直木賞受賞作家・小池真理子の半自叙伝的同名小説を映画化した作品『無伴奏』が、1月29日から2月8日までスウェーデンのヨーテボリで開催された第39回ヨーテボリ国際映画祭に正式出品された。
上映は2月4日(木)20時~、5日(金)17時30分~、6日(土)12時30分~の3回で、ほぼ満席となった。
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ウルグアイ出身の男性は「この映画を本当に気に入りました。世界中で観られるべき映画です」とコメント。上映における日本人観客は各回3人ほどで、移民の多い港町であるヨーテボリ在住の様々なバックグラウンドをもつ観客から多くの称賛の声が寄せられた
上映後には15分のQ&Aを行い、同作品のプロデューサーが質問に答えた。
観客からは、「この映画は強い愛を維持することの難しさを描いているので“A Cappella(無伴奏)”というタイトルは、私の中で“孤独”という言葉と結びつきました」というコメントや、作品の衝撃的な内容から、「出資を募るのは大変だったか?」という質問が飛び出したほか、「渉が響子に言う『愛している』という言葉を、日本人は使わないと聞いているけれど、どうして使っているのか?」という質問に、プロデューサーが「矢崎(仁司)監督は原作をとても大切にする監督で、原作からそのまま使っている台詞も多い。私が原作を読んだ時の印象は違ったが、矢崎監督は池松(壮亮)さんに、『渉は心の底から響子を愛している』と話し、池松さんもそのように演じているから、渉の心からの言葉だと思っている」と答えるなど、観客からの積極的な質問が飛び交った。
映画『無伴奏』は、3月26日より新宿シネマカリテほか全国で公開される。