佐藤仁美主演作『惑う~After the Rain~』が完成し、2016年秋に静岡先行、2017年春に有楽町スバル座で公開されることが決定した同作品は静岡県三島市の“地域の未来をつくるひとをつくる”プロジェクトとして市民参加型で作られた長編作品。昭和の終わり、ある普通の家族の「あたりまえの幸せ」が丁寧に描かれている。
昭和55年、冬。銀行で働きながら、母・イト(宮崎美子)と暮らす長女・いずみ(佐藤仁美)は、結婚式を明日に控えていた。いつも通りの一日を終えたその日の夜。イトはいずみに、初めて今は亡き誠志郎の夢を明かす。それはこの家から娘を嫁がせる事。明治の末に建てられた楽寿亭の離れ屋敷に開かれた石川塾。二代目を務める父が急逝し、いずみは父の代わりに母と妹を支え、家をなかなか出ることができなかった。時は流れ、町の再開発のために取り壊しが決まった楽寿亭で挙式は行われた。美しい白無垢の花嫁となったいずみ。娘たちの美しい姿を見つめながらイトの心には、家族4人で共に暮らした日々の情景が色鮮やかに蘇る…。
監督は北野武や黒沢清の助監督を経て『ふるさとがえり』『空飛ぶ金魚と世界のひみつ』などを手がけてきた林弘樹。心を揺さぶるドラマ演出の名手として、次世代監督の筆頭として注目を集めている。そのほか、世界的に活躍する衣装デザイナーの黒澤和子、撮影監督として著名な高間賢治ら日本映画界屈指のスタッフが結集している。
主演は『バウンス ko GALS』でキネマ旬報新人女優賞などを受賞、以降映画・TVドラマなど多方面で活躍中の佐藤仁美。妹役に今秋公開の『東京ウィンドオーケストラ』で初主演を務めるなど若手注目株の中西美帆。母役に『かぞくのくに』『ピンクとグレー』の宮崎美子。ほか小市慢太郎、斎藤洋介、村田雄浩、藤田弓子ら演技派が揃った。