豪華出演陣&羽生三冠が魅力を語る『聖の青春』初日舞台挨拶

  • 登壇日:2016年11月19日(土)
  • 登壇者:松山ケンイチ、東出昌大、リリー・フランキー、柄本時生、森義隆監督、羽生善治三冠
  • 場所:丸の内ピカデリー1
豪華出演陣&羽生三冠が魅力を語る『聖の青春』初日舞台挨拶1
豪華出演陣&羽生三冠が魅力を語る『聖の青春』初日舞台挨拶2

提供:シネマクエスト

東の羽生、西の村山と称されながら29歳にして亡くなった実在の棋士・村山聖の一生を描いた話題の映画『聖の青春』。11月19日(土)に公開初日を迎え、初日舞台挨拶が行われた。
上映後の舞台挨拶とあって本編が終わると割れんばかりの拍手が沸き起こり、ゲストの登壇前から場内のボルテージは最高潮に。そして、本作を彩った秦基博の主題歌「終わりのない空」の音楽とともにキャスト・監督陣が登場。会場は割れんばかりの拍手が起こった。

まず、内面と外面からの驚異的な役作りで見事に村山聖を演じた松山ケンイチが「今日は初日に劇場にお越しいただきありがとうございます。あいにくの雨ですが、どこかひねくれたところのある天国の村山さんが降らせたのかなと思います(笑)。本作を観て、皆様の中に何かが生まれれば嬉しいです」と、村山さんに思いを馳せながら挨拶。
その村山聖の最大のライバル、羽生善治を演じた東出昌大は「お足元が悪い中、ご来場ありがとうございます」と感謝を示し、「楽しめましたか?」との会場への問いかけ、これに対し大きな拍手が返ってくると、「公開を心待ちにしていました」と、満面の笑みを浮かべた。
村山を献身的に支える師匠・森信雄を演じたリリー・フランキーは、「撮影中は男くさくて泥くさかったが、完成した作品を観てみると、必死で生きている人の清潔感で満ちていた」、村山と共に闘うプロ棋士・荒崎学を演じた柄本時生は「一つのことにここまで生涯を掛けた人というのは本当に貴重。この作品に関われて光栄な気持ちです」と、続けて挨拶。
森義隆監督は、「29歳で原作に出会ってやっと今日、初日を迎えることができた。8年の歳月がかかりましたが、それは素晴らしいキャストたちに出会うための期間だったのだなと思います。我々の手を離れ“みなさんの映画”になります。手塩にかけた子どもが旅立つような心境です」と、胸の内を明かした。

村山が亡くなった29歳と同じ歳に原作と出会ったと語る松山。「もし村山役を演じられたら5年に1本の作品になる」と思っていたそう。しかし、内面・外面から役にアプローチをし撮影を重ねるうちに、「10年に1本の作品」へ変わったという。「村山さんと羽生さんが対局の先に新しい世界をみたように、私も東出君と演技の先の世界を見ることができました」。
そんな貴重な体験をふリ返り、松山にとって「一生に一本の作品」と言えるほどの作品に。「もう二度と体験できないかもしれないと思いつつ、またあの世界を観たいと思っています」と、役者人生における大きな作品になったよう。
この想いに同意したのがリリー。「対局シーンを観ながら、村山さんと羽生さんはなんてすごい人なんだと思いました。それを伝える映画ってすごい、演じる役者ってすごいと感じた」と話す。そして、松山の徹底した役作りエピソードを告白。「劇中で村山さんが師匠からマージャンを教わったというセリフがあるんです。でも実際はマージャンシーンは無いんですが、松山君は役作りの為に一度マージャンをしてみたいと言って…」と、俳優の新井浩文とピエール瀧に協力してもらいマージャンを行ったという驚きの裏話を明かした。

プロ棋士の所作は、役作りの上でとても大変だったという柄本。自身は左利きにもかかわらず、右手での駒打ちを練習したという。森監督から「芝居をするな」といわれたと明かすのが東出。本物のオーラを漂わせることに苦労をしながらも、読んだ瞬間に惚れ込んだという脚本を、情熱を持って演じたと胸を張った。

そんな東出が演じた、村山聖の最大のライバルで本作のヒロインともいえる羽生善治三冠が、特別ゲストとして舞台に登壇。場内は大きな拍手に包まれた。

まず、「村山聖という存在を知って頂けて嬉しい。映画に関わった全ての人にお礼を言いたい」と、感謝の気持ちを示した。そして、松山の演技について、「村山さんにまた会えた気持ちになり嬉しかった。」と絶賛しながら、自身が出る映画を観ることについて「死んだ後に映画で描かれることは多いですが、生きているうちに観られるのは幸運なのかもしれないですね」と、気恥ずかしさを表しながらコメントした。

作中、村山が答える雑誌のアンケートに「もしも神様がいるとしたら何を願いますか?」という印象的なシーンがあることにちなみ、登壇者に同じ質問を実施。松山は、「良いことも悪いことも両方見ていてほしい」、東出は「神様には頼りません」、リリーは「自身が演じた森さんにあった際、役作りで、汚い格好をしていたからそれを消したい」、柄本は「ジェームズ・ディーンになりたい」、羽生は「劇中の村山さんの回答が素晴らしく、それ以上のことが言えません」、森監督は「褒められて伸びるタイプだか毎日褒めて欲しい」と、思い思いの回答が出た。

本作では松山、東出と共に役作りのために将棋道場へ通い、指し手、棋力ともに努力を惜しまず、結果として壮絶な対局シーンが話題になった。その努力を称えて、公益法人日本将棋連盟より、お二人へ初段の免状が贈呈されることに!通常の免状には将棋連盟会長・名人・竜王の直筆署名が入るが、今回は特別に羽生三冠の署名入りの特別免状を用意してもらい、羽生本人から渡された。最初に受け取った松山は誇らしげに特別免状を掲げながら、「将棋という美しい世界で生きる棋士の方々からこのようなものをもらいとても嬉しい。自分の人生への戒めとして受け取りたい」とコメント。続いて受け取った東出は「映画の舞台挨拶だという事を忘れて舞い上がっております。実力的にまだまだなので、将棋を続けて段を取りに行きたい」と、作品が終わっても将棋との付き合い続けることを誓った。

最後に会場の観客にメッセージを送った松山。「今日このように初日を迎えられて、僕の中の村山さんは消えてしまうと思います。でもきっと皆さんの心の中に村山さんが生き始めたと思います。村山さんの人生、将棋という世界を知り、生きる美しさを学んだ気がします。」と、舞台挨拶を締めた。

上映後の舞台挨拶ということもあり、終始熱気が漂っていた場内。登壇者のひとつひとつの言葉に拍手やうなづきなどの反応があり、キャスト・監督陣の初日を迎えられた感無量の想いと、観客の熱が伝わる大盛り上がりの初日舞台挨拶となった。

豪華出演陣&羽生三冠が魅力を語る『聖の青春』初日舞台挨拶3
最終更新日
2016-11-24 01:00:02
提供
シネマクエスト

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