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『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』に主演しているメリル・ストリープが来日し、10月24日に都内で開かれた記者会見に出席した。
同作品は25日から開催される第29回東京国際映画祭オープニング作品に選出されている。
日本の秋にちなみ、紅葉したバラ科のナナカマドを飾った会場にメリルが登場すると、メディアの数の多さに驚きながら「みなさん、こんにちは。非常に温かい歓迎をどうもありがとうございます。また日本に来ることができて嬉しいです。前回来たときよりも(マスコミの数が)2倍は多いんじゃないかしら(笑)」と挨拶。東京国際映画祭のオープニングを飾る作品として、明日のイベントを前にしての気持ちを問われると「東京国際映画祭のオープニング作品として選ばれたこと、大変光栄に思います。この映画を誇りに思っています。今回、(スティーヴン・)フリアーズ監督やヒュー・グラントは仕事が忙しく私だけ暇だったのでこうして来ることができました(笑)」とコメント。
歌上手で知られるメリルが、オンチな歌姫を演じることでも話題の本作。さらに、実在した人物を演じるにあたっての苦労を問われると「フローレンスは歌はあまり上手ではありませんでしたが、歌や音楽を心より愛していて、ニューヨークの音楽シーンにとても貢献した人物です。パトロンの方には結構多いものですが、彼女は心の中ではずっと歌手になりたかったんですね。今回、2カ月ものトレーニングで、オペラのアリアをちゃんと歌えるようにして、最後に2週間で歌い方を崩しました」と明かした。
フローレンスはポテトサラダが好きで、映画の中で大量のポテトサラダを振る舞う姿が印象的でしたが、メリルさんは食に対するこだわりはありますでしょうか?
■メリル・ストリープ:美味しいお寿司が大好きなの! いつも食べていたいけど日本でしかそれは食べられないから、そうしょっちゅは食べられないわね。
昨日京都に行ったら豆腐が出てきたのですが、アメリカに豆腐は1種類しかないので、何種類も出てきて驚きました。フローレンスは自分で料理をしない人で彼女のアパートメントにはキッチンがなかったんです。彼女の食べるものは、サンドイッチとポテトサラダのみという非常に特異な方でした。
ヒラリー・クリントンはもし自分が映画になるとしたら、自分をメリル・ストリープに演じてほしいと発言していました。もしオファーが来たらどんなアプローチをされますか?
■メリル・ストリープ:すごいびっくりです! とても光栄ですね。どういう風なアプローチをするかということに関しては、わかりません。彼女が偉業をなしどけるのはこれから。未来のことですから。
自分の演技を見て驚くことはありますか?
■メリル・ストリープ:初めて出来上がった作品を見るときは、共演者の素晴らしさにいつも驚きます。演じているときは主観的に見ていますが、最初のスクリーニングのときは客観的に監督視点で見てしまいますね。それがとても楽しいです。
夢を叶えるお話でもありますが、すでに他の人から見たら夢を叶え続けていらっしゃるような人生を歩まれている印象ですが、これから叶えたい夢などありますか?
■メリル・ストリープ:今でも私は歌手になる夢はもっています。だけど、あまり上手ではないので努力しければですね。
これまでも色々実在の演じてこられたメリルさん、トランプ氏に扮したことが日本でも報道されていましたが、今回の大統領選についてどうお考えですか?
■メリル・ストリープ:みんな重荷に思っていることだと思うので、早く終わってほしいです(笑)。
夫婦の絆が素晴らしいと思いましたが、メリルさんご自身もとても家族を大切にして仲良くされている印象です。夫婦円満の秘訣は?
■メリル・ストリープ:夫(彫刻家のドナルド・ガマー氏)はとても理解のある人で、彼がアーティストという職業であることも助かっていると思います。生活のスタイルや仕事へのコミットが共有しやすいからです。フローレンスとシンクレアは芸術と音楽が好きという共通点があって、2人で同じ夢を共有していたわけです。なのでそういった同じ夢を共に追いかけられる相手はいいですね。
今回は映画祭へのご参加ですが、2020年に国際的イベントとして東京オリンピックが開催されます。東京でのオリンピックに期待されることはありますか? 応援に再び来日していただけますか?
■メリル・ストリープ:私は人が多いのが苦手で、実は一度もオリンピックは観に行ったことがないんです。2020年を待たずともその前に日本にはまた来ると思います(笑)。