3月19日公開の映画『最高の花婿』のフィリップ・ド・ショーヴロン監督が来日し、日本記者クラブで行われた同作品の試写会で舞台挨拶を実施した。
同作品ではフランスで口コミにより火が付き、5人に1人が観たという国民的大ヒットを記録。国際結婚という、今を生きるすべての人が向き合うべきワールドワイドなテーマが軽やかに描かれ絶賛されている。
ショーヴロン監督の舞台挨拶での主なコメントは次の通り。
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フィリップ・ド・ショーヴロン監督「異人種間結婚はフランス社会ではとても馴染みのあるテーマ」
みなさん、こんばんは。皆さんの前にこの映画をご紹介できる機会を大変光栄に思います。
この映画を作ったきっかけについて話すには、私のプライベートについて話さなくてはいけません。ある時、私が新聞を読んでましたら、そこにフランスは異人種間結婚が多く、世界の中でもチャンピオンクラスで、4人1人の割合で結婚している、という記事がありました。
私の家族も(劇中に登場する)ヴェルヌイユ家族に似ています。私の家は映画の中のような女系ではなく、男ばかりの5人兄弟のうちで、兄弟が異人種間結婚をしていました、その経験を映画で語ってみようかと思ったのです。異人種間結婚は、フランス社会ではとても馴染みのあるテーマです。そして、それをシリアスに描く傾向があると思うのですが、コメディでポジティブなトーンで描いてみようかなと思ったのです。
この作品を作ったのは今から3年前(2013年)だったのですが、フランス社会では既に色々な問題を抱えていました。差別主義の問題、コミニティの問題、暴力の問題、これは既に存在していました。
同時テロ事件が起こった後、フランスそのものが変化しました。事件は、言葉にできないほど、ひどいものでした。そのつらい体験をして、フランス人たちがポジティブに一丸となった、連帯したと感じています。
2013年にこの映画が作られ、2014年でフランスで大ヒットして、その後続編を、という話があったのですが、テロ事件が起こってしまって、続編の描き方が難しいと感じています。
この問題を、あまり軽い描き方はできないと、脚本を書きながら悩んでいます。この問題はフランスだけの問題ではない。今もこの問題を抱えている国が数多くあり、全世界が向き合っているテーマだと思います。