松雪泰子が京都凱旋で日本が誇る本物の美と川端康成世界の精神性をアピール。映画『古都』京都プレミアイベントリポート

松雪泰子が京都凱旋で日本が誇る本物の美と川端康成世界の精神性をアピール。映画『古都』京都プレミアイベントリポート
提供:シネマクエスト

日時:11月16日(水)15:30~
会場:ウェスティン都ホテル葵殿
登壇者:松雪泰子、新山詩織、Yuki Saito監督
小林芙蓉(書画家)、横澤和也(石笛奏者)、松山大耕(妙心寺退蔵院副住職)、門川大作(京都市長)※敬称略

松雪泰子主演映画『古都』(11/26~京都先行、12/3~全国公開)の京都プレミアイベントが、16日に京都市内のホテルで行われた。イベントには主演の松雪が映画さながらの和装姿で、エンディング曲を担当した新山詩織、Yuki Saito監督とともに登場した。
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原作者・川端康成が執筆のために宿泊していたウェスティン都ホテルでのプレミアイベントには、映画のテーマでもある“ほんまもん”にこだわり、裏千家今日庵から今作でも使用されている貴重な茶道具、今作を支援し本編にも出演している華道家元池坊次期家元池坊専好氏による華と、書画家・小林芙蓉氏による題字、五代・田畑喜八氏による着物、さらに松栄堂による香、香道具、さらに京都の杉で制作された台座にはTEIJINによるシンクエコという最新技術で制作された浴衣が飾られた。

厳かで真摯な空気が漂う中、小林氏の書のパフォーマンスの後、松雪が原作にもよく登場した場所であり、今作の象徴的なシーンである青蓮院で着用された古都を象徴する美しい着物姿で登場。日本の和が結集した“ほんまもん”のステージで京都凱旋の記者会見を行い、エンディング曲を歌う新山は、中島みゆきの名曲『糸』を伸びやかに歌い上げ会場の注目を集めた。

一人二役を演じた主演の松雪は「京都に暮らしているわけではないですが、千重子と苗子という役を通して、京都に生きました。お茶や、所作、着付けなどのお稽古ごとを学び、料理はお店に伺って教わったり、この肉体を通して体現したい、表現したいと臨みました。京都で発表できることを嬉しく思います」と挨拶。

今作が商業長編デビュー作となるYuki Saito監督は「京都にある伝統文化、美しさを映画にできたら……とずっと思っていました。川端康成財団の理事を務める川端香男里さんからは『古都』を自由に映像化していい、ただし川端康成の『美の精神』だけは、今の京都をしっかり描いて、受け継ぐようにと言われたので、作品に宿る魂みたいなものを描くためにすべて“ほんまもん”にこだわりました」と緊張感漂う面持ちながら力強く語った。

対して松雪は「読み返しページをめくると絵画のように広がっていく川端作品の文化の奥深さは、母である立場で若い世代にどう伝えていくか、まだ社会に出てない未知の世界をどう継承していくかと非常に難しいのですが、葛藤しながら、より良いセッションをしながら作品を高められたと思います」と自信のほどをのぞかせた。

エンディング曲を担当した新山は「学生の時からふと耳にする、名曲『糸』は年代問わず響く曲だと思います。京都の美しい景色に優しく寄り添えるように歌わせていただきました」と初々しさをにじませた。

最後に京都を代表して、門川大作京都市長から花束の贈呈が行われ、イベントは幕を閉じた。

最終更新日
2016-11-17 12:15:04
提供
シネマクエスト(引用元

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