闇と暴力に支配された刑務所を舞台に、不良少年の成長を描く無骨なヒューマンドラマ『名もなき塀の中の王』が、10月10日より公開される。今作の主演、ジャック・オコンネルが演じる主人公エリックと刑務所で再会する、狂暴でありながら息子に対する愛情に戸惑う父・ネビルを繊細に演じているのがオーストラリアが誇る名優ベン・メンデルソーンだ。ベンは凶悪なギャング一家の長男を演じた『アニマル・キングダム』で数々の賞を受賞し、世界的に注目され今やハリウッドで重宝されている存在。クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト ライジング』、ブラッド・ピット主演『ジャッキー・コーガン』、ライアン・ゴズリング初監督作『ロスト・リバー』、公開中のジュード・ロウ主演作『ブラック・シー』などで圧倒的な存在感を放っている。今作のデヴィット・マッケンジー監督は「僕は自信を持って、ネビルを演じられるのはベンだけだと思った。彼はすぐにネビルのキャラクターに何が必要かつかんでくれた。簡単な役ではなかったが、ベンはその身を役に委ねたんだ。すばらしいと思った。一言しゃべるだけ、身振りだけで荒くれ男のそれを表していた。ベンは変幻自在の天才なんだと思う。彼が次に何をするのか予想ができないんだ。そういうところが好きだし、そういう彼と組めたことを誇らしく思っている」と語っている。生まれながら愛を知らず、暴力でしか自分を示せなかった不良少年は生きる希望を見出し、確かな形に結実させる時まで生き残ることができるだろうか―――。主人公・ジャックの狂犬ぶりとともに、ベン・メンデルソーンのヤ“バイ父親っぷり”にも注目したい。
名もなき塀の中の王
19歳のエリック・ラブ(...
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