戦争により平穏な日常を奪われた子どもたちの声を伝えるため、3.5メートルの人形〈アマル〉がヨーロッパを旅する--。「ハニーランド 永遠の谷」のタマラ・コテフスカ監督によるドキュメンタリー「ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~」が、7月11日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開。ポスタービジュアルが到着した。
2025年現在、世界では1億1730万人が難民状態にあり、その40%が18歳未満の子どもだとされる。戦争により住み慣れた家や大切な人、教育を受ける権利を奪われた彼らの悲しみや願いを伝えるため、2021年にアマル人形が旅をするプロジェクト〈The Walk〉が始まった。「アマル」は希望を意味するアラビア語で、人形は9歳のシリア難民の少女をかたどったもの。映画はシリア国境からヨーロッパを巡っていくアマルを追いながら、世界の実情を伝え、難民の声を聞いていく。
トルコの難民キャンプでは先行きが見通せない子どもや女性たちの思いに触れ、ギリシャでは難民の受け入れに抗議するデモに遭遇。さらにローマ教皇やフランスの欧州議会などを訪ねていく。アマルの旅に同行する人形遣いのムアイアド(シリア出身の難民)とフィダ(パレスチナ人)、そしてアマルの声を担当するシリア人少女のアシルも、戦争で多くのものを失い、家族とも離ればなれだが、旅の中で希望を見つけようとする。思いやりと人権のシンボルとなったアマルが辿り着く“居場所”とは--。
©JEAN DAKAR
「ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~」
監督:タマラ・コテフスカ
製作総指揮:アミール・ニザール・ズアビ、スティーブン・ダルドリー、ジェフ・スコール、デイヴィッド・リンディ
プロデューサー:ハーリー・グレース、オーランド・ボン・アインシーデル、デイヴィッド・ラン、トレイシー・シーウォード
共同プロデューサー:ハッサン・アッカド、エリー・ブレイン
アートディレクター:アミール・ニザール・ズアビ
音楽:デューク・ボジャジエフ
撮影:ジャン・ダカール、サミル・リュマ
編集:マルティン・イワノフ
登場人物:アシル・エルセプティ、ムアイアド・ルーミエ、フィダ・ジダン、マリア・アブドゥルカリム、ラナ・タハ、ローマ教皇フランシスコ
制作:Grain Media
配給:ユナイテッドピープル
80分/イギリス/2023年
©2023. Grain Media Ltd.
公式サイト:https://unitedpeople.jp/walk/