翌日に公開を控えた11月11日(金)、韓国映画『弁護人』の来日記者会見が日本外国特派員協会で行われ、主演のソン・ガンホとプロデューサーのチェ・ジェウォンが登壇した。
『グエムル-漢江の怪物-』以来10年ぶりの来日ということで集まった大勢の記者を前に、感激の様子のソン・ガンホと『弁護人』プロデューサーのチェ・ジェウォン。ソン・ガンホは「80年代当時を生きた韓国の人々の熱い思いを表現することが出来た」と作品に対する熱い思いを語り、またチェプロデューサーはソン・ガンホを「姿は骨太に見えるが内面はとても繊細」と意外な一面を教えてくれた。
■ソン・ガンホ:10年ぶりの日本に『弁護人』という、とても意味のある作品で来日できて、格別の思いです。実在の盧武鉉元大統領がモデルなので、この作品のオファーを受けた時は正直怖いと思いましたが、勇気を出して演じました。法廷のシーンはどうやって演じればいいのか何日も考えましたが、テクニックの演技ではなく、あの時代を生き抜いた韓国の人々の熱い思いを感じて、それが演技に現れたと思います。今、いろんなことで韓国情勢が混乱しているのは残念ですが、この時期に社会的メッセージのあるこのような作品が公開されることで、日本の方たちにも色々なことを感じ取っていただけるのではないかと思います。
■チェ・ジェウォンプロデューサー:作品は数年前に韓国で公開されているのですが、時間が経ってもこの場に来れている事が嬉しいですし、アメリカではドナルド・トランプが大統領に選ばれたそんな時に、この作品が日本で公開されるということも意味があると思います。ソン・ガンホさんとは『殺人の追憶』で初めて仕事をしましたが、その時「なんてうまい俳優だ」と思いました。また彼は映画全体を見渡すことが出来る人であり、他の俳優さんとの調和や方向性を示すことが出来る俳優でもあります。それが年輪として刻まれ、今や彼は世界のどこに出しても恥ずかしくない俳優だと自信を持って言えます。我々の生き方とは何かを考えさせられる作品だと思いますので、それを作品を通して皆さんと共有したいと思います。