安楽死はエゴか愛か? 高橋伴明監督が毎熊克哉×大西礼芳で描く「安楽死特区」

安楽死はエゴか愛か? 高橋伴明監督が毎熊克哉×大西礼芳で描く「安楽死特区」
提供:キネマ旬報

医師で作家の長尾和宏が安楽死を題材に描いた小説を、名匠・高橋伴明監督が毎熊克哉と大西礼芳の共演により映画化した「安楽死特区」が、2026年1月23日(金)より新宿ピカデリーなどで公開される。ティザービジュアルおよび監督と原作者のコメントが到着した。

〈安楽死法案〉が可決された近未来の日本。難病を抱えて余命半年と宣告されたラッパーの酒匂章太郎(毎熊克哉)と、パートナーであるジャーナリストの藤岡歩(大西礼芳)は、安楽死に反対している。そこで二人は〈安楽死特区〉に入居し、その実態を告発しようと計画。ところが入居者たちのさまざまな境遇と苦悩を目の当たりにし、さらに医師たちとの対話を経て、心境を変えていく--。
高橋監督にとっては「痛くない死に方」(2020)に続く長尾作品の映画化となる。脚本は「野獣死すべし」(1980)や「一度も撃ってません」(2020)の丸山昇一が担当。生死と尊厳、愛を問う社会派ドラマに注目したい。

〈コメント〉
高橋伴明(監督)
生き死にを決めるのは大事なこと。生きたいやつと死にたいやつがいる。色んな考え、色んなシチュエーションの人を描く、群像劇にした。本作の撮影を通じ、本人の意思だけでなく、周囲の人の思いを考えるようになり、その気持ちを尊重しながら進めるべきだと感じるようになった。
安楽死という大きなテーマに対抗するには、自分の言葉を持っている人物でないと説得力がないと考え、回復の見込みがない難病を患っている章太郎をラッパーという設定にした。
毎熊演じる章太郎と大西演じる歩が、どうきちんと死を選んでいるかを見てほしい。
長尾和宏(原作)
2021年公開の映画『痛くない死に方』が高橋伴明監督との出会いでした。ズバリ尊厳死がテーマでした。今回は、私の小説「安楽死特区」の映画化です。尊厳死と安楽死は別物です。尊厳死は社会的に容認されつつある一方、安楽死は日本ではそれを望む市民が増えているにも関わらず国会でも医療界でもタブーのままです。そこに斬りこんだのが伴明監督の本作です。是非劇場でご覧いただき、大いに議論して頂ければ幸いです。

「安楽死特区」
出演:毎熊克哉、大西礼芳
監督:高橋伴明
原作:長尾和宏 小説「安楽死特区」ブックマン社刊
脚本:丸山昇一
制作協力:ブロウアップ 配給:渋谷プロダクション
製作:「安楽死特区」製作委員会(北の丸プロダクション、渋谷プロダクション)
2025年/日本/カラー/シネマスコープ/5.1ch/日本語/129min
©「安楽死特区」製作委員会
公式サイト:anrakushitokku.com

最終更新日
2025-08-19 11:32:53
提供
キネマ旬報(引用元

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