に選出されており、ドキュメンタリーと外国語映画賞と2部門のノミネートが濃厚と言われている2017年の注目作品。
監督のジャンフランコ・ロージは前作『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』でドキュメンタリー作品初のヴェネチア国際映画祭金獅子賞(最高賞)を受賞。そして、本作『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』でもベルリン国際映画祭初のドキュメンタリー作品で最高賞である金獅子賞を獲得、と快挙を連発、映画界に新風を送り込む新たな才能を持ったドキュメンタリー監督だ。
初公開された予告編は、ベルリン国際映画祭で審査員長をしていた女優のメリル・ストリープの「今すぐ見なくては!」という言葉から始まる。イタリア最南端のランペドゥーサ島の美しい海とそこで暮らす少年サムエレの無邪気な笑顔を収めながらも、その島のもうひとつの顔――アフリカからやってくる難民たちの玄関口であることを示す。難民船から発される救助依頼の切羽詰まった声。ニュース映像では見ることのできない、難民の上陸シーンと隣り合わせに暮らす人々の顔。どこにでもある日常と、かつて持っていたはずの日常を捨てざるを得なかった人々の暮らし……まるで昼と夜のようなコントラストをなして、そのふたつが、静かに、しかし衝撃的に提示されている。最後は、「ぼくたちの海を、命をかけて渡る人たちがいる―」という胸を締め付けるキャッチコピーで締めくくられ、小さなランペドゥーサ島からこの世界が見えるような予告編に仕上がっている。
『海は燃えている イタリア最南端の小さな島』予告編
https://youtu.be/-IgaGgZbuwQ