『先生を流産させる会』(12)などの気鋭監督・内藤瑛亮が、古屋兎丸によるカルト的人気を誇る伝説的ロングセラーコミックを実写映画化した『ライチ☆光クラブ』。そのBD&DVD発売を記念して、内藤監督にインタビュー。超人気原作を映像化する際の苦労話を語った。
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「原作のファンが強烈に愛している作品なので、彼らが納得してくれる作品を目指そうという目標が、準備段階の時点でありました」と述懐する内藤監督。しかし、原作をありのままに映像化すればいいというわけではなく、「とはいえ漫画や舞台が原作の難しい点は、そのまま映像化しても同じ感動が芽生えるわけではありません。結局メディアが違うので、ディテールや表現を変えていかないといけない」と、映画化への苦労エピソードを語った。
でも、「だからと言って変えすぎると、原作のファンが離れてしまうし、原作者や出版社としても離れすぎてしまうと、『原作の映画化としては、どうなの?』ということになります」とも。「そのサジ加減を探る作業が難しかったですが、結果的にご満足していただけたかなと思っています」と自己評価。人気原作の映像化の場合、辛い評価が飛びがちななか、完成した映画はおおむね好評価を獲得して、若手俳優たちの大熱演も大いに話題を集めた。
改めてBD&DVDを迎え、「美術の背景に映るものや小道具も全部漢字と片仮名だけしかなくて、パっと見ると現実世界の延長線上だけれども、違和感を覚えるはずなんです。その辺は細かく観てほしいですかね」とメッセージを贈る内藤監督。こだわりの世界観に注目!