今、注目を集める東京都中央卸売市場築地市場。古くは江戸時代まで歴史を遡る魚河岸は、日本橋から移転し現在に至るまで、80年に渡り日本の台所として私たちの食文化を支え続けてきた。
10月1日(土)より築地(東劇)にて先行公開し、15日(土)より全国公開する映画『TSUKIJI WONDERLAND (築地ワンダーランド)』の、築地(東劇)での先行公開を記念して初日舞台挨拶が行われた。
舞台挨拶には、本作で「築地はナンバーワンではなくオンリーワン。あれに匹敵するものは世界中にどこにもない」と名言を残した山本益博氏、銀座・小十の和食料理人・奥田透氏、築地市場の場内で仲卸として働く島津修氏・亀谷直秀氏、本作の遠藤尚太郎監督が登壇。初日を迎えた今の心境や本作を観た感想、築地の魅力などを深く語った。
初日を迎えた今の心境
■遠藤監督:公開初日という今日、本当に多くの方々にお越し頂き非常に嬉しく思います。この映画は築地を記録する使命を持ちますが、単に市場を記録するだけではなく、そこで働く人々をカメラに収めており、この人たちが築地を支えているのを感じて頂ければと思います。
映画を見た感想
■山本益博:私が築地に初めて出かけたのは今から45年くらい前でした。マグロのセリからの一連の流れを見させていただき、45年前と今とで大分変わっているようですが、中で働く人たちは変わることなく格好良いです。男の人もですが築地で働く女の人は、さらに格好良く、東京を誇りに思う所でもあります。
■島津修:愛に溢れた映画でした。僕らのお魚に対する愛情、お客様のお魚に対する愛、僕らのお客様に対する愛情、お客様の僕らに対してかけてくださる愛情。そういったものを上手く表現していただいて本当にいい映画にしていただいたので、そういう所を感じ取って頂きたいです。
■亀谷直秀:築地で30年以上働いていますが、正直我々は市場では黒子で料理屋さんたちのために色々と仕事をしています。この映画は単純に仲卸の仕事を描いているのではなく、皆さんが毎日食べている食材にいろんな方が真剣に関わっているということを本当に良く撮られていることに感心しております。
■奥田透:こういう形のドキュメンタリー映画は無かったのではないかなと思います。この映画は市場に関わる人たちや料理に関わる人たち全ての築地に関わる人々がどれだけ築地を愛して自分たちの仕事に誇りを持っているかを言い続ける物語の映画になっております。
撮影を通して気付いたこと
■遠藤監督:家業という代々続く仕事をしている仲卸の人や、料理人の方々の、おじいさんや親の世代から働いている背中を見て育っている人たちの自信の持ち方などといったエネルギーが格好良かったです。
締めの一言
■亀谷直秀:我々のことを見ていただくのも嬉しいですが、この映画を見て毎食毎食、食事が楽しいと思っていただければ一番嬉しいです。
■島津修:とにかく映像が綺麗で、それだけでも楽しんで頂けると思うので、ぜひご覧ください。
■奥田透:いろんな料理人が築地に関して熱く語っているので、それを聞くことで心地位時間が過ごせるかと思います。
■山本益博:海外の方にはたくさん築地を紹介しているのですが、日本の方が一番築地に行っていないと思うので、ぜひともこの映画をご覧になって、築地に行くのと口コミで人に勧めて頂きたいです。
■遠藤監督:この映画は日本食文化の良さを再確認しそれを支えてきた築地の役割を描く作品です。大きく時代が変わっている中で今僕たちに一番求められているのは、今の食文化をどのように次の世代につなげていくかということであり、この作品がそれを考えるためのきっかけになれば良いと思います。