『牙狼』シリーズ誕生10周年記念作品として、TVシリーズ『牙狼 -魔戒ノ花-』に登場した媚空を主人公にした『劇場版 媚空 -ビクウ-』が11月14日に初日を迎え、初日舞台挨拶イベントを開催。雨宮慶太総監督、大橋明監督、主演の秋元才加、共演の朝倉えりかゲストとして出席した。
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劇中の媚空の衣裳で登場した秋元は、今作への出演について「最初にお話を頂いた時、『魔戒ノ花』では話数は多くはなかったので、また雨宮監督、大橋監督とお仕事させてもらえる喜びがありました。また、成長した媚空をみなさんにお見せできたらという思いで覚悟を決めました!」と振り返った。
大橋監督は「あんなにお腹の割れている人はスタントマンでもいない!」と鍛え上げられた秋元の肉体を称賛。秋元は「監督に『秋元才加の肉体を撮りたい』と仰っていただいたので、スケジュールに合わせて撮影2カ月前くらいから週3でトレーニングしました」と明かしたが、周囲からの“腹筋”へのあまりの絶賛に嬉し恥ずかし……?「自分の体で、ずっと見てきているので、すごさが分かんないです(笑)。こんなに腹筋をほめられることもないですね」と照れくさそうに語った。
雨宮監督は、鍛え上げられた肉体から繰り出されるアクションだけでなく、秋元が体現した媚空の内面に関しても称賛を送る。「TVシリーズで出せなかった、媚空の優しい顔を撮れてよかったです」。秋元は「テレビの時から、敵か味方か分からない部分があり、冷たい、孤高のイメージを持った方もいたと思いますが、映画で媚空の強さ、弱さを見せて、ギャップを出せたかなと思います」とうなずいていた。
また、秋元が歌う主題歌『繊月~光と闇の傍で~』に対しても、客席からは大きな拍手。秋元は「浮かれちゃいますね(笑)」と嬉しそうに微笑み「久しぶりに秋元才加としてエンディングを歌わせてもらいましたが、媚空として歌っている感覚が強かったです」とまさに媚空の心情が歌詞に反映されており、役のままの思いで熱唱したと明かした。
また、紗夜を演じた朝倉は「二面性がある女性で、(違いを)引き出すのに試行錯誤がありました」と述懐。初めて挑んだアクションには「相手が秋元さんで、緊張しました! こんなキレイな女優さんを相手にどうしよう? と思いましたが、『全力でぶつかってきてください』と言っていただいて、思い切りいかせていただきました」と振り返った。
アクションシーンで対峙して、朝倉も秋元の“鋼の肉体”の凄まじさを実感したよう。あるシーンでは、朝倉が攻めて、打撃を加える場面にもかかわらず「カットが掛かった瞬間、私の方が『痛い!』ってなりました(苦笑)」と告白。さらに、先日の東京国際映画祭の舞台挨拶で、秋元が『ロッキー』を目指すと発言したことに触れ「撮影中、お弁当を食べながら、持参した卵や鳥のささみを食べていて、なるほど! と思いました」と暴露し、会場は笑いに包まれた。
この日は舞台公演のために欠席となった代知役の須賀健太からビデオメッセージが到着。アクションに挑戦できた喜びや、二面性のあるキャラクターを演じたことへの感想などを語り「謎のある終わり方でしたので、また代知として、何かを残せたら!」とさらなる続編への期待を口にしていた。
雨宮監督は「『牙狼』を10年やってきてよかったとつくづく思います」としみじみと語り、客席に向かって「続きを見たい人は手を挙げてください!」と質問。多くのファンが手を挙げている客席を見渡し「聞いただけですよ(笑)」とかわしつつも、客席からは「作ってください!」という声も挙がり、劇場は期待を込めた大きな拍手に包まれた。